Eric ZUESSE
2016年4月9日
Strategic Culture Foundation
まるで、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ大統領の共和党政権時代に、前大統領、共和党のロナルド・レーガンのために
国際貿易協定交渉をしていた人物が、同党の仲間ブッシュ大統領が、熱心に承認を得ようとしている巨大‘貿易’協定反対を公言したようなものだ。
大変な造反行為だが、それがまさに、日曜日にイギリスで起きたのだ。
(1990-92、マーガレット・サッチャーと、ジョン・メージャーのもとで)
元イギリス貿易産業大臣をつとめ、現在も保守党議員(国会議員)の
ピーター・リリーが、4月3日、保守党のウェブサイト“Conservative Home”に
ブログ記事を書いて、そうしたのだ。
“私は自由貿易を信じている。常にそうだったし、今後もそうだ。成功した自由貿易協定(ウルグアイ・ラウンド - 1990年代、貿易産業大臣として)を交渉した唯一の現役議員として、現在アメリカとEUの間で交渉されている環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)を、自由貿易協定だと思って、私は自動的に支持していた。
私がより子細に見ればみるほど、益々多くの部分が心配になってくる。自由貿易を信じている保守党議員は、TTIP支持には極めて慎重になるべきだ。EU残留派、離脱派双方の運動も、イギリスのEU加盟に対する、環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の含意をじっくり吟味すべきだ。
なぜかを説明させて頂きたい。
TTIPは関税や割り当てを廃止することが主眼ではない。ヨーロッパからの商品に対してアメリカが課している平均関税は、わずか2.5パーセントだ。それを無くすのは価値があるだろうが - 大したものではない。
主な狙いは、製品の仕様調和させ、投資用の特別な体制を作り出すことだ。こうしたことには原則として特に反対はない。製品の調和というものが、国内生産者をこっそり保護するために導入された規則を廃止することを意味する限りは、結構なことだ。だが、我々は、有害な添加物などから、国民を保護する議会の権限放棄すべきではない”
オバマの
ヨーロッパとの‘貿易’協定TTIPも、アジアとの‘貿易’協定、TPPも、その核心はまさにこれだ。
核心は、国家主権を国際企業による世界独裁に引き渡すことだ(大企業に対する説明責任を負った三人の‘裁定’評議員、裁定は
不服申し立てできず、どの国の法律を忠実に守ることも要求されていない- 衝撃的なことだが、事実だ。)
彼は更にこう言っている。
“私の主な三つの懸念は、投資家-国家紛争調停制度(ISDS)に関するものだ。これは巨大外国企業が、彼らの投資を損なう政策を推進したかどで政府を訴えることができる(しかし、逆はない)裁定委員会制度 - 特別裁判所 -を作り出す。
民間企業がNHSや、教育、その他でサービスを提供しているものを、イギリス政府が、公営に戻そうとしたり - あるいは、私企業に対し、参入を許すサービスを減らしたりしようとすれば、アメリカ企業は、イギリス政府を訴えることができる。EUやイギリス政府は、そういうことはありえないと否定している。だが、説得力のあるCounsel’s Opinionは、こうした裁定委員会は、無制限の罰金を科することができるので、政府の意思決定に対する“萎縮効果”を行使できると主張している。
こうした裁定委員会は、小規模外国企業にとっては余りに高価で(平均経費は800万ドルだ)、そこからイギリス企業が除外されている、特権的法体制を、外国多国籍企業に与えるのだ。しかも‘裁判官’は、裁定委員会で、仕事をしていない時は、大企業のために働いている商事弁護士で、それゆえ大企業に好意的だ。
もし政府が主張するように、こうしたISDS裁定委員会が、イギリス裁判所と同じ結果をだすのであれば、彼等は全く不要だ…
ISDS裁定委員会が必要なのかどうか問うべきなのだ。”
彼の発言は本物だ - 単なるスローガンや言葉ではない。そして、この発言は、政治家たちや、(保守党の予備選挙で勝利するため)彼自身の党に投票する支持者以外にも影響を与える。
もしISDSが拡張されれば、例えば最近の地球温暖化対策のパリ協定は、事実上、おしまいになる。この協定は実に巨大なものなのだ。民主主義のみならず、我々にとって住みやすい地球の継続が、今や全て危険な状況にあるのだ。
記事原文のurl:
http://www.strategic-culture.org/news/2016/04/09/british-conservative-breaks-ranks-opposes-ttip.html
以前の記事で、大日本皇道立教会は裏天皇・堀川辰吉郎を奉じる政治結社ではないかと指摘したのですが、幹事長に頭山満の名があります。彼は玄洋社の代表で、大陸に深く関わっていたことが知られています。
“続きはこちらから”以降には、あまり知られていない“日本近代史の実相”が書かれています。文章から、私の推理はほぼ間違いないものだとわかります。文末に大本教の開祖・出口ナヲの次男清吉が出て来ますが、彼は嵯峨家の出自だとのこと。上田音吉の孫・上田鬼三郎は出口ナヲの娘のスミと結婚して、出口王仁三郎を名乗ります。大本教が単なる宗教団体ではないということがわかると思います。