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[第24回] 地球の鼓動・野草便り 秋の七草


秋の七草

太陰暦(旧暦)6月16日/太陽歴(新歴)8月7日、満月のこの日は立秋でした。なんとなく朝晩が過ごしやすくなってきました。秋の七草がそろそろ見頃です。
フジバカマ、オミナエシ、萩、クズ、桔梗、ナデシコ、尾花(ススキ)これらは見た目も美しいのですが、薬効もあります。

たとえば、オミナエシは全草が薬になりますが、花だけを集めて薬に使うそうです。解毒、排膿、子宮出血、こしけ、浄血、血行をよくする精油がふくまれていて、酒に漬けておいて生理不順の薬にもなるそうです。

[秋の七草]オミナエシ


花が白いオトコエシも同じように使えます。柔らかい葉はお浸しなどでもいただけます。

オトコエシ


フジバカマは蕾を乾燥させて、利尿、通経、黄疸などの薬として使われるようです。また葉を半乾燥させるといい香りがするのですが、入浴剤にすると皮膚のかゆみなどに効果があるようです。痒いところを葉でこするといいそうです。

[秋の七草] フジバカマ(ヒヨドリバナ・サワヒヨドリ)


フジバカマはほとんど見なくなりましたので、ヒヨドリバナやサワヒヨドリを代用しています(一昨年種をもらって帰ってまいて1本大きな株になった庭のヒヨドリバナが終わり頃、お茶や入浴剤としていただいています。)

また、萩(ヤマハギ)の葉や花もお茶になります。婦人病のめまい、のぼせにいいそうです。

[秋の七草]ヤマハギ


同じ豆科のナンテンハギやヌスビトハギなども山菜やお茶になり、めまいや疲労回復の薬効もあるようです。特にナンテンハギは飛騨・高山あたりでは、春の若芽をアズキナとよび、山菜として栽培されているそうです。

クズは根がご存知クズ粉になり、乾燥したものが葛根(カッコン)という生薬で、発汗解熱、血糖降下、女性ホルモン様作用などに。葛湯はかぜのお薬として昔から親しまれています。

[秋の七草] クズの花


花も甘い香りが強く、二日酔いの薬などになるようですが、蜂たちのごちそうです。威勢良く伸びるツルは繊維が光沢のある美しい葛布になりますが、ツル先と若葉を天ぷらにして美味しくいただいています。母たちの田舎ではクツンバカズラとよび、ウサギや牛が喜んで食べていたと言います。

キキョウ、ナデシコはかなり山の辺りに行かないと見かけなくなりました。毎年見かけるのは決まった場所です。

[秋の七草]キキョウ

[秋の七草]カワラナデシコ


尾花(ススキ・カヤ)は根を利尿、解毒、風邪、高血圧などの薬用にしますが、尾花を中秋の名月にハギと一緒に飾ると風情がありますね。子供の頃から、お団子と一緒に縁側にお供えしていました。旧暦8月15日(今年は新暦10月4日)が中秋の名月です。

[秋の七草]尾花(ススキ・カヤ)



旧暦(太陰暦・お月さまの暦)で7月7日の七夕さまは新暦で8月28日です。お月さまが7日の上弦の月なので、夜空の星も美しく見えて、やはり日本の行事は旧暦が合います。もともと旧暦でおこなわれていたのですものね。ちなみに盂蘭盆会は旧暦7月15日(今年は新暦9月5日)です。この盂蘭盆会の2日後が草露白しの白露で朝晩の気温が下がってくるのでしょう。

yasou
自然賛歌

ウバユリ

シシウド


キセルアザミ(サワアザミ・マアザミ)


ゲンノショウコ


ビッチュウフウロ



ハナトラノオにトラマルハナバチ


アブラガヤにゴマダラカミキリ


ミヤマクワガタ



空を泳ぐ黒鯉

仲良しキノコ






■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第23回] 地球の鼓動・野草便り 昔からの生活の中の植物と薬効の高い植物


