アーカイブ: *社会

国立大学は大丈夫か?

 先日、あるツイートが目を引きました。ノーベル賞を取った山中伸弥先生の下、iPS細胞実用化に取り組む教職員の、実に9割以上が非正規雇用で、長期にわたる研究の財源確保のために一般からの寄付を募っているというのです。
天下のノーベル賞を取ったら、国から十分な研究費や待遇が与えられて、悠々と研究を進められるのではないの!?と驚くまのじ。
 そのうち、番頭ワタナベ氏が、加計学園と対比する形で、このツイートをバーンと取り上げました。ワタナベ氏のツイートに反応して【日本の高等教育、研究機関は寄付金頼り】というツイートが続きました。世界大学ランキングでは、東大の46位が国内トップだそうな。教育に気前よく投資する中国に比べ、日本は資金不足ゆえの結果とも読み取れます。
 このツイートのしばらく前に出た記事に、東京大学が「東大ルール」という独自の雇用方針を設定し、約8000人にも及ぶ非常勤職員(非正規職員)の雇用を「雇い止め」にするとありました。5年以上同じ非正規労働者が働き続けて無期雇用(正規職員)となることを阻む内容の制度です。
 さらに続く記事によって、これらの状況の背景が見えてきました。
 2004年、国立大学法人化という行政改革が断行されました。これをきっかけに大学は、国立とは名ばかり、国からの大学運営費交付金を年々削減され、その結果、日本を代表するような大学ですら財政難に陥りました。大学は、国家公務員ではなくなった大学教員の賃金カットはもちろん、正規の代わりに非常勤教職員を多く雇うことで人件費を削減し、経営が厳しくなると彼らを「雇い止め」にして、いわば調整弁として利用するようになったということです。研究現場を支えるマンパワーがほとんど非正規職員であるのに、その人達の雇用は5年が目処であるという、とてもベテランが育つとは思えない不安定な状況が見えてきます。現在すでに交付金の削減に伴って、論文の数が減っているという報告もなされています。
 共謀罪国会の参考人で名を馳せた高山佳奈子教授によると、2004年以降、京大でも従来職員が担当していた作業を教員がするようになり、非常勤職員や派遣職員が重大な職務を任されるようになったにもかかわらず、これらの方々の多くは、年収200万円台に抑えられているとのことです。
 過去十数年以上の研究の成果が、今のノーベル賞などの業績であるとすれば、研究者を減らした挙句に、生活できないほど不安定な立場に追いやる、これからの日本の学術分野は本当に崩壊するのではないかと背筋が寒くなります。
 多くの現場からの悲鳴に耳を傾けない政府はもちろん非難されるべきでしょう。けれども、seiryuuさんの連載にあった言葉、「支配側を指弾するだけでは解決にならない」が、ここでも当てはまりそうです。
 私たちは、これまで大学に何を見、何を求めてきたのか、これから何を期待するのか、これを同時に問わなければならないと感じたのでした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
配信元)




————————————————————————
東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕
 日本の大学の雄である東京大学が、約8000人の非常勤教職員の雇用形態に多大な影響を与える新たな方針を、去る8月7日に開かれた組合との団体交渉で明確にした。このままでは、大半の非常勤教職員は2018年4月以降雇い止めされることになる可能性があるという。

(中略)日本で最も権威のある大学による意思表明は、他大学の方針にも影響を与えるとみられている。

(中略)「無期転換ルールと東大ルールの違い」という項目がある。

(中略)「無期転換ルール」とは、一般的な改正労働契約法のことを指している。

(中略)ごく簡潔に言えば「5年以上同じ非正規労働者を同じ職場で雇う場合、本人が希望すれば無期労働契約にしなさい」とするもの。一般的には非正規職員の正規雇用、あるいは契約期限のない無期雇用を促す法律といわれている。

(中略)しかしながら、無期雇用者が増大すれば、人件費がかさみ財政が苦しくなることを恐れたのだろうか、東京大学は、独自に「東大ルール」なるものを設定し、これに対応することにしたのだ。(以下略)

» 続きはこちらから

ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第12幕 問題の本質〜

 「一即多、多即一」という言葉があります。意味は一つのことがそのまま多くのこと全体に通じ、また全体が一つのことの中に全てが込められてもいるということです。人間のなすことはいかにうまく隠蔽しようとしても、必ずどこかに足跡その痕跡を残します。一つの小さく見える事件でもそれを丹念に観察すれば、そこにある痕跡から隠れた全体像がやがて浮き彫りになったりもします。
 このシリーズ、予定外の長編となってしまい恐縮しています。記述にあたりもともと個人的な体験談ですから多くの方には「関係ない」ことだろうとは念頭にありました。それでも同じような被害を受けた人への参考、もしくは今後の被害の防止の意味があればとの思いでした。そして実はもう一点。リース詐欺この問題の背景には誰しもが共有しているこの世界の構造の問題点が隠されていること、そしてその中に私たちが「見つめるべき課題が含まれてはいるのではないか」と思いがあり記述してきたのでした。今回と次回で最終となります。 
(seiryuu)
――――――――――――――――――――――――
ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第12幕 問題の本質〜

