ほとんどがJA関係者のセミナーであったため、個人参加であるど素人の私には?な話もありました。なので、原原種への疑問点については、質問タイムで少しお尋ねしたものの、詳細については改めて後日電話でお聞きしました。
「
新品種の特性を維持するために育成される種子を原原種をいいます。原原種は
さらに特定の農家にて委託栽培して増殖します。
これを原種といいます。そしてその後に、一般農家へと販売されるのです。」
◎原原種の生産方式
・一つの品種でもいろいろな個性があるので、その個性を180に分類した系統として育成します。(人に背の高低とか目の大小とかの個性があるように)
・一つの系統は、縦横5粒x5粒(25粒)を1単位として、5単位、計125粒をほ場(ほじょう)にて育成します。
・育成する中で、病気・先祖返り(赤米になるという)など問題が一つでも出たら、その系統はNGとします。こうして問題無く育ったのが180系統のうち120系統(昨年の場合)あります。そしてその120の各系統の125株の中からそれぞれ選りすぐりの3株を原原種とします。ですから120系統x3株=360株が原原種となるわけです。そして翌年は180株をまた原原種としてほ場で育て、残りの180株は何かあった場合の予備として残します。
少しマニアックな情報ではありますが、原原種という言葉の意味がわかります。そして、
種子の特性を守るために原種・原原種を育成するという複層的な仕組みがよくわかります。
「消費者として看過できない種子法の廃止ー食と農の協同組合間提携の重要性」
パルシステム連合会 顧問 山本伸司氏
農の本質・食の本質を問う価値観は、グローバリズムの収益第一主義とは理念からして違うので、
収益構造だけを見るのではなく、コミュニティーとの交流を踏まえた、多様性を認める総合農協のような視点が必要とされるとの指摘には大いに賛同します。
またフードシステムにおいては、
生産者と消費者をつなぐ協同のシステムがあってはじめて豊かなコミュニティーとなり得るということで、
こうした心の豊かさとコミュニティーの豊かさの両立する「共生の社会」を提唱されました。
具体的な話として、コンビニの100円おむすびが100円たる内訳は、60円がコンビニ、16円が農家の取り分であり(その他は諸々の経費として)あまりに農家の実入りが少ないシステムとなっています。こうした構造を、
お金だけでない交流をも総合的にみて(たとえば福祉とか交通とか)、生産者と消費者をつなげる協同のシステムへと変えていく必要があるというのです。こうした細やかな気配りあるシステムはやはり日本から発信していくようにも感じられました。今のJAをもっと明確な理念のもとに再構成するといったイメージでしょうか。
多国籍企業はJAを解体しようとしていますが、それを逆手にとって
食と農を核とした協同の地域づくりを推し進めるのです。こういった
100年先をも見据えたビジョンともいえる価値転換の巨大な流れこそが地域を守り、食を守ることにもなるのです!と力説されました。
市民目線の心ある理念に基づいた、とても心強い100年ビジョンであり、実践的なお話であり、とても勇気づけられる話です。
「種子(たね)から考える次の50年」
シーズ・オブ・ライフ代表 ジョン・ムーア氏
種子カフェでもお話しされた、ジョン・ムーア氏です。
グローバリゼーションに基づいたF1や遺伝子組み換えといった、人間による遺伝子への介入により、植物の多様性は大きく損なわれています!
残された原種のDNAを次世代に引き継ぎ、土と人とをちゃんと繋げるローカリゼーション、新しい経済システムを構築する必要があります!と、原種を守ることの大切さをうったえました。
高知の山奥で、昔ながらの種を受け継ぐ暮らしの豊かさに気づき、
実践されている氏の言葉と活動は、現代社会に暮らす
私たちに大きな気づきを与えてくれます。
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パレスチナのイスラエル建設、これはたとえるならば一人の人間、その肉体の重要箇所に無理矢理他者のがん細胞を移植するようなものです。異物であり常に毒を出し続ける危険物、身体破壊の元凶となります。