昔からの生活の中の植物と薬効の高い植物

昔から生活全般に多様に使われてきた植物ですが、3大漢方薬といわれているのは、マコモ、麻、日向当帰。

マコモは一番古くから日本で様々に利用され、薬効が高いそうです。何でも、マコモ特有のマコモ菌は特別体に良いらしいのです。捨てるところがないほど薬、食料、衣服、建材として利用されてきたといいます。

マコモ


鉄砲で撃たれた水鳥がマコモを口で傷に入れて、3日で弾丸が体外に出て飛び立ったという話があります。出雲大社のしめ縄はマコモで作るのだそうです。

麻は、細胞の活性化、身体機能向上、神経に作用し敏感にするのだとか。トウキは婦人病の妙薬として知られていますね。すっごい植物達がまだまだありそうです。

「薬事法(別添2) ○専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト 1.植物由来物等」から、ピックアップしてみました。医薬品原料としての毒草もかなりありましたので、毒草以外でわかるものだけです。
これらは特に薬効が高いということですね。
他の部位が「非医」(化粧品用など)になっているものが多々ありました。


  1. 身近なもの・・・
    ウツボグサ(全草)イノコズチ(根)セキショウ(根茎)ゴボウ(果実)ヤマゴボウ(根)イタドリ(根茎)イ・イグサ(全草)ナンテン・シロミナンテン(果実)アケビ(つる性の茎)ヤドリギ(茎・葉・枝葉梢)ゲンノショウコ(地上部)ノイバラ(果実・偽果)アロエ(葉の液汁)
  2. ウツボグサ

    アケビの雌花と雄花

    ヤドリギ


  3. 部位が違うけどよく利用するもの・・・
    クワ・マグワ(根皮)クコ(根茎)ホオノキ(樹皮)コヤブラン・ジャノヒゲ・ヤブラン・リュウノヒゲ(根の膨大部)サンキライ・ケナシサルトリイバラ(塊茎・根茎)クズ・カッコン(根)オオツヅラフジ(根茎・つる性の茎)ウド・ドッカツ(根茎)トチュウ(樹皮)

  4. 薬効が高いと定番?の植物・・・
    キハダ(樹皮)ムラサキ・シコン(根)オウレン・キクバオウレン(根茎・ひげ根)カワミドリ(地上部)カワラタケ(菌糸体)カワラヨモギ(花穂・帯花全草)イカリソウ(全草)ヒュウガトウキ(根)ヒカゲノツルニンジン(根)フジ(フジコブ菌が寄生し生じた瘤)アサ(発芽防止処理されていない種子)
  5. イカリソウの花


  6. これから利用してみたいもの・・・
    ガマ・ヒメガマ(花粉)カシ(果実)コブシ・タムシバ(花蕾)オナモミ(果実)ヤマザクラ(樹皮)キササゲ(果実)サジオモダカ(根茎)ショウブ(根茎)サラシナショウマ(根皮)クヌギ(樹皮)ミゾカクシ(全草)オオカラスウリ・キカラスウリ・シナカラスウリ(根)ナンバンキカラスウリ(種子)メハジキ(全草)フジバカマ(全草)トチバニンジン(根茎)ヨロイグサ(根)ヘラオモダカ(根茎)チガヤ(根茎)シャクヤク(根)ボタン(根皮)リンドウ(根・根茎)レンギョウ(果実)ヨシ(根茎)アカネ(根)コウホネ(根茎)シャジン(種子の塊・成熟果実)コケモモ(葉)シオン(根・根茎)イチイ(枝・心材・葉)アンズ(種子)


薬効が高いということは、体調に合わせて少しずついただいた方が良さそうです。
絶滅危惧種も多そうです。私はほとんど根っこは利用しませんが、畑のイタドリやイノコズチの根は抜いてしまうことが多いので焼酎漬けやお茶などにしています。

yasou
最近、とっても苦いシシウドやキクイモの葉の天ぷらを食べます。苦味が夏バテに効くような気がします。そういえば夏野菜のゴーヤも苦味がくせになる美味しさですね。
シシウドは別名アンゲリカといい天使という意味だそうです。
何でも、シシウドが伝染病のペストに効くとある天使が教えたそうです。薬効が大変高く、魔除け植物として伝染病や魔女の呪いから護ってくれるのだとか。