蓋の中

鳥獣戯画PublicDomain


蓋を開けてみれば、本当に分かっていない人達でした。

販売店もリース社も自らの業務の土台に規定されたリースの仕組みもリースが「賃貸借業」である根本さえもが把握できていなかったのです。建前の規定と業務実態がかけ離れており、販売店とリース社は互いが物件売買の相手であることが理解できていません。ユーザーへの「貸し付け証明」の準備も必要性も把握できていないのです。そのため現に販売店とリース社間に物件売買契約書、物件明細領収書が存在しないのです。

NTTリースにはSラムの件も当然証明書を要求したのですが一切書類は皆無でした。物件の購入と所持の証明が存在しないとは同時に貸し付け証明が不能ということになります。リース契約以前の話です。ユーザーへの貸し付け証明が全くの不能。この事実は私の件だけではなく訪問ファイナンスリースの全てがこうなっているでしょう。

販売店とリース社、そこに金銭の授受はあるでしょう。一件カモ(被害者)を捕らえる度に販売店は80万円近く手にするのかもしれません。それでも120万円や150万円のリース料を受け取るならリース社にとっても十分な利益です。しかしその販売店に渡した金銭は「物件代金」ではありません。(「報奨金」かな?)

何しろ販売店からリース社には物件の見積書どころか金額提示もないので物件代金は支払っているわけがないのです。支払ってもいない物件代金を原資とするリース代金の徴収、これは明白な不当利得の詐欺つまり刑事罰相当の犯罪です。無論出資法違反の犯罪でもあります。

そして更に物件代金領収書の不存在は別の違法事実も明らかにさせています。「脱税」です。

リース社は購入所得した物件の固定資産税の申告と納付をする決まりです。徴収するリース代金の中には保険料と固定資産税も計上されているのです。しかし、物件代金としての支払なし領収書なしで税申告しますか?本来は領収書に記された金額から年々の減価償却を計算し税額が決まるのでしょう。税の申告も納付もしているはずがないのです。

更には無資格の違法工事や労災の問題もありますが電話機違法廃棄処理の問題もあります。廃棄処理は電話機の所有者の責任です。しかしリース社は電話機の所有者の自覚さえもありません。間違いなく違法に廃棄しているでしょう。この点はY本さんが詳細に追求されています。



このシリーズでは関わった関係でNTTリースのみをやり玉に挙げてきました。しかし実態は他のリース社全て同じでしょう。リースは電話機のみでありません。市役所などの公的機関の事務機器もほとんどがファイナンスリースです。これら全てがリース社と販売店間での物件売買事実無し、脱税、違法廃棄の可能性があります。実はファイナンスリースの欺瞞の仕組みは電話機リース被害者逹個々人の問題のみでは全くないです。


“誰”だ?

 

法の網に掛からず野放しで“鵺(ぬえ)”のようにふるまって暴利を得てきた販売店とリース社、しかし彼らがリースのことを自発的に研究熟知し獲得した高い能力でそれを達成してきたのか?というと全く違います。

逆に彼らは無知でありマニュアル業務をこなす以上の能力は獲得していません。その必要が無かったからです。“誰か”によって法の網から除外されているから鵺のように振る舞えたのです。手厚い保護の元、自ら自身は「事の本質を問わず知らず」権威ある“誰か”の「ここまでなら適法だ。安心して実行せよ」とのお墨付きの指令それに基づいたマニュアルを日々こなし利益を得た。それだけです。

そうすると指令を出したのは“誰”か?です。

その“誰”かは、一口で言えば“国”です。明らかに国の多くの部署が関わっています。先ずファイナンスリースの仕組みと稼働の“お墨付き”を与えた部署があります。その許認可等の所轄で首謀者と目される経産省、そして金融庁の行政です。そして無論欺瞞のリースの仕組みをバックアップ保護してきた裁判所、司法。さらにはリース社の脱税の黙認からは国税廃棄物処理の点からは環境省等も関係するでしょう。まさに“国”が関わっているのです。

