実現不可能な新基地建設工事のために杭打ち7万6699本 〜 名護市大浦湾一帯へ

 繊細な沖縄のちゅら海に、おびただしい数の杭を打ち込む暴力的な工事が計画されています。
沖縄防衛局の想定では、当初、大浦湾護岸部で2万本、埋め立て部で2万本の砂杭を打ち込む計画でした。しかし追加調査の結果、地盤の強化のためにさらに護岸部を4万本に増やし、計約6万本必要と報告しました。ところが8日に判明した沖縄防衛局の報告書では、それらに加えてさらに浅瀬でも1万3千本以上の杭を打つ予定があり、現時点で大浦湾一帯に7万6699本もの杭をズタズタに打ち込むつもりです。
 むごい。仮に国がこの狂気の沙汰を強行したとしても、新基地建設が事実上不可能であることが判明しています。現在分かっている大浦湾の軟弱地盤は海面から約90m、この深さの工事は過去の実績が無く、専門家も実現に否定的です。しかも防衛局は、この「地盤改良工事」による大気汚染や水質悪化など環境汚染を認めていると言います。
 琉球新報は社説で、これまで何度も当初の予算を上回る追加報告を出し、総工費も完了までの工程も一切明かさない政府の「隠蔽とだまし討ち」に、このような「差別的で植民地のごとき」沖縄県への愚弄を他県の公共工事でも同様にできるのだろうか、と厳しく糾弾しています。
 布施祐仁氏は、沖縄配備の部隊が「1年の大半は沖縄を留守」にしており、抑止力の観点からも基地建設の見直しが必要とツイートされています。
冷静さのかけらもない安倍政権は、沖縄への弾圧を全国への弾圧の手始めとしたいだけのようです。

(補記・公開後、しんしん丸氏より「しかも90m杭打ちできる船が日本にない!」とのご指摘をいただきました。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/383172
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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浅瀬も くい1.3万本 軟弱地盤工事 計7.6万本 防衛局報告書で判明
引用元)


 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に関し、政府は、軟弱地盤がある大浦湾一帯の改良工事のために浅瀬でも1万3544本のくいを打つ予定であることが8日、分かった。船を使って海上から海底に打ち込むくいはこれまで、6万3155本であることが判明しているが、それに加えて浅瀬でも打ち込むため、くいは計7万6699本に上ることが明らかになった。金属性のパイプで地中に流し込んだ砂のくい(砂ぐい)を使って約65ヘクタールの地盤を改良する。浅瀬では砂ぐいを打ち込んで水分を抜き、地盤を硬くする「サンドドレーン」工法を用いる

(中略)

 防衛局の報告書では全ての地盤改良工事が3年8カ月で完了する工程が示されている。最大11隻の大型船が稼働することもあり得る過密なスケジュールだ。国内の地盤改良船の数が限られることなどから、現時点での試算より実際の工期は延びるとみられる。

 試算した工期通りに進めれば、大気汚染や水の濁りなど環境への負担が増すのは避けられない
(以下略)



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<社説>軟弱地盤深さ90メートル 不可能な工事は即中止を
引用元)
米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地は、完成など到底できない。それを裏付ける事実が次々に明らかになっている。

 一つは軟弱地盤の深さ、もう一つはその地盤改良工事に使う砂杭(ぐい)の多さである。いずれも政府が隠し続けてきた「不都合な真実」だ。
 国内に前例がなく、極めて不可能に近い埋め立て工事は民意に背くばかりか、血税の無駄遣いでしかない。新基地建設は即刻中止すべきだ


 名護市の大浦湾の軟弱地盤は(中略)海面から約90メートル(水深30メートル、地盤60メートル)の層にまで及んでいることが新たに分かった。

 地盤工学が専門の鎌尾彰司日本大学准教授によると、(中略)90メートルという深さの工事は難度が非常に高く、「地盤改良が可能かどうかも想像すらできない」との見解を示す。
(中略)

 もう一つ判明したのが砂杭の多さだ。防衛省は昨年末まで、砂杭の本数を護岸・岸壁部で2万本、護岸内の埋め立て部で2万本の計4万本と説明していた。
 しかし、最近の報告書で護岸部4万本、埋め立て部2万本であることが分かった。さらに、作業船が入れない浅瀬部分でも1万3千本以上の砂杭を打ち込む予定であることが明らかになった。総計は7万6千本超にも上る。環境破壊は避けられない
(以下略)

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配信元)


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