注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
国連食糧農業機関(FAO)によると、大量発生しているのはバッタの中でも移動や繁殖が早く、特に大きな被害をもたらすサバクトビバッタという種類。成虫は1日に最長150キロの距離を飛び、その間に2グラム前後の体重と同じ量の野菜などを食べる。
(中略)
ラジャスタン州では長さ7キロ、幅1.5キロほどの区域がバッタに覆われ、トラクター100台と消防車20台を使って水と農薬をまく作戦を連日展開。中央政府から提供された無人機を使った農薬散布も行われ、7割前後のバッタを駆逐したという。
(以下略)
大発生したイナゴに直面するパキスタン。殺虫剤を散布していない地域で、イナゴ20トンを農民からキロ13円で買い取り、乾燥して養鶏飼料に加工する試み。朝の涼しいうちはバッタも動かず手で捕獲。|AFP:大量発生したバッタを飼料に 食料危機直面パキスタンの試み https://t.co/n2u3yDNs44
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) June 10, 2020
パキスタンのイムラン・カーン首相は、穀倉地帯パンジャブ州での実証実験の拡大を承認している。
過去25年で最悪とされる蝗害(こうがい)に見舞われた同国では、農業の中心地で農作物が壊滅的な被害を受けており、農家らは収入の確保に奔走している。
バッタを飼料として利用するプロジェクトは、食糧安全保障・研究省のムハンマド・クルシード氏と生物工学学者のジョハール・アリ氏が始めたもので、紛争で荒廃したイエメンで飢餓対策にたんぱく質豊富なバッタを食べるよう推奨した取り組みを参考にしている。
実験では村人たちが集めたバッタを当局が買い取り、乾燥して粉末状にし、飼料に混ぜる。場所は、バッタが飼料用に適さなくなってしまう殺虫剤を農家が使用していなかったことから、パンジャブ州オカラ地域が選ばれた。
(以下略)
» 続きはこちらから
そんな折、目をみはる情報がありました。パキスタンの殺虫剤を散布していない地域でのバッタを大量に捕獲し、国が買い取って乾燥粉末にし、養鶏の飼料として利用するというものです。日の出前のバッタは大人しく、動画では面白いようにホイホイ手で獲れるようです。住民も頑張って20tものバッタを集め、収入につながりました。バッタの被害と同時に「殺虫剤散布の被害にも頭を悩ませていた」パキスタンはこのプロジェクトを拡大する計画とのことで、良い流れだと思えました。
まのじが初めて「サバクトビバッタ」という名前を知ったのは、バッタ博士・前野ウルド浩太郎氏の「バッタを倒しにアフリカへ」という本からでした。農薬などを散布せずにバッタ被害を抑える研究をすべく単身アフリカのモーリタニアへ向かった前野博士の、その地での泣き笑いの活躍と限りないバッタ愛が綴られていました。
今回のパキスタンのニュースを見てバッタ博士はいかに?と探してみると。
「バッタを鎮める一手を編み出すため」日夜研究に励んでおられるようで嬉しかったです。薬剤などに頼らない調和的な対策が見つかりますように。