シシウド


具体的にはシシウドの根が鎮痛、鎮静、血管拡張作用、風邪、頭痛、神経痛、リューマチ、冷え性などの薬効があります。ビタミンEの数百倍の抗酸化力のゲルマニュウムが多いアシタバ(薬効:強精、滋養強壮、高血圧)と同属なので、血行が良くなることで色々な効用がありそうです。まさに天使のような草ですね。

キクイモも糖尿病予防になるのはよく知られていますが、繁殖力旺盛で、大変パワフルな植物で、とてもありがたい存在です。

また、オオバコも昔から風邪の咳止め薬として大切な民間薬です。こちらは苦味もなく食べやすいのですが、お茶にして飲むと、風邪気味な時や痰が解消されたりするようです。種が車前子という漢方薬で、利尿作用があり腎機能、眼にいいようです。

そして、整腸作用のある「現に証拠」のゲンノショウコも今が摘み時ですね。

yasou
自然賛歌

オモダカ(アギナシ)

クズの花

ミズヒキの花

ヤマゴボウの花

カボチャの花にトラマルハナバチ

ムギワラトンボ

キアゲハの幼虫


クロコノマチョウの幼虫

ツマグロヒョウモンチョウ♀

ミントの花にヤマトシジミ





■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第22回] 地球の鼓動・野草便り 野生のハーブ


野生のハーブ

日本の野生の植物にも、いい香りのするものが、いろいろあります。
ミントなどもシソ科なのですが、野生ではヤマハッカ、ナギナタコウジュ、などのシソ科の植物がいい香を持っています。クスノキ科のクロモジ、ヤブニッケイ、ダンコウバイなどもクスノキとともに個性的ないい香です。キクの花や葉も良い香ですが、キク科のフジバカマの葉は半乾燥させると、甘い良い香がします。

ナギナタコウジュ


平安時代には、香袋や先髪のリンスのように使っていたようです。昔からの化粧品の白粉(おしろい)の香です。フジバカマはほとんど見かけなくなりましたので、近似種のヒヨドリバナで代用しています。

ヒヨドリバナ


バラ科の桜も、葉を桜餅にしたり、花を桜茶にしたり、枝は燻製に使ったりと広く利用されています。
沈丁花やクチナシ、キンモクセイ、ギンモクセイなどは受粉のための虫を甘い香で呼び寄せるのだそうです。(なので虫除けには不向きですが・・・)

根っこが良い香のセキショウ・ショウブもハーブのように精油を含んでいます。
もっと身近なヨモギや松、ヒノキ、スギも良い香です。草刈り後を通りかかると甘い香がするのは、たいていヨモギの香です。松ヤニが手にくっつくと取れなくて困るのですが、精油を含んでいてとてもいい香がします。松ヤニは薬として珍重されますので嫌がらず、手についたら舐めると取れるし薬にも・・・。

香食材のサンショウは特に香が強く、シソ、セリ、ミツバ、ショウガ、ニンニク、ミョウガ、ネギ、ニラ、柑橘類、リンゴ、桃など香のある健康食材もたくさんあります。
これらの香は、たいていは薬効があり、良い香そのものも、心身に作用するようです。また、植物が虫の食害から守る為の香が、虫除けに利用されます。


蒸留すると簡単にいい香のするハーブウォーターがつくれます。圧力釡を使って蒸留装置を作ってみました。

中に蒸し器やザルに入れた香り植物と水を入れて、やや弱火で蒸します。蒸気を逃さず冷やすとハーブウォーターがたまります。わずかに分離した油が表面に浮かべば、ハーブオイルですが、オイルだけを取り出すのは大変ですのでハーブウォーターの方が手軽です。

