政府が種子法廃止の拠り所とした「みつひかり」について、岩月浩二弁護士は「想定していなかったほど、粗悪な不良品」だったと指摘! 外資種子メジャー参入の「地ならしだったとしても不思議じゃない」と表明! 山田正彦元農水相は、TPPから、種子法廃止、種苗法改正、農業食糧基本法改正、食糧有事法成立まで、国による食糧安全保障の破壊を批判!~6.14 種子法廃止等に関する違憲確認訴訟 控訴審第3回期日後の報告・意見交換会 2024.6.14
(前略)
2023年の地裁判決後に、
農林水産省が民間企業の米品種として推奨していた、三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社の「みつひかり2003」に、長年にわたる多品種の種子混入や、保証表示を下回る発芽率が確認され、三井化学が種子を回収、出荷を停止したという問題が発覚した。
政府は、2017年の通常国会での種子法廃止法案の審議当時、「種子事業への民間参入の促進」を目的のひとつとして掲げ、「優れた民間品種」の代表例として、「みつひかり」を推奨していた。
(中略)
原告側は、控訴審で、この「みつひかり」不正問題を重要な争点として、「種子法を廃止して民間に種子事業をゆだねることは、極めて問題であって、私たちの食への権利を侵害するもの」だと主張している。
(中略)
6月14日の第3回期日で、「みつひかり」不正事件について意見陳述した、
弁護団共同代表の岩月浩二弁護士は、報告会で、三井化学の撤退(現在は出荷停止中)と外資の参入について、「具体的に何か知っているわけではない」とした上で、次のように語った。
「1審の段階から、当然のことながら、種子の民営化について批判してきましたが、
批判の対象となる『みつひかり』がこれほど粗悪だということを、残念ながら我々は想定していなかったほど、粗悪な不良品でした。
そして、撤退して、空白が生まれる。当然ながら、モンサントとかシンジェンタといったところは、F1(1代交雑種)のイネの品種を持っているわけです。
種子法廃止とか、種苗法改正とか、そういったものが全部、種子メジャーが日本を席巻するための、地ならしになっているとみても、不思議な状況ではないですね。
なぜ、こんなことをしてきたかと言えば、
最後はモンサント様を迎えるためだった、みたいなオチである可能性は、全然否定できない」。
(中略)
(以下略)
動画の1分45秒のところで、“実はアメリカのゼロヘッジという金融紙で農林中金バンクニューヨークブランチ、ニューヨーク支店が昨年の12月1日からFRBのスタンディング・レポ・ファシリティのカウンター・パーティーの中に実は入れられていた、というニュースを流しております。農林中金、なんでそんなにアメリカで資本市場のリスク要因になるのかというと、これは農中が「CLO whale」、要するにCLOローン担保証券ですけども、それをたくさん買い込んでいる。クジラのようにその市場で、でかい存在なんだっていうことですね。しかも、そのCLOってリーマンショックの時もそうでしたけども、仕組み証券そのもののみならず、それから派生して出てくる色々なデリバティブ市場にも大きな影響を与えていくということで、連銀(FRB)のウォッチ、警戒される対象になってきたわけなんですね。このスタンディング・レポ・ファシリティっていうのは救済、要するに破綻していくだろう銀行を救済する時のファシリティ、一種の基金ですね。ここに農中のニューヨーク支店が入っているというニュースです。”と説明しています。
5分55秒では農林中金が損失を出した理由を説明しています。“一番の要因は、アメリカが2022年3月から急激な利上げを開始した。そしてそれによって米国債の価格がどんどん低下してったっていうことですよね。…こうした金利環境の変動ですね、それによって農林中金は大幅な債券価格の低下と、それから為替リスクですね、為替ヘッジのコストが膨らむという、こういうマイナス要因に見舞われてしまったということです。”と言っています。
為替ヘッジのコストについては、動画のコメント欄に「日本の金融機関(政府や年金機構を含む)は、外国債を為替ヘッジ付で買うことが多いので、これらは出来るだけ早く売却すべきですね・・・金利が安い時の米国債(2%以下の金利)に対しては、現時点で4~5%程度の為替ヘッジコストがかかるので(このコストは日米金利差に比例)、満期まで持てば損失が膨らむだけです」という説明がありました。
「為替ヘッジのしくみ」については、こちらの解説を参照してください。
農林中央金庫が投資しているCLOローン担保証券については11分35秒で、“市場運用資産の13%をCLOに投資しています。全てAAA格ということで、信用リスクの面では問題ないんですけれども、もしCLOの市場で農中が売り急ぐようなことになりますと、流動性リスクが高まります。先ほど申し上げたCLOの「whale」、クジラと言われているからですね。ここがですね、信用リスクは取ってないけど、金利リスク、為替リスクに加えて、流動性リスクが出てくるよっていう、この懸念があるわけです。”と言っています。
リーマンショックの時、格付け会社はサブプライム・ローンを担保にした債務担保証券(CDO)に「AAA」や「AA」という高い評価を与えました。格付け会社の「AAA」が信用できないものだということは、“リーマンショックで学んだのではなかったのか?”という気がします。
「CLOのリスク」に関しては、二つ目の動画をご覧ください。