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14%アップの韓国最低賃金 ー「トリクルダウンを待つ」のではなく「まずはボトムアップ」の発想 〜 一方、日本はアベノミクス失敗が明らかに

 南北首脳会談を成功させたリーダー、金委員長と並んで早くもノーベル平和賞の呼び声高い文在寅(ムン・ジェイン)大統領ですが、トップが有能で、かつ国民のために働くとこうなるという、また別の成果がありました。
 韓国は日本より一足先に、非正規雇用の増大が社会問題となっていましたが、この度、最低賃金が一気に14%も引き上げられました。東京都の最賃引き上げ率2.79%と比較すると5倍にもなります。この効果は大きく、これまで厳しい労働条件であった若年層、高齢層、女性、非正規労働者に好影響となる見込みです。
こうした施策の背景には、文政権による新しい経済政策がありました。文大統領は当選直後から、経済不平等の克服を重要課題として「所得主導の成長」を掲げていました。
これは「質の良い仕事を提供することで、家計の所得と消費を増やし、これが企業の生産と投資の増大、引いては国家経済の健全な成長につながる好循環経済のビジョン」とあります。市井の人々が豊かになることで国全体も豊かにしようとする、これぞまさに経済だと涙ぐんでしまう政策ですが、それを画餅にせず実施したのでした。
このような指導者であれば、いずれ機が熟せば最高賃金の設定をも実現してしまうかもしれませんね。
 さあそこで、嫌でも比べてしまうアベノミクスです。
大企業と富裕層が儲かれば、いずれ底辺の労働者にもおこぼれが回ってくるという傲慢極まりないトリクルダウン論でゴリ押ししてきましたが、アベノミクスの失敗はこれまで多くの指摘するところ、ついに日銀も白旗を上げたようで、2%インフレ目標を撤回しました。
 国民のことなど眼中にない安倍政権と共に「日本すごい」の妄想を捨て、謙虚に他国を参考にし、焦土から復活をする、できるはず日本。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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14%アップの韓国最低賃金ー「トリクルダウンを待つ」のではなく、「まずはボトムアップ」の発想
転載元)
(前略)

最も興味深く読んだのは「韓国最賃事情と労組の活動(上)」という記事。金美珍という人の執筆。

リードが「韓国の最低賃金が大幅にアップした。日本と同様に非正規雇用の増大が社会問題となる韓国で、何が起きているのか
(中略)

韓国ではいま最低賃金をめぐる社会的な関心が高い。過去最大の引き上げ幅(1060ウォン=約100円)を記録した18年度の最賃(時給7530ウォン=約740円)が年明けから適用されたからだ。今回の引き上げによって全賃金労働者の18%、約277万人が直接影響を受けると推定される。主に若年層、60歳以上の高齢層、女性、非正規労働者がこれに含まれる

えっ? ホント? それはすごい。18年度の最賃(時給7530ウォン)は、17年度の最賃6470ウォンから14%のアップとなる。統計を見ると、2013年以後の日韓両国の消費者物価の変動率は、韓国が若干上回る程度でほぼ変わらない。それで、最賃14%のアップは驚愕すべき数値だ

東京都の現在の最低賃金は、時給958円。17年10月1日に引き上げられているが、その額26円。率にして2.79%である。韓国の最賃引き上げ率は、東京の5倍となるわけだ。(中略)

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君よ知るや、平壌冷麺 〜 南北首脳会談で一気に注目

 27日の歴史的な南北首脳会談のニュースは感動的でした。
特に、モニターを見るソウルの人々の写真には胸が熱くなりました。
ようやく家族に会えると思う人も沢山いるのでしょう。
今後、ベールの向こうだった北朝鮮のニュースもどんどん入って来ることでしょう。
まずは、日経冷麺先物ストップ高をマークした注目の「平壌冷麺」、
気になりますよね!
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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君よ知るや、平壌冷麺:まのじレポート

 今回の首脳会談で一気にトレンド入りしてしまった「平壌冷麺」、韓国市内でも食べられるお店には、大変な行列ができたと早速に報じられています。



ということは、韓国国内でも、そう易々とは食べられないのですね。
以前に韓国で食べた冷麺は、半透明の灰色っぽい麺に真っ赤なタレが乗っかっていて、あれもなかなか美味しいと思いましたが、どうやら「平壌冷麺」とは違うらしい。

 平壌発祥の冷麺「ムルレンミョン」は、麺の上に具材を並べて、お肉のダシと大根の水キムチの汁を合わせたスープをかけたシンプルなもののようです。

平壌冷麺(朝鮮民主主義人民共和国平壌市内レストランにて) (CC BY-SA 3.0)



このスープもたいそう美味しいらしく、お店や家庭によって工夫がいろいろ、牛肉や鶏肉、キジ肉などのダシ、合わせる水キムチも発酵の度合いで酸味が変化するらしい。

上に乗せる具材は、味付けをした牛肉の他、梨などのフルーツ、キュウリや大根、蒸し鶏などバラエティがありますが、必ずゆで卵が盛られます。このムルレンミョンの時だけは、お行儀悪く食器を手に持って、スープを飲んでも許されるとか。

