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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 第24話 ― ハルマゲドン(救世主降臨)計画(其の四)
恐怖と選ばれし者の優越感 ~到来する新エルサレムの住人とは

世界各国のキリスト教信徒数の割合(2012年) [CC BY-SA]

そして、このことに対して、そのキリスト教が世界に広まった理由は教会側の戦略もあるが、それに加えて布教を受ける側の心理状態もあると? 改めてそれは?

その絵本の絵は、確か地上各都市が炎に包まれていてハルマゲドンの様子を描いていたようで・・・。


それとここが大事なところなんでやすが、彼らにあっしがこう尋ねたんでさ「あんた方は幸福として何を望んでいる?」と。
そうするとこう答えたんでさ「家族と一緒になること。」。「神の前で」だったか「神と」だったか、「一つの家族となること。」と。
で、あっしが驚いたのが彼らの表情だ。恍惚の表情を浮かべていたんでさ、そう、自分たちは神の使徒として崇高な行為を遂げている、といった感じで・・・。


一方、信者となり教会側の人間として元自分がそうだった異教徒を改宗させキリスト教を広めたりしたら、キリストの使徒になるわけでやすね?
元の罪人の自分がそうなれば、選ばれた貴人となる。教会は古くからの一大権威だ。その権威から自分だけが特別に選ばれた、となれば優越感がくすぐられるだろうと。

なるほど。・・・最終戦争らしき恐ろしい絵を見せながら破局が来て最後の審判で裁かれるぞ、とされたら、気の弱い者は恐怖に襲われ、その恐怖心から逃れたい一心で、信仰もしていないのに信仰告白などする人達もいるかもしれんね。
そして一大権威の教会から使徒だと持ち上げられたら確かに優越感をくすぐられるだろう。大概の人間は本当のところ自信が無く劣等感が植え付けられているからね。
なるほど、よく観察しているね。感心するよ。

ならば元は布教を受ける側であっても自分が信者になり更に布教するようになり、教会から自分が使徒と認められるようになったら、最後の審判をくぐり抜け、地上世界に君臨する新エルサレムの住人になれると受け取って自然でやすからね。
途中であっしの家に来た二人の顔と言葉が思い浮かんできたんでさ。神の前か神と一つの家族になるといいながら浮かべた恍惚の表情、あれは自分たちがこの黙示録にある到来する新エルサレム住人の一人だという感覚ではないか?とね。
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そのキリストとは一体誰を指すのか? ~磔刑で死んだイエスの肉体が復活したのか?



そして普通のキリスト教との違いについてだが、キリスト教とはイエスをキリストとして信奉していく宗教だね、モルモン教はキリスト教と言えばキリスト教だが、信奉するキリストがどうもイエスではないようだ。


キリストとメシアは同義だ。そうするとメシアを名乗った人物は複数いるね。サバタイ・ツヴィもヤコブ・フランクもそうだ。そして最近では統一教会の文鮮明、彼も自らをキリストの再臨者だと自称している。文鮮明のいうキリストは誰を指すのかは不明だがね。というわけでイエス以外をキリストと信奉する宗教は複数あるよ。
そしてモルモン教の信奉する対象だが、モルモン教会は表向き隠しているがそれはエノクだろうね。モルモン教はその創立当時は「エノク教」だった。エノクの教えを信奉するエノク教会だったんだ。
今はそれを隠しているがね。

で、もう一方、エノクとは?

