Paul Craig Roberts
2014年7月23日
何日間も、敵対的に、マレーシア旅客機墜落はロシアのせいだと主張し続けた後、ホワイト・ハウスは、
アメリカの諜報機関幹部が、記者団に、ロシア政府が関与していた証拠は皆無だと語ることを許した。
CIAの分析部門が、品位ある分析官を維持していたことは我々にとって幸運なことだ。この組織の非合法活動部門は、また別の話だ。CIAのこの部門は、アメリカ法に違反して活動しているのだから、予算を与えずに、廃絶すべきだと考えている人は多い。
アメリカの諜報機関幹部がこうして認めているにもかかわらず、プロパガンダ省は既に、キエフ政権が、分離主義者を攻撃するようになった“諸条件を生み出した”のはロシアなので、ロシアは恐らく間接的に責任がある、と主張している。
前日、オバマ政権の脳なし戦争屋の一人、マリー・ハーフ国務省広報担当官が、ロシア政府が関与を公式に否定したことについて質問した記者に、
怒ってかみついた。彼女は詰問した。アメリカ政府が言うことは信頼ができても、ロシア政府が言うことは信頼できないということがわからないのですか!
マスコミのオーナーも、記者の編集長も、間違いなく命令と脅しを受けている。
アメリカ・マスコミは、政府の為に自由にウソをつくことができるが、それ以外の自由は決して行使してはならないのだ。
今日(7月23日)
BBC (イギリス洗脳会社の略語)はこう宣言した。“飛行機の
ブラック・ボックスがイギリスに到着したが、MH17墜落の
証拠が意図的に改ざんされたという情報が得られたと、イギリス政府筋は述べた。”
ブラック・ボックスが改ざんされたというこの主張の後で、BBCは自ら矛盾する報道をしている。“捜査を率いている
オランダの安全委員会は、MH17操縦室の
音声記録装置(CVR)から‘有効なデータ’がダウンロードされ、‘更に分析される’予定だと述べた。委員会はsaid:‘CVRは損傷していたが、メモリー・モジュールは無事だった。更に、
CVRが操作された証拠や兆候はみられなかった。’”と述べた。
BBCは、
一体どうして、ブラック・ボックスが、同時にイギリスとオランダの手中にあるのか、あるいは、
ブラック・ボックスは、国際民間航空機関(ICAO)に引き渡され、専門家による政治色の無い検証に使われるという保証の元で、
分離主義者がブラック・ボックスを、マレーシアに引き渡したのに、一体なぜ、それがイギリスやオランダの手中に至ったかを説明していない。
ブラック・ボックスは一体どこにあるのだろう? もしマレーシアがイギリスに引き渡したのであれば、イギリス政府は、何であれ、アメリカ政府が要求するウソをつくだろう。買収されて、金をもらっているオランダ首相の、敵対的で、根拠のない対ロシア非難から判断して、
オランダも、アメリカ政府の為にウソをつくと予想できそうだ。どうやら、アメリカ政府は、ICAOの手から“捜査”を奪い取り、捜査を自らの傀儡の手に引き渡すことに成功したもののようだ。
あらゆる点から見て、オバマ政権は“国際捜査”を、ロシア告発へと転換するつもりで、オランダも、捜査のこの堕落した利用方法に同調するように思われる。
腐敗したクリントン政権以来、アメリカのジャーナリストは、アメリカ政府の為にウソをつくよう、上司に強制されている。
マリー・ハーフとの対決で、一部のジャーナリストが多少の勇気をふるったこと見いだしたのは明るい兆しだ。この勇気が根ざして、成長することを祈ろう。
クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、そしてオバマ政権の政策を決めてきたネオコンがもたらした損害から、アメリカ合州国が立ち直れると私は思わないが、21世紀の
アメリカ政府を特徴づける膨大なウソと欺瞞に対する反対の兆しを見たら、我々は、常に、ウソに対決する人々に声援を送り、支援すべきだ。
我々の将来、そして世界の将来は、それにかかっている。
記事原文のurl:
http://www.paulcraigroberts.org/2014/07/23/us-intelligence-evidence-russia-paul-craig-roberts/
“レーダーから消える3分前までは、戦闘機は777機のすぐ側を飛行していた”という証言の他に興味深いのが、ウクライナの軍部は一枚岩ではなく、“国防省の命令の下で動く軍部と内務省の命令の下で動く軍部”があり、今回のマレーシア航空MH17便の撃墜は、内務省筋による作戦だと指摘している点です。
また、“部外者を連れてやって来た軍人はわれわれの所へ来て、彼らの筋書きで話をするようにと頼んできた”という証言や別記事で、
ツイートが墜落の時刻よりも7時間前から始まっている点は、削除されたツイートをコピペした当人が、キエフから時差が7時間ある場所(例えばニューヨーク)に住んでいたとれすば問題にならないと転載元で指摘されており、納得です。