麺は、基本的には、蕎麦粉とでんぷんを合わせたものを打って、特別な製麺機で、ところてん式にニュルニュルと押し出したところを茹で上げるそうです。



4:17あたりから、その独特の木製製麺機というか麺押し機(クッストゥル)が出てきます。
「背丈1mほどの筒状の道具で「筒の上からこねておいた生地を入れ、手押しポンプみたいな柄を一気に引き降ろす。すると、筒先の盤の無数の穴を通過して、いっせいにすだれのように垂れてくる細い麵。そのすぐ下、ぐらぐら沸騰した大釜の熱湯が待ち受ける」。(「ヌルボ・イルボ」さんのサイトより引用)
これはコシが強そうです。

そもそも日本の蕎麦とは種類や製粉法が違うらしく、麺には黒い点々が入っているのが本場っぽいとされます。朝鮮北部の蕎麦粉に、さつまいもの粉や小麦粉などもブレンドすると聞いた人もいます。が、やはり配合比率は秘密。どんな食感なのでしょう。食べる時にお酢をかけて、各自の好みにするとか。

ある日突然、国が分断されてしまい、韓国には北に住んでいる家族の手料理ムルレンミョンを懐かしく思う人もいるでしょう



これから統一に向けて山や谷があったとしても、美味しい料理は、間違いなく心を繋いでくれそうです。
 
 日本も、アジアに、世界に、恥ずかしくない行動を示して、この平壌冷麺ムルレンミョンをどうぞ、と言ってもらえるようになりたいです。

最後に愉快な動画を。



歌詞の大意は、
冷麺、冷麺、平壌冷麺、天下一品の珍味
老いも若きも
美味しくて一杯では足りない
新郎新婦も、平壌冷麺
民族も一緒に食べて、統一の日を

[Twitter]ぜっっっったいに弾かせてくれない。

編集者からの情報です。
これもひとつの愛情欲求?
(まのじ)
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配信元)

大阪 ばあちゃんたちの「朝ごはんやさん」〜「おなかすかせた子に本気で対応するなら、毎日やるのが当然。」

 2016年5月時点で全国300か所程度だった「こども食堂」は今や、2200か所以上と急速に増えました。ほとんどが行政の補助なし、手弁当の持ち出し運営だそうですが、貧弱な福祉を民間でカバーする取り組みとして頼もしい限りです。多くの方々が、やむにやまれぬ気持ちで始め、いつしか子供達の貧困対策だけでなく、地域の交流の場としても機能しているそうです。

 さて自らも「こども食堂」を開催している大阪の「ばあちゃん」は、しかし月一や週一の「こども食堂」はデモンストレーションに過ぎない、「おなかをすかせた子に本気で対応するなら、毎日やるのが当然」と感じていました。そしてなんとか週3回、行政を巻き込んで、学校の家庭科教室で「朝ごはんやさん」を始めました。60歳代から80歳代までのばあちゃん10人が輪番で朝ごはんを作ります。PTA役員の子供などいろんな子が行くように工夫され、家庭環境の厳しい子が気楽に利用できるよう配慮されているのもすばらしい。大変な行動力ですが、ばあちゃん只者ではなく、やはりそれなりの骨太な背景がありました。保護司や民生委員など今も現役で、地域のために50年以上活動してきた方が、学校からも市からも信頼を得て、ご自身の強い希望で開始されたのでした。
 ユニセフからも心配されるほどの日本の貧困化は、もちろん政治が取り組む課題であることが大前提ですが、行政の補助が拡充した場合であっても、現場を力強く変えていくのは「放って置けない!」と熱い想いを持った方々なのだなあと思いました。
ばあちゃんは表西さん、71歳。憧れます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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学校で朝ごはん 食べてそのまま教室へ ばあちゃんたちの奮闘記・大阪
引用元)
湯浅誠
社会活動家・法政大学教授

(前略)

「朝ごはんやさん」

でも、このばあちゃんたちは「給食のおばさん」ではない。
地域のばあちゃんたち
彼女たちは月・水・金の週3回、西淡路小学校の家庭科室で、子どもたちのために朝ごはんを作っている。
名づけて「朝ごはんやさん」


(中略)

今、61歳から82歳までのばあちゃん10人が、輪番で「朝ごはんやさん」を支える

学校は、全校生徒に案内を配る。

誰が申し込んでもかまわない。
ただ、やはり必然的に家庭環境の比較的厳しい子が来ることになりがちだ

そうなると、「学校で朝ごはん食べてる子は、親は…」となりかねない。
そこで校長と表西さんは、PTA役員に頼み、役員の子どもたちにも来てもらうなどして「いろんな子が行ってる」感を出した
(中略)

