注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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配信元)
沖縄県では2月24日に辺野古移設のための埋め立ての賛否を問う県民投票が行われる。ところが宮古島や宜野湾など埋め立てに賛成とみられる市長は県民投票をボイコットしようとしている。県民の最も貴重な民主的手続きを市長の判断で止めてはならない。彼らは県民投票の結果を意味無いものとしたいのだ。
— 鳩山由紀夫 (@hatoyamayukio) 2019年1月6日
「住民投票を行わない自治体」とは、つまり「本当の民意が公になると都合が悪い自治体」ということ。
— きっこ (@kikko_no_blog) 2019年1月5日
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玉城沖縄県知事「県庁一丸」呼び掛け 経済施策・新基地阻止・県民投票
引用元)
琉球新報 19/1/5
玉城デニー沖縄県知事は4日、県職員向けの年頭のあいさつをした。(中略)政府が昨年末に土砂投入を強行した米軍普天間飛行場の辺野古移設に対し「多くの県民が反対の意思を示しているにもかかわらず、沖縄防衛局は違法な土砂投入を続けている」と批判し、基地負担軽減に向け職員一丸となるよう呼び掛けた。
2月24日に実施する辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票については「県民一人一人が意思を示すことは自治の在り方においても大変意義がある。県は県民投票条例の規定に基づき客観的かつ中立的に広報活動を行う」との立場を示し「職員も投票により意思を表明してもらいたい」と呼び掛けた。
(以下略)
2月24日に実施する辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票については「県民一人一人が意思を示すことは自治の在り方においても大変意義がある。県は県民投票条例の規定に基づき客観的かつ中立的に広報活動を行う」との立場を示し「職員も投票により意思を表明してもらいたい」と呼び掛けた。
(以下略)
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木村草太氏が緊急寄稿 「県民投票不参加は憲法違反」
引用元)
沖縄タイムス+プラス 19/1/7
(前略)
(中略)投票所の設置や投票人名簿の管理は、国や県よりも地元に密着した市町村が得意とする事務だからだ。つまり、今回の事務配分は、各市町村に投票実施の拒否権を与えるためではなく、あくまで県民投票を円滑に実施するためのものだ。
しかし、宜野湾市や宮古島市で、県民投票の事務処理を拒否する動きが進んでいる。この動きには、地方自治法・県条例のみならず、憲法の観点からも問題がある。
一番の問題は、憲法14条1項が定める「法の下の平等」に反することだ。一部の市町村で事務執行がなされないと、住んでいる場所によって「投票できる県民」と「投票できない県民」の区別が生じる。
(中略)
さらに、平等権以外にも、問題となる権利がある。
県民投票は、県民全てに開かれた意見表明の公的な場である。県民の投票へのアクセスを否定することは、憲法21条1項で保障された「表現の自由」の侵害と認定される可能性もある。
さらに、憲法92条の規定する住民自治の理念からすれば、「県政の決定に参加する権利」は、新しい権利として憲法13条によって保護されるという解釈も成り立ちうる。
(編集部・注)憲法13条 個人の尊重(尊厳)、幸福追求権及び公共の福祉
このように考えると、各市町村の長や議会には、県民の憲法上の権利を実現するために、「県民投票に関わる事務を遂行する義務」がある。 議会が関連する予算案を否決したり、長が地方自治法177条の原案執行を拒否したりするのは、この義務に反する。
(以下略)
(中略)投票所の設置や投票人名簿の管理は、国や県よりも地元に密着した市町村が得意とする事務だからだ。つまり、今回の事務配分は、各市町村に投票実施の拒否権を与えるためではなく、あくまで県民投票を円滑に実施するためのものだ。
しかし、宜野湾市や宮古島市で、県民投票の事務処理を拒否する動きが進んでいる。この動きには、地方自治法・県条例のみならず、憲法の観点からも問題がある。
一番の問題は、憲法14条1項が定める「法の下の平等」に反することだ。一部の市町村で事務執行がなされないと、住んでいる場所によって「投票できる県民」と「投票できない県民」の区別が生じる。
(中略)
さらに、平等権以外にも、問題となる権利がある。
県民投票は、県民全てに開かれた意見表明の公的な場である。県民の投票へのアクセスを否定することは、憲法21条1項で保障された「表現の自由」の侵害と認定される可能性もある。
さらに、憲法92条の規定する住民自治の理念からすれば、「県政の決定に参加する権利」は、新しい権利として憲法13条によって保護されるという解釈も成り立ちうる。
(編集部・注)憲法13条 個人の尊重(尊厳)、幸福追求権及び公共の福祉
このように考えると、各市町村の長や議会には、県民の憲法上の権利を実現するために、「県民投票に関わる事務を遂行する義務」がある。 議会が関連する予算案を否決したり、長が地方自治法177条の原案執行を拒否したりするのは、この義務に反する。
(以下略)
ツイートにあるように、一部の不参加表明は「民意が公になると都合が悪い自治体」であることを自白したようなものですし、またボイコットした市町村があることによって県民投票の結果自体を無意味にしたいという思惑もありそうです。
ここにきて、木村草太教授が「県民投票不参加は憲法違反」という強力なサポートをされました。
元々、県民投票の事務は県知事の権限ですが、実務的な投票所の設置や投票人名簿の管理などは「地元に密着した市町村の方が得意」という至極合理的な理由で市町村へ事務配分したものでした。
はっきり言えば、市町村に県民投票の拒否権はなく、投票を円滑にするためのお手伝いを任されただけなのに、一部の市町村が「いや手伝わない」と表明したわけです。
木村教授は、これが地方自治法や県の条例違反に当たるだけでなく、憲法違反の可能性もあるという指摘をされました。住んでいる場所によって投票という意思表示の権利が奪われるのは「法の下の平等(14条)」に反する、確かに。また投票行動の妨害は、県民の「表現の自由(21条)」の侵害にも当たり、さらに言えば「個人の尊厳(13条)」をも犯しているというプロの見解に、改めて全県実施への思いを強くしました。県民投票に反対の方々は、あっさり棄権すれば済むことで、他者の投票権まで奪ってはイケマセン。
玉城知事は、県民一人一人の意思表示を示す県民投票の意義を語り、紳士的に投票を呼びかけています。沖縄市長と宜野湾市長、時流を読むべし。