[第25回] 地球の鼓動・野草便り 生でいただく食事


生でいただく食事

野草の酵素と薬効成分をいただくのに、発酵させるといいということで、母がカメで作り始めました。

できるだけ毎日手で混ぜます。満月頃に摘んだ、オレガノ、ミント、マローなどのハーブに桑の葉、オオバコ、ヒメムカシヨモギ、イノコズチ、スギナ、クズ、カキドオシ、ツユクサなどとキビ糖、黒砂糖、自然塩を入れています。葉を洗って乾燥させすぎたのか、水分が少なくて中々発酵が進まないようです。

ヒメムカシヨモギ


ヨモギの花



綺麗な場所の葉っぱを摘んできて、洗わないですぐ作る方が酵母菌が多く、さらに日の出前に摘んだ方が一番酵素が多いとか。
約1年半くらい前にわたしが瓶に仕込んだものがあります。こちらは出来るだけ多くの植物でと、野草の他にカリンや柿、梅などの果物や米、豆、海藻、松の葉っぱまで入れていて、最初頃に何度か混ぜて、途中1~2回混ぜただけで、放っていたのです。

最近開けてみると、美味しい発酵エキスがでているのですが、緩んだゴム紐の隙間から蝿が入ったらしく蛆虫がわいていました。大きな瓶に良い材料ばかりなので捨てるに捨てられず、一生懸命蛆虫を捨てて、1っ匹残らず取り出せたかなぁ?と不安ですが、砂糖を足して、しっかりと蓋をしました。2~3日後また4匹見つけて捨てました。発酵の美味しそうないい香りに蝿が寄ってきます。発酵菌の好きな糖分がなくなって酢酸菌が出て酢になると、蝿も寄り付かないのですが・・・。野草の酵素を作るときは蝿に要注意です。かといって密封はできないのです。発酵菌は動物に近く、糖分と水と空気が必要らしいのです。


この頃、ほとんど毎日クマザサの青汁をいただいています。苦味やアクの少ない野草を松や笹、ヨモギ(新芽)と同じように青汁にしていただくのも良さそうです。
お茶も鍋に野草(生や乾燥したもの)を水と一緒に入れて天日に出して、太陽の熱で抽出したものを、冷蔵庫で冷やしていただきます。
熱いのがいい時は、そのまま短時間で沸かせます。

最近はできるだけ生食(ローフード)を心がけています。キュウリなどの野菜とはちがって生でいただくのが難しい野草でも、発酵させたり、青汁だと生でいただけます。

実はお米も水につけておいて、発芽しかけたのを生でいただいています。発芽すると栄養価がぐんと増えるとか。水につけておくとかなり柔らかくなっていて、食べやすいのです。
野菜や草の種も蒔いて残った種をもやしで、または間引き菜でいただくと、栄養価の高いローフードになります。量はほんのちょっとでも良さそうです。

野菜や野草の種ってとってもたくさん実るので、蒔いた残りを、もやしや種のままでも美味しくいただけます。お米やゴマ、豆、トウモロコシなども種をいただいていますね。鳥たちも種が大好物で、畑に残った大根の種をすっかり食べていました。(一粒残らずかなと思ったら、程よく種は残っていました。)

また、乾燥粉末の野草などもドレッシングに混ぜたり、ふりかけやスープの浮き実にといろいろ使えます。
今から冬に備えて乾燥葉や種、塩漬けや醤油漬けも作っておこうかと思います。イノコズチの種、未熟果、ヒメムカシヨモギの種、ヨモギの種や未熟果、エノコログサ、イヌビエ、スギナ、カキドオシ・・・全部草取りを兼ねています・・・というかもったいなくて捨てられない・・?

イノコズチの種


スギナ粉末


ちょっと常識はずれとも思える食事かもしれないのですが、どうも最近気がつくのは、今の社会の常識になっていることって、戦後アメリカに押し付けられ、誘導されたり、経済優先だったりの歪な社会常識がまかり通っていて、ほんとうの健康や幸せに反するのではないかということです。

自然と共生し、培ってきた日本の優れた生活の知恵や文化も途切れ途切れになってしまって、忘れ去られた貴重な生活の術も多々あるのではないかと思います。

yasou
その代表的な例が大麻ではないかと。戦前までは普通に栽培されていたものが、戦後禁止され、犯罪扱いされています。石油利権のため、化学繊維を普及させるためだったとか。クスリのいらない健康生活のためにも、神聖な植物としても麻は日本文化や生活に必要不可欠な存在だったのでしょう。

我が家は蚊帳を吊って寝ます。昔のもので、ほんものの大麻でできています。蚊を防ぐだけでなく、邪気からも守ってくれるのかもしれません。中に入るとスッとして楽になります。着物などの麻の葉模様は昔から魔除けとして尊ばれています。

蚊帳(ブルー)


また古くなった蚊帳を使って寝たきりの方のシーツにすると床ずれができないそうです。

以前、母は麻生地で仕立てた洋服が1枚あり夏はそればかりを着て、夜洗濯して朝には乾いているのを着て仕事に出ていたと言います。あるとき母のその服と自分のと交換してほしいと言われたとか。当時もう本物の麻は手に入りにくかったのでしょう。

麻の布は熱の伝導性に優れ、清涼感があり、紫外線の遮断率99%、抗菌作用、電磁波を放電作用によって流すのだとか。逆に化学繊維は蓄電性があり、電磁波の影響も受けやすいということでしょう。

蚊帳(グリーン)の中



この蒸し暑い日本の夏に、麻の服はぴったりだったのですね。日本の麻の表示は苧麻(カラムシ)でシワになりやすいのですが、大麻はシワにならなかったといいます。

1990年代ヨーロッパ、カナダが麻の優れた有用性(CO2還元率2~4倍、土壌改善無毒化、衣料、食料、建材、医療、etc)が見直され、栽培解禁(第二次世界大戦後50年間栽培禁止になっていた)。現在は中国、ヨーロッパ、カナダからの輸入麻が主流のようです。(指定外繊維と表示)

また、竹下雅敏先生の物理学のお話を聞いて、常識とされていることの根本的な間違いがあることを気付かせてもらいました。 だから、あまり常識にこだわらず、自分の感覚で、自然体で暮らすことから始めたほうがいいのかな?と思ったりしています。(実はすでにそんな感じで暮らしているかも・・?)

ありがたいことに、今必要な情報がもらえているのかなとも思います。
自然のいろいろな存在の声に心の耳を傾けるのもいいかもしれませんね。

yasou
自然賛歌

夕焼け雲

ムカゴ(ヤマイモのクローン・・種もできるがムカゴの方が種の交配、交雑がなく子
孫を残せる)


ヨウシュヤマゴボウ(毒)


ヘチマの花(雄花)




コマツナギ



フジカンゾウ

カボチャの蔓



ナガイモ(ヤマイモ)の花
(葉が対生についている)




カラスアゲハ♀
(道路に落ちていてもう動かない・・・)



シロヒトリ




■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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