注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
<引用開始>
(中略)
(中略)北朝鮮に対して課された新たな経済制裁は国連安保理で15対0の票を確保したが、(中略)新経済制裁は実に厳しい内容である。(中略)
「中ロ」両国はこれらの条件を推進しようとする決議は拒否することを明らかにした。
(中略)
(中略)西側の企業メディアはほとんど報じなかったが、ウラジオストックで起こったことは実に画期的である。モスクワと北京は平壌を加えた三者から成る貿易構造を構築し、朝鮮半島全体とロシア極東との間の連結性に究極的な投資を行うことに合意したのである。
(中略)
この協定に加えて、日本の河野太郎外相と韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は「中ロ」という文言を用いてこの「戦略的協力」をさらに強調した。
(中略)平壌を仲間に引き入れる唯一の方法は朝鮮半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道とを連結し、パイプラインを施設し、北朝鮮における港湾開発に関与し続けることである。
ウラジオストックへやって来た北朝鮮からの代表団はこの構想に賛成のようだ。
(中略)依然として、重要な点はソウルと平壌の両政府がウラジオストックへ出かけ、モスクワ政府と話をしたことだ。(中略)しかも、米国を抜きにしてだ。
(以下略)
<引用終了>
(中略)米国は好戦的な発言を繰り返して、「北朝鮮を徹底的に破壊するぞ」と脅しをかけているが、武力の行使に反対する「中ロ」の提案は素人のわれわれが見てさえも政治的には遥かに素晴らしい内容である。常識を満たしてくれ、きわめて全うである。この状況はまるで腕白な子供同士の喧嘩と教養のある大人同士の話し合いとを比較しながら見ているような感じである。
(中略)要するに、北朝鮮との軍事的対決の方向に進み続ける限り、米国や日本および韓国は米国製のミサイル防衛システムでは対応が不十分であって、北朝鮮の核攻撃に曝されるリスクが高まるのだ。これは非常に基本的なことであるのだが、マスメディアは真面目に取り上げようとはしない。
北朝鮮の弾道ミサイルの能力が高まり、核兵器の開発が進むにつれて、米国とその同盟国(日本や韓国)にとっては北朝鮮との武力対決そのものを回避することが増々重要になってくる。
広島・長崎に続いて二回目の核攻撃に曝されることは何としてでも避けなければならない。
(中略)しかしながら、政治の現状を見ると、「北朝鮮の攻撃から日本国民を守るとか、日米同盟強化の重要性を訴える」と日本政府は言う。政府の姿勢そのものに自己矛盾が生じ、国民を守るという政治の究極目的からは大きく逸脱してしまう可能性が高まっているということだ。
(以下略)
北朝鮮への経済制裁について、非常に厳しい条件のトランプ案に対しては、中露は拒否を明らかにし、その上でプーチン大統領は、米国の望む軍事的な選択肢の代わりに、独自の提案をしたようです。そのプーチン提案をスクープしたぺぺ・エスコバル氏の記事翻訳によると、その提案とは「朝鮮半島全体とロシア極東に究極的な投資を行う画期的な構想」だそうです。西側メディアはほとんど報じなかったそうですが、ウラジオストックの東方経済フォーラムで、すでに中露韓は合意の方向へ、意外なことに日本の河野外務大臣も「戦略的協力」を強調したそうです。
どんなものかと言うと…。
「朝鮮半島横断鉄道とシベリア横断鉄道とを連結する。日本がこれに加われば、日本は物理的にユーラシアと連結し、韓国もこれまで北朝鮮に事実上阻まれていたユーラシアに連結される。天然ガス、鉄道、北海ルート、造船、農業その他、一大ユーラシア経済連合となり、結果的に朝鮮半島に信頼と安定を築くことになる」というわけです。北朝鮮も、この構想に関心を持ってモスクワと話し合いをしているとか。
ロシアの外交手腕の見せどころで、北朝鮮もテーブルにつけば、なんと、米国抜きの平和的解決になってしまいます!
うーむ、やはり、ロシアがリーダーシップをとったか。