かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(20)働き方

かんなままさんの執筆記事第19弾です。 
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働き方
 自分が本当にしたいと思う人生を生きた方がいいのです。できる限り自分に素直であるべきです。するとネガティブになりません。
夫や子どものために生きていると、‘‘私はこんなに我慢しているのに、なぜあなたは私の言うことを聞かないの“という思いになるのです。
しかし、自分を自由に表現し自分に満足している人は、夫や子どもをそのまま受け止められるのです

出典:「ぴ・よ・こ・と 2」竹下雅敏(著)



悩めるママたち〜自分に素直?


4人の子どもがいるママが疲れてやって来ました。専業主婦で、子育てを頑張っています。でも、子どもが散らかすとイラッとします。食事の好き嫌いをすると、又イラッとします。宿題をぐずぐずして、上手くできないと「ばかじゃない?」と言いたくなります。夫がのんびりしていると「こんな状態ならふつう手伝うでしょ」と1人で怒っています。

「そんなにガミガミ言わなくてもいいじゃないか」とパパが言うと、子ども達まで「ママは怖い、パパがいい」と言いだし、何もしないくせに、いいとこ取りの夫に腹が立ちます。自分の好きな事を我慢して家族のために頑張っているのに何で私ばかり責められるの?何もかも捨ててどこかに行きたい!とさえ思うのです。

そう言いながらも膝に子どもを抱いて食べさせたり、おむつを替えたり手を休める暇がありません。顔は笑っているけど、心が壊れそうなのがわかりました。頑張りが怒りになったらもったいない!まずはママを救わなければ!と思いました。「自分のために何かをするとしたら何をしたい?」と聞きました。考えた事もないとのことでしたが、しばらくして「ジムで思いっきり体を動かしたい!」とのこと。「遠慮なく行ってらっしゃい!」「え?でも、パパに預けると変なもの食べさせるから嫌なんです」自分も自由じゃないけど周りも自由にしたくありません。「汗を流してリフレッシュしたら気分が軽くなるから、それから考えよう」と言いました。

あるママは、離婚して子どもに辛い思いをさせたから、一番好きなマラソンを辞めると泣きながら言いました。そのママはマラソンを始めたことで山のような悩みを解消し、やっと自分の思いを出せるようになって離婚の道を選んだのです。だから「マラソンは辞めちゃダメ。好きなマラソンをすることで頑張る力が湧いてくるのよ。ママが幸せでいることが子ども達の幸せなのよ」と励ましました。その後、マラソンの才能を発揮して、優勝を重ね、素敵なパートナーとも出会いました。




悩める子供たち〜本当にしたいことをしていいんだよ


プレーパークに来て何もしない子どもに「遊ばないの?」と聞いたら「ここでは好きなことしていいんでしょ。だから何もしたくない」という言葉に胸を突かれました。考えてみたら、子どものころから「自分に素直に、本当にしたいことをしていいんだよ」という選択肢を与えてあげているでしょうか?

私も子育てをしながら悩み続けました。世間の流れに乗って人生経験もないうちから進路を決めさせるのか、我が子の自由を尊重して独自の道を歩かせるのか?子ども自身も自分を取り巻く環境の中で自分の立ち位置を探しているのを感じました。だから目の前の子どもの姿をみて、自分で選択できるように支援し続けることしかできませんでした。

長男は最後まで進路を決めきれずにあやふやな受験をして惨憺たる結果でした。でも、その現実が彼を本気にさせたらしくて一念発起、「医者になる」と言いだしました。親もとを離れ1年浪人して見違えるように成長しました。

次男は彼女の行く大学を選び(笑)、卒業して就職という時にこれじゃなかったと気づき、別の道を歩き始めました。フィンランドにいますが北欧の学生は一旦高校を卒業したら社会に出て、何年間か様々な経験を積み、その後、進路を決めて大学や専門学校に入るのが一般的だとか。だから30代の学生も多いそうです。学費も無料なので自由な選択ができるところがいいと思います。娘2人はさっさと自分の道を進みました。

オーストラリアの娘のパートナーも、好きでシェフという道を歩いていましたが、娘と結婚して考えが変わり、一大決心して大学に入り直し、小学校の先生への道を歩き始めました。とても向いていると思います。一般受験の枠ではなく、やる気の枠があり、いかにやる気があるかを力説して合格したそうです。



私自身は最初、長男の嫁、アンペイドワークで立場が弱く、不自由でした。でも、この環境で子育てすることが避けられなかったから、与えられた仕事と思ってやるしかありませんでした。でも、絶えず自分の問題として解決策を見つけていたら楽しくてやりがいが出てきました。信頼を得たら、こんなに自由でベーシックインカム状態で生きていける人生はありません。お金をもらわなくてもやりがいのある仕事に繋がって幸せです。

ただ、この仕事は24時間逃げられないし、絶えず相手の問題が自分に降りかかるし、我儘が出やすいので、頭ではわかっているのに感情をコントロールするのが大変です。

2人しかいない今でも余分な親切と勝手な期待をして、夫にイラッ!とする時があります。私ばかりやっているような気がして負担感を持っている時です。「少しは自分でやってよ!」と心の中で叫びます。でも、やってくれと頼まれたわけではありません。やってしまうのです。多分、私がやった方が早いし、上手くいく・・・結局、私が思うようにやって疲れて相手を責めたくなっただけです。
ああ・・、自分に素直に生きることがスタートで、徳を積むこと、愛を高めることも始まったばかりかあ・・。


仕事復帰、本意の選択を


ところで、ママ達に真剣に自分に問うて欲しいことがあります。仕事復帰の選択です。「この子の傍にもっといたい!」と思っているママが多いのを知っています。赤ちゃんはママさえいれば他は何もいらない時期です。求めあう二人の愛を引き裂いてまで急いで選択しなければいけない事でしょうか?社会の流れに逆行することですが、かわいい子どもの人生のスタートです。満たされない代償をあてがい続ける方が苦労が多いように思います。本意で選択した生き方は、反省はあっても後悔はありません。

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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