圧力鍋で簡単蒸留装置(クロモジとオオバクロモジ)


クロモジとオオバクロモジ


汗ばむ夏を、野生の植物の持ついい香をいただいて、ミストスプレーで少しでも爽やかに過ごせると良いですね。
野山でいい香に出会うのも、楽しみの一つです。

yasou
先日山の近くの畑に行くとカヤが伸びていました。刈って帰って納豆を作ることにしました。カヤもイネ科で稲わらと同じように使えます。ただし、葉っぱの縁は手を切りやすいので気をつけて扱います。(揃える時は手袋をした方が無難)

納豆菌は枯草菌といわれる草を枯らす菌ですので、いろいろな植物についています。藁やカヤがいいのは細く空気層があることです。同じイネ科の笹で作ったことがあるのですが、あまり上手く出来ませんでした。ミントやシダの生葉で美味しくつくっているのをインターネットで見つけました。
カヤを束ねて片方の端を紐で結び、柔らかく煮た大豆を入れて全体を包んで、もう片方も結びます。

カヤ納豆の苞


こうして苞(つと)で煮大豆を包み、さらに布などに包み乾燥に気をつけながら、40度くらいの温度で1~2日くらい置きます。夏は車の中に置くと良くできます。コタツや湯たんぽでも良くできます。表面がうっすらと白くなったら出来上がり。もう1日冷蔵庫でねかせると熟成して美味しくなるようです。

また、苞を作らず、容器の中に葉を敷いて豆を熱いうちに入れ、上からも葉を被せて、息ができるように布を挟んで蓋をしても良くできます。天然の納豆菌の美味しい納豆ができます。
yasou
自然賛歌

ミヤマアカネ

ゴボウの花にトラマルハナバチ



サワグルミの実

アサガラ



アキノエノコログサ

オモダカ(ヘラオモダカ)



オニユリ

ネジバナ

ミヤコアオイ(絶滅危惧種)
生きている化石ギフチョウの食草



ミヤコアオイの花
早春、地面にこんな花をつける。
ナメクジなどが花粉を運ぶらしい





■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



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ニャンニャン母さんプロフィール

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プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第21回] 地球の鼓動・野草便り 薬事法って何?植物観察と収穫


薬事法って何?植物観察と収穫

ハーブの専門家の友人がフランスの南プロバンスに行ってきて、ハーブや薬草を研究利用する民族植物学者の方がいて、素晴らしかったと話してくれました。行く前は肩こりがあったのが、すっかりなくなったと、もともと綺麗な彼女が一段と可愛くリラックスした感じでした。そんなフランスのお土産話を聞きながら、その日は草刈りされる前にと、いつもの植物観察をしました。

道路脇のキカラスウリが草刈り作業で刈られないように、道路の奥に寄せたり、植物名をメモして付けたり、なんとかキカラスウリを助けたいと、二人でヒヤヒヤドキドキの現実に苦笑させられる場面もありました。

キカラスウリの雄花の種?


県道の草刈り(暑い中の作業は大変そうです!)をする真面目な仕事士のおじさん達は、とても丁寧に草を刈られます。昨年は今までたくさん実をつけていたマツブサ(マツの香りの美味しい実)のツルが根元から伐られてしまいました。お仕事士さんは丁寧に奥にあったツルの根元を見逃さずに・・・。もっといい加減なお仕事だと、植物と虫と鳥と動物と私たちは嬉しいんだけどなぁ~。

ホタルブクロの花に蜂


今年も初めて見る珍しい植物や、枯れかけていたホタルブクロに花がまだ咲いていて、蜂が毎日来ていたのも、実が付いていたサルナシも・・・。希少なヨロイグサも・・・ヨロイグサはかろうじて奥に2本残っていました。残されたヨロイグサの花に次の日クロアゲハが蜜を吸いに来ていました。