リース詐欺の実行犯は販売業者で主犯はNTTではありますが、本当のところは国が共同正犯、いや隠れた真犯人なのです。電話機リース詐欺はNTTの構造改革、大量リストラにセットとして伴うものであり、その構造改革を主導したのは国だからです。NTT自体は受け身です。

更にこの構造改革は国が能動的主体的に始めたのではありません。巨大権限権力を有する国に構造改革を命じたのはグローバリストです。

ここにお馴染みの構図が浮き上がります。巨大企業そのバックに国、さらにその陰にグローバリスト。この構図は過酷凄惨な原発事故を起こし膨大な犠牲者そして無数の被害者を生みだし続けている原発利権構造の構図と同一です。誰が原発を推し進めてきたか?利益を得たか?そしてあの過酷事故で責任者の誰かが法的に罰せられたか?一緒なのです。地球上どこにも繰り広げられてきた世界支配の構図です。

» 続きはこちらから

ブラジルの司法当局が東京オリンピックの招致で買収があったと結論、大手メディアは沈黙

竹下雅敏氏からの情報です。
 ブラジルの司法当局は、東京オリンピックの招致で買収があったと結論づけたようです。かなり大きなニュースだと思うのですが、メディアはなぜか沈黙しています。
 冒頭の記事では、当時、“正式な業務契約に基づく対価として支払った”と釈明している2.3億円の使い道に対して、当時の馳浩文部科学相の“多数派工作(のため)で、買収ではない”という驚きの自爆発言に言及しています。多数派工作として金を渡せば、買収になると思うのですが、なぜこの発言が大きな問題にならないのか不思議です。
 このオリンピック招致における買収疑惑も、国会論戦が始まると、内閣支持率低下の要因になります。あべぴょんにすれば、出来る限り国会は開きたくないというところでしょう。
 メディアがこの問題に触れない理由を、最後のツイートが説明していました。ナルホド。確かにこれなら納得ができます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
【東京五輪贈賄疑惑】買収があったとブラジル司法当局が結論
引用元)

(前略)
ブラジルの司法当局が2016年のリオデジャネイロオリンピックと2020年の東京オリンピックの招致に関し、両五輪の招致委員会から当時国際オリンピック委員会(IOC)委員で国際陸連会長だったラミン・ディアク氏を父に持つパパ・マサタ・ディアク氏に対して多額の金銭が渡った可能性があると結論づけました。

(中略)

Tokyo Olympics ?1.3m payment to secret account raises questions over 2020 Games Sport The Guardianより引用)

(中略)
当時の馳浩文部科学相は記者会見で「ロビー活動を展開するため、より核心に触れる情報が必要だった。多数派工作(のため)で、買収ではない」と驚きの自爆発言(中略)… 今回ブラジルの司法当局が買収があったと結論づけており(中略)… このまま東京は「汚れたオリンピック」を無理矢理開催するという極めて恥ずかしい選択をする事になるのでしょうか?
潔く買収を認め、謹んでオリンピックを返上すべきでしょう。
————————————————————————
配信元)









[長周新聞]皆伐・都市化が招く豪雨災害の激甚化 ー『ウェブ論座』で専門家ら指摘ー

 冒頭の動画は興味深く、次のFacebookの記事で内容を解説してくれています。「左の土は健康なもの、スポンジのように水を吸収して蓄えることができる。右の土は水を吸収できず、そのまま河川を氾濫させてしまう」ということで、動画でその様子を実験しています。さらに1分30秒あたりから、水を吸収できない不健康な土壌が豪雨災害の激甚化を招いていることが視覚的に分かります。
 下の長周新聞の記事では、昨今の豪雨災害の激甚化の原因を専門家が指摘しています。現在の林業は、1億円以上するような高性能機械を導入しているため、採算を合わすために山肌の木を全部伐ってしまう皆伐(かいばつ)や列状間伐(れつじょうかんばつ)が行われています。こう言った手法は、土砂崩れを防ぐ作用を果たす森林が破壊されるため災害を大きくしてしまうようです。記事に“少しでも減災につながる森林管理を模索すべき”とありますが、個人的には森を守りながら持続可能な林業を営むことができる「自伐型林業」を普及させることが一番良いのではないかと思っています。高知には「土佐の森方式」というのがあり、かなり面白い取り組みだと思います。地方行政が地元の若者や移住者に相応の森林をあてがうことが出来れば、雇用創出・地元活性化につながる起爆剤になると思います。自伐型林業は面白いのでまた別の機会に記事にしてみたいと思います。
 長周新聞の記事後半では、地方都市の災害の原因として、水をたっぷりと蓄えることができる水田がコンクリートで覆われた住宅地等に転用される一方で、遊水池は増えず、「同じ降雨量でも水位があがる」傾向にあり、“集中豪雨というより人工構造物が原因”で災害を招いていると指摘しています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
Turning Soils into Sponges
配信元)

