紛糾する名護市議会、渡具知市政は国の出先機関か?

 渡具知新市長でスタートした名護市ですが、さっそくそのカラーが出てきました。これまで稲嶺前市長は「透明性のある開かれた市政運営」のための情報発信に積極的で、定例記者会見は毎月行っていました。しかし新市長のご意向で今後、定例記者会見は廃止だそうです。渡具知市長はマスコミがお嫌なのかと思いきや、地元紙では伝えていない「辺野古移設受け入れ表明へ」という産経新聞の報道へは批判しておられぬ様子です。
 渡具知市長は「国とは一定の距離を置く」と表明しましたが、当選後速やかに上京し、菅官房長官に「要望書」を提出しました。選挙支援のお礼と政府からの財政支援を求めた内容で、さらに問題なことに、その中で「国からの優秀な人材」をも要請しています。財源も職員も国から受けての市政運営など、名護市が国の出先機関になってしまうとの危惧はもっともです。
 現在の名護市議会は空転と紛糾を重ねています。与党である自民、公明議員は13名、野党は14名という構成で、正副議長を出すことで与野党ともに採決時の多数確保が難しくなるため、ポストが決まらないのです。かつて渡具知市長は、現議長の不信任案を2度も提出したそうですが、「やっぱりそのまま続けて欲しい」と言うのは都合良すぎではないかしら。国への面妖な要望書問題も議題に上がる初議会には、「急な体調不良」で市長欠席というのは、無責任すぎではないかしら。這ってでも出席せんかい。
 沖縄の姿は、日本の姿でもあります。国の写しのような渡具知市政と辺野古移設計画は、しっかり追って行くべし。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
配信元)

————————————————————————
【どっち?】渡具知名護市長と防衛省との会談について、産経新聞が「辺野古移設受け入れ調整開始」と報道!一方沖縄タイムスでは「今後の基地建設に関する話は出ず」と報道!
転載元)

どんなにゅーす?
・2018年2月23日、渡具知名護市長が防衛省の辰己昌良審議官と名護市役所で会談を行なったものの、その内容について、メディアに大きな違いが生じている。

・日常的にデマを多く報じている産経新聞は「辺野古移設受け入れ表明の調整を開始した」などと報じているものの、地元紙の沖縄タイムスでは「新基地建設工事の進捗状況などの説明のみで、今後の具体的なスケジュールについての話は出なかった」と報じており、そのニュアンスがかなり大きく異なっている。


————————————————————————
「国から優秀な人材を」 名護新市長が首相官邸に要望書 地方自治体の主体性はどこへ
転載元)


首相官邸の出先機関化 副市長や政策調整官ポストに注目

名護市内では、発足したばかりの渡具知市長が、市民には「国とは一定の距離を置く」といいながら、1週間もたたぬうちに上京して菅官房長官に提出した「要請書」の内容が物議を醸している。本紙が関係者から入手した要請書(2月12日付)では、市長選における自民党、公明党、日本維新の会からの「力強い御尽力」に感謝し、「公約実現」のため「財政面をはじめ政府からの御支援」を求めている。

(中略)
「国と距離を置く」どころか、幹部職員も含めて霞ヶ関に人材の派遣を求め、これらの東京組が副市長や政策調整官という重要な役職に就いていくことが予想されている。名護市という小さな地方自治体が謀略選挙によって乗っ取られ、主体性を放棄して中央省庁なり政府に身を委ねる動きがあらわれている。

————————————————————————
議長・副議長選めぐり紛糾する名護市議会 官邸采配の市政運営に危惧高まる
転載元)
与党会派は副議長の選出を拒否 市長の「助言」を受け

 辺野古への米軍基地建設問題を抱える名護市議会では20日、市長選後初めての臨時議会が開かれた。新たに就任した渡具知市長が提案する副市長、教育長の任命について議論をする予定だったものの、空席となった副議長選挙が与党議員のあいつぐ「辞退」によって4回もおこなわれるなど空転。議会運営をめぐる攻防が激化している。

Comments are closed.