初めて見る名前のわからない植物


わたしは畑の草も花が咲いているものは出来るだけ虫さん達に残します。たまには花をいただいて食べるのですが、咲き終わったり、沢山あるのを少しだけいただきます。

ところで、初めて聞く民族植物学者。憧れる響きの名前だなぁと思ったのですが、ちょっと調べてみると、アマゾンの奥地などの原住民が昔から病気に使っている薬草を調べて、製薬会社が薬を開発するための仕事だったりもするようです。

日本の薬事法も製薬会社のためにあるようです。昨年、地元の自治会で野草茶を作りたいからと、野草教室をしたことがあります。直接野草茶作りには関わらなかったのですが、素敵なパッケージの野草茶を作って、いざ発売というときに、薬事法に引っかかる植物が入っていたから、販売許可が下りなかったということでした。
そこで、薬事法なるものを見てみると、薬効の高い植物はほとんど抑えられているのです。庶民は気軽に販売できないのがわかりました。

yasou
さて、植物観察をしながらも、手ぶらでは帰りません。山の道路脇のマタタビが実をたくさんつけていました。

マタタビの実


中には虫瘤になったものもあり、もらって帰り焼酎に漬け込みました。昨年は塩漬けにして、漬物のようにいただきました。冷え性やリューマチなど血行を良くして滋養強壮にもなり、虫瘤は特に薬効が高いと珍重されます。

マタタビの実焼酎漬け前


草刈りの後の道路脇には、刈り取られたサルナシの実らしきものが何個か落ちていました。キューイフルーツの原種で、よく似た味です。まだ小さく未熟で、食べられそうにはありませんでしたが、サルナシもマタタビと同属で、根を各種ガン治療などに使われているようです。

また、杏仁子といわれるウワミズザクラの実が熟れてきています。熊や猿、鳥たちの好物なので、黒く熟したのを1粒だけ味見させてもらいました。不老長寿の薬だとか?

ウワミズザクラの実


クサギ(臭木)もありました。木の先の柔らかい葉を生で天ぷらにしたり、天日に干しておいて、戻して煮物などにします。

クサギ


干したものを煎じてリューマチや高血圧などに飲んでも効果があるとされています。クサギの匂いは熱で消えるので、春先の新芽を山菜として湯がいて下処理したものを乾燥させて各地で食べられていて、産直市で売られていたりもします。食べるときは水で戻して調理します。臭木は文字通り臭い木なのですが、臭いといっても個性的な匂いという感じです。殺菌作用がたいへん強く、腫れ物や痔などの洗浄に煮出したものを使うとか。殺菌作用が非常に強いということは、入浴剤や掃除など、もっといろいろ利用できそうですね。

yasou
以前ご紹介したことがある歯槽膿漏になった知り合いが、歯医者さんで抜歯をと言われたのが、一旦は治っていたのですが、また疼き始めたと電話がありました。次の日急いで、我が家のドクダミ、ヨモギ、オレガノを1年前に漬け込んだ焼酎と歯磨き用のハコベ塩を自分では作れないといわれるので、作って持って行きました。

薬用酒


ハコベは今の時期は家の周りの畑には見あたりません(山に近い畑にはまだ種をつけた状態でありました)。お茶用に乾燥させてあったのを、少し焙煎してすりつぶし、ドクダミ、ヨモギ、オレガノ、ミントの生葉をすりつぶして天然塩と一緒に混ぜました。

ハコベ塩


以前差し上げていた焼酎が少し残っていたので、それで痛みは消えていたのですが、毎日のケアが必要ですね。完治されるといいのですが。

yasou
自然賛歌

赤い石はピロール菌の働き?
夏はとても冷たく冬は暖かい水。

湧き水の中
生物浄化で美味しい水(東南アジアやヨーロッパの飲料水は昔ながらの生物浄化法?!!カルキ無添加で金魚が死なない)