————————————————————————
配信元)

————————————————————————
皆伐・都市化が招く豪雨災害の激甚化 ー『ウェブ論座』で専門家ら指摘ー
転載元)

流木による被害を受けた福岡県朝倉市街


 7月に九州北部をおそった集中豪雨は、山の斜面を同時多発的に崩壊させ、濁流が大量の土砂や流木とともに集落に流れ込んだことで、河川流域に甚大な被害をもたらした。

 森林ジャーナリストの田中淳夫氏は『ウェブ論座』(8月30日)で、「水害の発生や被害の激甚化の一因に林業がある」という報道に対して、「水害と森林のかかわりについての長年の研究で積み重ねた科学的な知見」に反すると批判している。

 田中氏は、豪雨と土砂崩れの基本的メカニズムを明らかにしたうえで、専門家による現地調査の結果、「切り捨て間伐や山土場が流木を増やした」という説にはなんの根拠もなかったことを明らかにしている。そして、「(このたびの北部九州豪雨による)崩壊地直下の渓流に残る流木を調べると、ほとんど根がついていた。つまり流木は崩壊土砂とともに流された立木だと考えられる」とのべている。

 田中氏はそこから、問題は林業にあるのではなく、「近年林業地で進む皆伐」の方が大きいと指摘している。「山肌の木を全部伐ってしまう」ことで、本来、土砂崩れを防ぐ作用を果たす森林を破壊してきた。つまり林業を奪うことで、土砂崩れを引き起こしているのである。

 田中氏は「木材を必要とする人間社会に林業は欠かせない存在である。“不伐の森”がかならずしも水害を防ぐわけではないが、人は木材を収穫させてもらいつつ、少しでも減災につながる森林管理を模索すべきだろう」と訴えている。

 これに関連して、地球太陽系科学者の山内正敏氏(スウェーデン国立スペース物理研究所研究員)が同誌で、何回かにわたって、洪水対策に関連して別の側面から論じている。それは、水田や遊水池の減少とかかわった問題である。

ダムより有効な水田の役割 

 山内氏は、森林は、水田と並んで「重要な保水地」であると指摘する。とくに、「河川敷の樹木は流れを妨げるマイナス面があるが、深い土壌と森林活動で、多くの水を吸収するから、遊水池として機能する」ことを明らかにしたうえで、次のように続けている。

 「かつては、上流から流れ込む量を減らすべく、防災ダムの建設で水をせき止めるという発想が治水の根幹にあった。しかしダムよりもはるかに有効な遊水池を日本は昔から持っている。水田だ。収穫期の洪水こそ深刻な被害をもたらすが、他の季節なら、どの農産物よりも水稲が洪水に強い。ちなみに、WTO等で問題になる農業への補助金だが、水稲に関しては洪水対策費という面があり、そのついでに米を作っているのが日本の文化であって、そういう視点だと、日本の米は実質的に非常に安いとも言えるのである」と。

 山内氏は、「日本人の過去の知恵とも言える遊水池=水田」が、地方都市ですら住宅等に転用されてきたため、「同じ降雨量でも水位があがる」傾向にあることを明らかにしている。また、そうした「急速に都市化が進んだ場所」が、「氾濫で一番被害額が大きくなりそうなインフラが集中している」と指摘する。川の近くは「洪水リスクはあるけど地価が安い」ということで都市化が進んできたのである。

 山内氏は続けて、「都市部を中心に田んぼや森林は年々減り、その代わりとなる遊水池は一向に増えず、せいぜい小川に十分な河川敷を与え高い堤防で覆って川自体を遊水池としても活用している程度だ。そればかりかミニ開発で土の庭が減り、住宅地であっても地表がコンクリートで覆われて、都市型の鉄砲水が出やすくなっている」と懸念を示している。そして、「保水力を失ったはげ山で起こる鉄砲水の都市版である。この手の洪水は、集中豪雨というより人工構造物が原因と言っていいだろう」と警鐘を鳴らしている。

 山内氏はそこから、「ミニ開発の原因の一つは、田畑や木立など、遊水池・保水地としての公共的な役割を持つ土地が、相続税や固定資産税の制度に考慮されていないことにある。掛け声だけでなく、税制という面から遊水池を守らないと、都市型洪水はますます広範囲に広がるだろう」と警告している。さらに、「現在存在する堤防(自然堤防を含む)から一定距離以内での新築を禁じ、他の土地利用も許可制にすることだ」「川にむかう景色が良いからとマンションを建てるなどもっての他である。治水はまさに百年の計だ」と訴えている。

ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第11幕 誰の物?〜

 安倍晋三氏と加計孝太郎氏との罵りあいが起こっていると漏れ伝わっています。「さもありなん」です。おきまりのパターンだからです。詐欺などの悪事を働く者たちはことがうまく運ぶ間は協力関係にありますが悪事が露見してうまくいかなくなると互いに「噛み合い」をはじめます。
 さて、トラスト「御見積書」、残リースの誤記入は前回記した「露呈」それ以外のドラマも生んでいたようです。昔サラ金のグレーゾーン金利が問題になっていました。利息制限法には違反するが出資法違反にはセーフ。違法だが罰則がない金利設定つまり年利29,2%すれすれ未満がこのグレーゾーンです。NTTリースは販売店に「予め打ち合わせたリース料金の計算方法を伝えている」ことを後に明かしたのですが、この計算法は「グレーゾーンでリース利率設定せよ」の意味でしょう。NTTリースが売買契約書、物件支払領収書、リース内訳書全て兼ねた書類(全くこれらの証明書の代わりにならず、この連中どうしてこんなに甘いのか?首を傾げるばかりだったのですが)と主張予定であったろう「御見積書」、ところがこれがNTTリースにとっても非常にまずい代物だったのです。「御見積書」での明白な残リース代10万円以上の誤記入でどうも出資法違反に抵触してしまい大慌てで訂正に走ったようです。なぜこのような残リース代の誤りをトラストが犯したか?これは後にトラストのKが明かしたことですが、この「御見積書」は来訪前の試算書で、NTTリースが残リース代を提示する前に作成していたようです。「これ(御見積書)はどこにも出していない」とK。その必要を考えず訂正していなかったようです。またこのKの証言で、この御見積書は2005年8月23日まで私はもちろんNTTリースも受け取っていないことが判明。私の指摘によりNTTリースはその内容を確認して解約損害金との齟齬それに伴う出資法違反を見つけ大慌てになったのがことの真相のようです。
(seiryuu)
————————————————————————
ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第11幕 誰の物?〜

トラストコミュニケーションズへの対応

 
 2005年8月26日夕方、トラストに確認のために電話しました。前々日NTTリースから「訂正資料を送らせる」との連絡に関わらず何も連絡が無いためでした。

応答したのはあの3月4日夜に電話してきたK社員でした。なぜか大変立腹の様子。録音ユニット不装着はあっさり認めましたが、残リース代の誤りはキレ気味で認めず、VOIPユニットに関しては相変わらずネットとIP電話には必要不可欠、必ずこれを装着させているとの虚偽を強弁。最後には「あなたが何を求めているのか良識的に理解できない。直接会って話しましょう。」と言い出す始末。やれやれです。
「全て文書でまとめているのでよく読んで確かめるように」と話し電話を切りました。

pixabay[CC0]


もともと相手にするつもりはなかったですが、これ以上やり取りするのは辟易なので、8月29日付けでトラストに「ご通知書」を「付記」を加えて送付しました。計10枚の書類です。

「ご通知書」には契約取り消しを明記した上、Y口担当者が来訪してきた2004年9月6日の顛末詳細、虚偽の数々を明かしています。「付記」ではNTTリースのO担当との電話での会話を含めトラストH社員K社員との電話のやり取りを文字に起こし記し、最後に「全て真実だが誤認している、間違いだ、だとの反論や疑問があればどうぞ。ただしそれは文書に限る」としました。

これでトラストは沈黙しました。ただこの時のK社員との会話などから気づきました。彼はNTTリースの名を出すと非常に不機嫌になるのでした。彼の口調からNTTリースに対し「あいつらは全く無能で、おれたちが体を張って食わせているんだ、それを、・・・」との憤懣が伝わりました。気持ちは分かります。確かにNTTリースは「一体何の仕事をしているのだ?」と私も思ったものです。現場の汚れ仕事はやはり大変です。直接被害者のクレームを受けるのも裁判の被告も彼らの役目です。中には精神に支障を来す者も少なくないのです。その意味では間違いなく彼らは加害者ですが社会全体の構造から見れば被害者との部分もあるにはあるのです。そしてこの時NTTリースは数字面で露呈してしまった違法事実、その責任と罪をトラストが被るようにと要請(指示?)していたのです。このことはその後送付されてきた訂正された「御見積書」と、それに対する私の質問と彼らの回答で明らかになったのです。

» 続きはこちらから