注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
14%アップの韓国最低賃金ー「トリクルダウンを待つ」のではなく、「まずはボトムアップ」の発想
転載元)
ちきゅう座 18/4/29
(前略)
最も興味深く読んだのは「韓国最賃事情と労組の活動(上)」という記事。金美珍という人の執筆。
リードが「韓国の最低賃金が大幅にアップした。日本と同様に非正規雇用の増大が社会問題となる韓国で、何が起きているのか。
(中略)
韓国ではいま最低賃金をめぐる社会的な関心が高い。過去最大の引き上げ幅(1060ウォン=約100円)を記録した18年度の最賃(時給7530ウォン=約740円)が年明けから適用されたからだ。今回の引き上げによって全賃金労働者の18%、約277万人が直接影響を受けると推定される。主に若年層、60歳以上の高齢層、女性、非正規労働者がこれに含まれる。
えっ? ホント? それはすごい。18年度の最賃(時給7530ウォン)は、17年度の最賃6470ウォンから14%のアップとなる。統計を見ると、2013年以後の日韓両国の消費者物価の変動率は、韓国が若干上回る程度でほぼ変わらない。それで、最賃14%のアップは驚愕すべき数値だ。
東京都の現在の最低賃金は、時給958円。17年10月1日に引き上げられているが、その額26円。率にして2.79%である。韓国の最賃引き上げ率は、東京の5倍となるわけだ。(中略)
記事は解説する。
18年の最賃額はなぜ大幅に引き上げられたのか?
その背景としてまず、17年に誕生した文在寅(ムン・ジエイン)政権による新たな経済政策パラダイムヘの転換があげられる。
当選直後から、文政権は経済不平等の克服を重要な政策課題と提示し、「人が中心となる国民成長の時代を開く」ため「所得主導の成長」を主要経済政策の方向として打ち出した。
「所得主導の成長」とは、質の良い仕事を提供することで家計の所得と消費を増やし、これが企業の生産と投資の増大、ひいては国家経済の健全な成長につながるという好循環経済のビジョンである。
文大統領は、選挙期から「2020年最低賃金1万ウォン(約1千円)」を公約として掲げ、政権交代後にも「所得主導の成長」の核心政策として最賃引き上げを強調し、家計所得の増大を試みている。
なるほど、アベノミクスとは正反対の発想。
大企業と富者が儲かるように経済をまわせば、いずれは底辺の労働者にも、おこぼれがまわってくるというトリクルダウン論はとらない。
真っ先に、最底辺の労働者の賃金を押し上げることで経済全体の活性化をはかろうというのだ。日韓、まったく逆の実験が進行していることになる。こんなことは初めて知った。これなら、韓国の民衆は、自分たちの政府、自分たちの政権と考えることができるだろう。日本の大企業が、安倍政権を、自分たちの政府、自分たちの政権と考えている如くに。
(中略)
続く記事によると、実のところこの政策はけっして政権の独走ではない。「最低賃金1万ウォン」の要求は、韓国で高い支持を得て、労働運動の主要テーマとなっているのだという。17年6月には、「最低賃金1万ウォン」を求めるストライキに多くの参加があったともいう。
(中略)
それにしても、われわれは(私は、というべきか)韓国のことを知らな過ぎる。これほどに学ぶべきことが多いにもかかわらず、である。
(2018年4月28日)
最も興味深く読んだのは「韓国最賃事情と労組の活動(上)」という記事。金美珍という人の執筆。
リードが「韓国の最低賃金が大幅にアップした。日本と同様に非正規雇用の増大が社会問題となる韓国で、何が起きているのか。
(中略)
韓国ではいま最低賃金をめぐる社会的な関心が高い。過去最大の引き上げ幅(1060ウォン=約100円)を記録した18年度の最賃(時給7530ウォン=約740円)が年明けから適用されたからだ。今回の引き上げによって全賃金労働者の18%、約277万人が直接影響を受けると推定される。主に若年層、60歳以上の高齢層、女性、非正規労働者がこれに含まれる。
えっ? ホント? それはすごい。18年度の最賃(時給7530ウォン)は、17年度の最賃6470ウォンから14%のアップとなる。統計を見ると、2013年以後の日韓両国の消費者物価の変動率は、韓国が若干上回る程度でほぼ変わらない。それで、最賃14%のアップは驚愕すべき数値だ。
東京都の現在の最低賃金は、時給958円。17年10月1日に引き上げられているが、その額26円。率にして2.79%である。韓国の最賃引き上げ率は、東京の5倍となるわけだ。(中略)
記事は解説する。
18年の最賃額はなぜ大幅に引き上げられたのか?