キツリフネソウ
希少ですが有毒です



サワオトギリ
傷薬や、うつ病など精神面や神経性に効果があるという。紫外線を吸収し光化学反応を促進。これを与えたネズミは光に当たると死ぬとか。

トノサマガエル



稲に花が咲き始めました
早いのはコシヒカリ




タイヌビエ

タイヌビエ
出てくるまで稲と全く見分けがつかなかったヒエ~



羽化したばかりのナミアゲハ
まだ黄色くない



オレガノの花にベニシジミ




■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



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体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第20回] 地球の鼓動・野草便り 夏に美味しい野草


夏に美味しい野草

スベリヒユとツユクサの美味しさに感動します。どちらも塩茹でして醤油をかけるだけが好きです。スベリヒユにはぬめりと酸味があり、母はよく酢味噌和えにしていました。

スベリヒユ


ツユクサはアクがなく食感が良くて、特に花が咲き終わった後が食感がよく、先の方の手で簡単に摘める柔らかいところをいただきます。

ツユクサ


薬効はスベリヒユが排毒、浄血、肝臓などにも良く、特に生の絞り汁は排膿・解毒・膀胱炎や虫さされにも良いようです。ツユクサも解毒、虫さされ、解熱、水腫、心臓病など薬効が高く、脳血栓予防にもなるようです。沢山摘めるようでしたら、干してお茶にもできます。

アカザ・シロザ・アオザも夏の美味しい野草です。ほうれん草に似た味で、塩茹でしてお浸しや油炒めにします。先の方の柔らかいところと葉っぱをいただきます。こちらも
虫さされ、歯痛、健胃、滋養強壮などの薬効があります。

シロザ


yasou
話は変わりますが、アルバイト先の本屋に本の注文に来られた方がおっしゃるには、お孫さんが極度のてんかんで2時間に1回もの割合で発作が起きて気を失うのだそうです。おじいちゃんの心配は学校や世間でいじめられるだろうということでした。周りの状況に関係なく動いてしまうところがあるから・・・と。

ニコニコ笑顔の素敵なその方は、今の社会をなんとかしたいと思うでしょう?と、そんな感じの本を注文されていました。里山資本主義の話や日本の戦前まであった助け合いのシステム「こう」の話や銀行の始まりなど、つい話が盛り上がり、「発酵マニアの天然工房」きのこ/著・三五館も購入されました。

後で考えて、もしかしたらお孫さんワクチンのせいで発症されたのでは?と気がつきました。沢山のワクチンを運悪く満月にでも接種すれば、どんな病気になるかもしれず、恐ろしい現実があるのを実感させられました。

いかに真実の情報が大切か・・・その方は熱心に中国新聞と読売新聞を読んでいるとおっしゃっていて、真実を知る機会が少ない一般的な状況も現実でした。そんな中で、シャンティ・フーラの時事ブログや教育プログラムは本当にありがたいと思い、ご紹介しました。

yasou
さて、我が家ではこの頃、笹の青汁をいただいています。笹(笹類ならどれも同じ)には豊富でバランスの良い栄養素(蛋白質、多糖類、ビタミンC,K,B1,B2、カルシウム、葉緑素、等)に殺菌、防腐効果、糖尿病、高血圧、口内炎、便秘、胃腸、抗がん作用などの有効成分も含まれていて、若葉の今頃の青汁が一番多く含まれるようです。

100度以上の高温で有効成分が破壊されるそうなので、ごく弱火で煮出しますが、酵母菌やビタミンC、葉緑素などのある青汁が良いのです。

若葉をハサミで刻んで水と一緒にミキサーにかけるとグリーンの綺麗なジュースができます。布で濾して、美味しくいただいています。
笹の青汁!夏に元気を頂く飲み物として、飲みやすくお勧めです。(松葉やヨモギの新芽の青汁も薬効が高いのでお勧めですね。)

yasou
自然賛歌

谷川の水

ノブドウの葉の妖精



ハスの花



ナツツバキ(シャラノキ)の花



ハナイカダの実



ルリホシカミキリ



ヨロイグサの花にクロアゲハ



チダケサシの花にキマダラセセリ



カヤネズミ



アオバハゴロモの幼虫




■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



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プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。