注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
(中略)
甲状腺は首の部分にあり、放射性ヨウ素が集まりやすい。国や福島県の公表資料には「がんのリスクは一〇〇ミリシーベルト未満で検出困難」「チェルノブイリ事故では一〇〇ミリシーベルト以上でがん発症」と記されている。
(以下略)
甲状腺被ばくリスクと等価線量
放射線による健康への影響を管理する際、一般的には全身への影響を表す「実効線量」という値が使われています。
甲状腺への被ばくは、この「実効線量」とは別に特定の臓器への影響を示す「等価線量」という値で健康への影響が判断されます。
甲状腺の等価線量で100ミリシーベルトという値は実効線量に換算すると4ミリシーベルトになります。
(以下略)
311直後、私はツイッターを使っていなかった。その為、これから綴る一連の話を、聞いた当時はツイートすることができなかった。間もなく、これから綴る話は「不当に不安を煽る悪意に満ちた話」として「デマ」扱いされ、綴る機会を失った。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
今日の新聞記事で、ようやく書けるようになった、のだと思う
以下の話が「不当に不安を煽る」「デマ」だとされたのは、全て東電原発事故を過小評価しようとする人たちにとって都合が悪かったからだろう。そういう人たちの中には、故意に過小評価しようとした人も、事故を小さい規模だと信じたい「善意の人」もいたのだと思う。が、結果、私は沈黙を強いられた。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
311直後、断片だけだが漏れ伝わってくる数字を見聞きして、チェルノブイリ原発事故の際の数字と比較できる材料(書籍)を持っていた私は、東電の原発事故が最低でもチェルノブイリ原発事故と同程度の、史上最悪クラスの原発事故だという事が理解できた。東電事故は最低でも原発3基の事故なのだ。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
以前に双葉町に住んでいた経験がある私は、実際に原発が大事故を起こした時に住民全員が避難する態勢など全く準備されていない事を知っていた。事故発生後得られた乏しい情報の中、1号機爆発前には全住民の避難ができていなかったことも知った。双葉町役場の避難場所は私が住む町の隣の川俣町だった。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
避難住民の被曝状況や、避難所に入る前の簡易スクリーニングの話も聞いた。汚染が深刻な人を除染する水や、着替えさせる服の準備がなかったので、スクリーニング基準を1万3千cpmから10万cpmに引き上げたことも聞いた。その場しのぎの、健康を無視した対応だった。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
幾つかの避難所で、子どもに対する甲状腺スクリーニングが実施されたことも聞いた。その中で100mSvに達する数値が出て「これ以上高い数字が出たらまずい」と、スクリーニングを1080人で止めさせた、という話も聞いた。(理由の部分は真偽不明だが)
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
その前後から、「今回の原発事故ではメルトダウンは起きていない」「チェルノブイリ原発事故よりも事故の深刻度はずっと低い」「避難指示地域以外は、平常の生活をするのが正しい」「避難指示地域の外で放射線を怖がるのは、周囲の人を不安にさせる悪い事だ」という話がテレビ新聞ラジオで反復された。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
比較してみよう。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
チェルノブイリ原発では1基の原子炉が爆発した。それだけだ。
東電原発では3基の原子炉建屋が爆発、1基が格納容器破壊、使用済み燃料プール4つが冷却不能になった。
深刻度はどちらが高いかわかるだろう。
東電原発事故のレベルが7に引き上げられる頃には、事故発生直後に避難指示区域から避難した人々の、避難途中の細部にわたる情報は、すっかりメディアの報道から消えてしまっていた。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
代わりに被災者が苦しい生活の中で「前を向いて」いる姿ばかりを、福島県庁の要望に応じてメディアは報じたからだ。
その中で、避難者の中の1,080人だけを甲状腺スクリーニングした結果だけが、甲状腺被曝の数値として残され、強調された。「なぜもっと多数を検査しなかったのか?」「この数値は被曝の実態を反映しているのか?」という疑問を、無理に置き去りにして、だ。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
そして2013年、東京オリンピック招致の安倍首相プレゼンテーションに繋がっていく。「原発事故による健康被害は過去も現在も未来も一切起きない」と。当時既に、高線量を被曝して作業ができなくなった原発作業員が多数いる事が明らかだったのに、だ。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
新聞もラジオもテレビも、組織として安倍首相のプレゼンを否定することはなかった。
— 宍戸俊則(shunsoku2002) (@karitoshi2011) 2019年1月21日
その時点で、日本の組織メディア、特に全国組織を持つメディアは、報道機関ではなく安倍政権の広報機関と化していた。
甲状腺の等価線量を実効線量に換算することには何の意味もありません(逆は別)。というか、ミスリードのもとです。吸入したヨウ素の概ね20%が甲状腺に集まるとされており、それが0歳児で3000Bqだった場合、甲状腺に100mSvのダメージがある。これが甲状腺等価線量です。等価線量同士で比較しましょう。
— nagaya (@nagaya2013) 2019年1月22日
チェルノブイリで甲状腺がんとなった患者さんの甲状腺吸収線量(=等価線量とほぼ同じ)を貼り付けておきます。 pic.twitter.com/9j1zHNQmh6
— 白石草 (@hamemen) 2019年1月21日
菊池さんの本日ツイート4連。東京新聞記事「11歳少女、100mSv被曝 福島事故直後 放医研で報告」についての反応。
— もうれつ先生 (@discusao) 2019年1月21日
結論としては、“甲状腺等価線量で100mSvを越えた子供がひとりいたからといって、なにがどうなるとういうわけではないのですよ”とのこと。 pic.twitter.com/UimdQo13kv
国の資料では、チェルノブイリ事故後を参考に100mSv以上の被曝で甲状腺ガン発症のリスクがあるとされ「100mSv未満」をリスクの基準にしていました。しかしチェルノブイリ事故後の小児甲状腺ガンは、100mSv以下が半数以上、10mSv以下でも発症しています。つまり、そもそもの基準が大甘でした。
また、福島での事故当時の甲状腺スクリーニングの状況を知っている人の証言では、100mSvに達する数値が出てしまったため、1080人に至った時点で意図的に調査を止めてしまったそうです。都合の悪い実態を明らかにするのを避けたとしか思えません。
国のトップが「アンダーコントロール」などという大ウソをつくだけあって、調査もその評価もデタラメなのでした。
ネット上では、専門家と称する人により「甲状腺の等価線量で100ミリシーベルトという値は実効線量に換算すると4ミリシーベルト」と、大した被曝数値ではないような印象操作が湧いています。
しかし、等価線量から実効線量への換算は意味なしと迷いを払って下さる方もあり、事故後8年経っても今だに正しい情報を選択する必要があるのは残念なことです。
「甲状腺等価線量で100mSvを超えた子どもが一人いたからって、なにがどうなるわけではない」などと、それが自分の子供だったとしても同じことが言えるのでしょうか、この冷血学者は。