医者の子もいれば、朝早くから仕事に出る家庭の子もいる。
「孤食」の子も多い。

(中略)

家の人が大変だったときに、朝メシを食わせてくれたばあちゃんたちと学校」のことを、子どもたちはいつか思い出す。

それは、大人になったその子たちの言動に、深いところで影響を及ぼす。
それが、世の中の「気分」を変えていく


こども食堂は、そのようにして世の中の底流を変えていく試みだと思う。

入国管理局 外国人収容所の収容者がハンストで抗議:非人道的、劣悪な環境で長期拘留

 不勉強なため、日本で、こんなことが行われているとは知りませんでした。
きっかけは、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに収容されている外国人の、100人以上がハンガーストライキを行なっているというニュースでした。難民申請も仮放免申請も認められないまま絶望したインド人男性が自殺してしまったことから、劣悪な環境で先の見えない長期拘留に抗議してハンストが広がったようです。
 日本の入国管理局は、これまでずっと外国人収容者に対して非人道的な扱いをしており、国連の拷問禁止委員会や人権理事会から何度も改善勧告を受けていたそうです。にもかかわらず日本政府は無視しています。
 難民支援に当たる弁護士によると、刑務所のように鉄格子のある小さな部屋に5〜6人雑居させられ、自由を奪われ、健康状態が悪化しても医療施設はなく、本当に重篤になったら仮放免して自費で治療しろ、という実態だそうです。日本政府の方針は、在留資格が無いなど退去を強制できる事実さえあれば、個別の事情にかかわらず、たとえ子供であっても収容できるという立場です。ひどすぎる。しかも「BUZZAP!」によると、所内で亡くなった人への医療ネグレクトの事実を隠すために、虚偽の発症日を文書に記載した疑いまであるとのこと、「国家そのものの外国人に対する姿勢」がここにあります。
 これが美しい日本の姿なのでしょうか。最近は、とりわけ恥ずかしい日本の姿を世界に晒し続けていますが、さらにこんなに冷酷な面が世界に流れて、本当に情けない。せめて他の先進国並みに、可能な限り収容者の権利を認め、保釈は迅速に、収容中も社会へ役立つスキルを学べるなど、真っ当な処遇をするように変えていかなければ、いずれは日本人自身にも降りかかる問題となるはずです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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入管収容者が集団ハンスト 東日本センター 長期の拘束抗議
引用元)
退去強制令が出された外国人らを拘束する東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で、収容者が長期拘束などに抗議するハンガーストライキを十五日から実施していることが関係者への取材で分かった。センターでは十三日、長期拘束を悲観したとみられる難民申請中の三十代インド人男性が自殺したばかりだった。
(中略)
<入国管理局と収容> 在留資格がなく、退去強制令書が出された外国人は東京、大阪などの地方入国管理局や東日本入国管理センター(茨城県牛久市)、大村入国管理センター(長崎県大村市)など全国17カ所(一部閉鎖中)の収容施設に拘束される。難民申請者も多い。収容期間に法的制限はなく、長期化傾向にある。法務省は「在留資格がないまま日本で活動するのを防ぐ意味がある」と正当化するが、難民支援の弁護士らは「拘束は退去に当たり飛行機を待つわずかな期間だけ認めるのが法の趣旨だ」として法務省を批判している。
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世界に愛される日本?入国管理局が病気の収容者に非人道的扱いの上、隠蔽のため公文書も改ざん
引用元)

(前略)

外国人を人間扱いしない入国管理局

入国管理局といえば、以前から全国的に外国人の収容者に対する非人道的な扱いが恒常的に行われていることで知られており、国連の拷問禁止委員会や人権理事会からも幾度も改善するよう勧告を受けていながら全て無視してきました

特に2013年から2014年にかけては、収容されていた当時43歳のカメルーン人男性が「死にそうだ」と身体の痛みを7時間以上訴えたにも関わらず放置されて亡くなる事件を筆頭に、ミャンマーから避難してきたロヒンギャ難民らを含む計4人もの収容者が死亡しています。
(中略)

このように、入国管理局では外国人は明らかに人権侵害の劣悪な環境に置かれ、拘束理由の満足な説明もないままに長期間収容生活を余儀なくされています

病人を放置した上に公文書まで改ざん

そんな日本の暗部と言わざるを得ない人権蹂躙の入国管理局ですが、拷問にも近い医療ネグレクトが行われ、さらにはその証拠を隠滅するために公文書までもを改ざんしていたことが明らかになっています。

共同通信の取材によると、東京入国管理局で2017年に28歳のトルコ人男性収容者が虫垂炎の手術後、患部の痛みを訴えたものの、職員は約1カ月間に渡って診療を受けさせず放置。

それに留まらず、長期間医師の診療を受けさせなかった事実を隠すために診療に関する手続き文書に虚偽の発症日を記載した疑いまでが発覚しています

(以下略)


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