神がエノクを取られた『創世記 5:24』
[Public Domain]

また大預言者だとかノアの箱舟のノアに警告を発したのもエノクだとかの様々な伝承のある人物だよ。




ただし、黙示録にある磔刑に復活と昇天、それに再臨と最後の審判、これは少なくともキリスト教を名乗るどの派でも説いているんじゃないかな?
またこのキリストの時系列的一連の役割というか動きは、黙示録に記されている点から分かるようハルマゲドン計画と連動している。
そして何よりもそこで記されているキリストが一体誰を指すのか?を特定することは、計画の陰謀団の実像を明瞭にする核心部分になるよ。


しかしそれを含めたキリストの一連の役割というか動き、つまり①磔刑、②復活、③昇天、④再臨、⑤最後の審判、これを磔刑で死んだイエスの肉体が復活して全て行う? どうだい、こんなこと常識的に見て変じゃないかい?

pixabay [CC0]


そしてその裏には陰謀団の存在と働きがある。というか地上世界の隅々までにも宗教を広げ浸透させることこそが彼らのハルマゲドン計画実現の柱だ、これこそが大黒柱になっている。
ハルマゲドン計画実現の柱、世界宗教の拡大 ~消えた民俗宗教と終末思想を説く世界の宗教群


ただし、キリスト教だけじゃ無いよ。世界のほとんど全てと言ってよいぐらいあらゆる宗教の裏に彼らの存在がある。

うーん、それとハルマゲドン計画実現のシナリオがシオニズムで、その破壊工作の綱領の中に「全ての宗教撤廃」とありやすが、これと矛盾するのでは?

陰謀団にとって既成の宗教は不用で邪魔なのでゴミと仮定してみよう。ゴミを取り除くにはあちらこちら無数のバラバラにあるゴミを幾つかの大きな塊にした方が処分しやすいね? それと同じ事だ。
2000年前のことを想像してご覧、アメリカ大陸アフリカ大陸太平洋に浮かぶ島の群れ、そこに生活するする多数の民族、それぞれの民族にはその民族独自の伝承があり、祖霊がいて宗教とも呼べないような独自の宗教があったはずだ。それらはほぼ全て消えているだろ?
また、2000年前にも既にエジプト、インド、ギリシアなどでは巨大宗教はあったよ。しかしそれらは全て多神教だ。様々な神が信奉されていたのであり、唯一絶対の神だけを信奉するようなものではなかっただろ?

また、特に現在は一神教の信者が世界人口の過半数でやすが、一神教とそれ以外の宗教の共存は困難だ。うーむ。

ただ客観的事実として、世界宗教の拡がりで民族独自の多数の宗教が消えたのは確かさ。それと現在の世界中のほぼ全てと言ってもいい宗教、それにはある共通した傾向があるよ。




ユダヤの秘密教義カバラが典型的で「カバラによれば、天国に秘め置かれている“メシア(救世主)の魂”が地上に“人の子”として現れ、全ユダヤ人を救済するのは、地上の悪が絶頂に達したとき」(「ヘブライの館2」)。この思想からサバタイ・ツヴィ、ヤコブ・フランクが登場している。彼らはカバリストだからね。
ルーツはゾロアスター教の終末論で、救世主の到来、最終戦争、最後の審判、新世界の到来などヨハネの黙示録とほぼ同様の内容だ。そしてユダヤ教、キリスト教の兄弟宗教のイスラム教も当然終末思想の色合いは濃い。また実は仏教にも終末思想はあるよ。


そして意外だろうが仏教の終末思想を見ていくことでハルマゲドン陰謀団の首領は誰か?が判明してくるよ。



終末思想を説く多くの宗教による布教は、これに該当するような気がします。また勧誘を受ける側の問題もあります。「あなただけ特別」とされると「私だけが特別で他の多くの人々と比較して勝れる」と思い込む点です。
「私は特別」これには何らの問題もありません。「他と比べて自分だけ」が問題なのです。「自分が特別なように、全ての存在その一個一個が同じように特別だ」。このような視点で日々過ごすならば正常でしょうが・・・。
ハルマゲドン陰謀団は、終末思想で恐怖や不安感を抱かせる一方、「私たち権威からあなたは特別に選ばれる」と人々の優越感をもくすぐり、このようにして宗教は世界中に拡大浸透してきました。宗教を世界中に拡大浸透させる、これこそがハルマゲドン陰謀団にとり、その計画実現のための中心となる柱だからです。