その背景としてまず、17年に誕生した文在寅(ムン・ジエイン)政権による新たな経済政策パラダイムヘの転換があげられる。
当選直後から、文政権は経済不平等の克服を重要な政策課題と提示し、「人が中心となる国民成長の時代を開く」ため「所得主導の成長」を主要経済政策の方向として打ち出した。
「所得主導の成長」とは、質の良い仕事を提供することで家計の所得と消費を増やし、これが企業の生産と投資の増大、ひいては国家経済の健全な成長につながるという好循環経済のビジョンである。
文大統領は、選挙期から「2020年最低賃金1万ウォン(約1千円)」を公約として掲げ、政権交代後にも「所得主導の成長」の核心政策として最賃引き上げを強調し、家計所得の増大を試みている。
なるほど、アベノミクスとは正反対の発想。
大企業と富者が儲かるように経済をまわせば、いずれは底辺の労働者にも、おこぼれがまわってくるというトリクルダウン論はとらない。
真っ先に、最底辺の労働者の賃金を押し上げることで経済全体の活性化をはかろうというのだ。日韓、まったく逆の実験が進行していることになる。こんなことは初めて知った。これなら、韓国の民衆は、自分たちの政府、自分たちの政権と考えることができるだろう。日本の大企業が、安倍政権を、自分たちの政府、自分たちの政権と考えている如くに。
(中略)
続く記事によると、実のところこの政策はけっして政権の独走ではない。「最低賃金1万ウォン」の要求は、韓国で高い支持を得て、労働運動の主要テーマとなっているのだという。17年6月には、「最低賃金1万ウォン」を求めるストライキに多くの参加があったともいう。
(中略)
それにしても、われわれは(私は、というべきか)韓国のことを知らな過ぎる。これほどに学ぶべきことが多いにもかかわらず、である。
(2018年4月28日)
————————————————————————
配信元)
異次元緩和の失敗、明らかに 無理な日銀政策、正常化をhttps://t.co/hr2o0PUIQk
— 藤原直哉 (@naoyafujiwara) 2018年4月27日
アベノミクス「3本の矢」 | 首相官邸ホームページ
— baribari (@jinkebaribari) 2018年4月29日
国民に何ら説明も無く、いつに間にかひっそりと旗を降ろした安倍晋三
↓↓↓https://t.co/iBbfdzORZd pic.twitter.com/sUUg4RyKpH
韓国は日本より一足先に、非正規雇用の増大が社会問題となっていましたが、この度、最低賃金が一気に14%も引き上げられました。東京都の最賃引き上げ率2.79%と比較すると5倍にもなります。この効果は大きく、これまで厳しい労働条件であった若年層、高齢層、女性、非正規労働者に好影響となる見込みです。
こうした施策の背景には、文政権による新しい経済政策がありました。文大統領は当選直後から、経済不平等の克服を重要課題として「所得主導の成長」を掲げていました。
これは「質の良い仕事を提供することで、家計の所得と消費を増やし、これが企業の生産と投資の増大、引いては国家経済の健全な成長につながる好循環経済のビジョン」とあります。市井の人々が豊かになることで国全体も豊かにしようとする、これぞまさに経済だと涙ぐんでしまう政策ですが、それを画餅にせず実施したのでした。
このような指導者であれば、いずれ機が熟せば最高賃金の設定をも実現してしまうかもしれませんね。
さあそこで、嫌でも比べてしまうアベノミクスです。
大企業と富裕層が儲かれば、いずれ底辺の労働者にもおこぼれが回ってくるという傲慢極まりないトリクルダウン論でゴリ押ししてきましたが、アベノミクスの失敗はこれまで多くの指摘するところ、ついに日銀も白旗を上げたようで、2%インフレ目標を撤回しました。
国民のことなど眼中にない安倍政権と共に「日本すごい」の妄想を捨て、謙虚に他国を参考にし、焦土から復活をする、できるはず日本。