かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(6)家庭を築く心構え

かんなままさんの執筆記事第6弾です。 
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家庭を築く心構え
子どもをちゃんと育てようと思ったら、
なにが本当に大切なのか、どう生きないといけないか、
親がしっかりとした価値観を持って、子どもを育てないといけません。

子どもが生まれる前からしっかりとした準備をしておくことです。

自分の心の中でしっかりとした価値観と信念を持って子育てをしないといけません。

出典:「ぴ・よ・こ・と」竹下雅敏(著)



本当にそうなのです!
でも、これができている親はどのくらいいるのでしょうか?

ある島の中学生に将来の結婚観、家庭観をインタヴュ―した時ショックを受けました。進路指導はあるけれども、将来の家庭生活など考えた事がないというのです。逆に「人に合わせるのはいや」「結婚や子どもはめんどう」という答えが返ってきました。

2015年、国立社会保障人口問題研究所の調査で18~34歳の未婚者のうち、男性の70%、女性の59%が交際相手がいない事が分かりました。結婚の意思は90%もあるそうです。でも理想と現実のギャップで交際できない人が多いとのこと。経済的理由が増えているそうですが、結果的に男性30%女性26%が交際を望んでいないというあきらめモードです。

私感ですが、自分の家庭を見て将来の夢を描けないのも大きな理由だと思います。親が幸せそうにしていない。余裕がなく、いつもイライラして人の悪口ばかり言う・・・子どもは見ています。


価値観も信念も持たぬまま突然親になる現代社会〜悪循環を断ち切るには


現実、経済優先の社会が作り上げてきた効率主義の世の中で無駄なものは切り捨てられ、子育ても学業も仕事もその目的を遂行するためにますます専門化、分業化されていっています。

そして赤ちゃんの時から大人の都合で預けられ、自由な発想で遊び呆ける時間もなく、自分の感覚でチャレンジする体験も与えられないまま進路を強要され、受験戦争に巻き込まれ、どんな仕事が自分に合っているのかわからないまま就活して社会人となって行くしかないのです。

とりあえず学校に行く、とりあえず仕事する、できちゃったからとりあえず結婚する?
これではスタートから間違っています。

でも、人の内には真理を求める種(良心?)があるといいます。
間違った道、いい加減な道を生きていたらその種が疼くのです。求める真理に近づいたらその種は内側で輝き、喜びと共に芽吹いて花開くのだと信じます。みんなその真理に向かうために生まれてきたのに・・・。

どのライフステージから始めたらいいのかわからないくらい混乱した社会ですが、この悪循環を断ち切るためには自らそのような生き方に替えるしかないのです。そういう意味でも子育てはチャンスです。

子どもに幸せになってい欲しい!・・だったら、幸せが何かを問い直すことから始めます。そして子どもに学歴や秀でた才能を伸ばすような処世術ではなく、ヤマ・ニヤマを王道にした根本的な生き方を示すことです。子どもを1人の人間として尊重し、全人生を通して一貫してありのままを認め、愛を注いでいくことだと思います。




成長段階に合わせた子育てのポイント 〜良い循環が生まれるために…〜


まだ小さい時は、物事の善悪よりも、安心、心地いい、楽しいなどの情動を大切にします。不安、怖い、苦しい、寂しい情動は避けます。特に知らないことに対する不安感は一生影響します。親の都合、社会の都合に合わせる時はわかるように話します。気で伝わります。この時期はひたすら愛の道を広げてあげます。

3歳すぎたら自分で選択させ、チャレンジして出来た時は認めます。この時期は自立と同時に他人の存在を意識できるようになります。そして自分がしたことで人が喜ぶことが嬉しいと体験します。できなくても許し、待ちます。親もごめんなさい、ありがとうを言います。個人差が大きいので標準的な発達よりも個に合わせます。

そのように育てられた子は、気が満ちているので自立心、自己肯定感、自己有能感が高くなります。人生の中で最大の危機が訪れた時にポジティブに判断して行動をする土台ができます。



pixabay[CC0]



思春期の頃からは親と対等です。色々な事を話します。大切にしていること、価値観の話もします。お互いに忙しくて時間が取れませんが、一緒に食事するなど意識して時間を作り、自分の事を語る楽しさを体験して欲しいと思います。急に大人になった気分になったり、子どもになったりしますが信頼して成長を後押しします。時には有り余った性のエネルギーに振り回されておバカなこともします。親を踏み台にします。期待しないで待つことです。全部、後で笑う材料にします。そうして失敗もしながら、物事を決める基準が自分の内面にあることを体感します。

やがて、その感覚で自分に合った人と出会い、結婚します。結婚が又、多様な価値観を教えてくれます。親から無条件に愛されていたら、愛を感じる道が広くなっているので人生の危機が訪れた時にもポジティブに判断して行動をする土台ができています。そして、互いを理解し合う方向へ向かい、その積み重ねが未来を作ります。子どもができたら、同じように愛して行けばいいのです。

そう、子どもをちゃんと育てるには自分自身が「何が大切か、どう生きなければいけないか」を問い続け、良心にそって生きていくことです。そしてそういう子育てができたら自動的にいい循環が生まれます。
(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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