注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
意図せずして、分身が蜂の巣状態のヨーロッパを刺激しちゃったい
本日クレムリンに出回っている【ロシア連邦】安全保障会議(SC)の興味深い新報告書は、プーチン大統領にトランプ大統領と会う予定が全くない旨を裏付けてきており、【尚且つ】これは普通のことだと記していました。
【――というのも、】欧州連合が渾沌と激動に包まれた際には、干渉したと非難されないよう、ロシアとアメリカのトップは近代を通して、【常に】互いに一定の距離を保つようにしてきたのです。
――ですがイタリアのヴィアレッジョ市で開かれた「ヴィアレッジョのカーニバル」祭につめかけた60万を超える人々が「神帝トランプ」と呼ばれる50フィート近い像を目撃して大歓声を上げたことで、トランプは驚くべきことに、そして迂闊にも、【混乱の】渦中へと投げ込まれてしまったのでした。
――【怯えて】縮こまったヨーロッパの社会主義者連中の恐怖を煽るかのように、【像の】右手には青いツイッターバードが輪になって【柄を取り囲み】、ラテン語で「Dazi Vostri」、訳すと「あなた方の税金」とありました。
――そして刀身には、ラテン語で「Cazzi Vostri」と彫られています。
――実は言葉遊びでして、「お前らの知ったこっちゃねーよ」といった意味です。
なので製作者の意図としては、「Dazi Vostri」自体が「Cazzi Vostri」を暗示しているのだと思われます。つまり中国との貿易戦争を想起しつつ、「くらえ! これが貴様らの関税だ!」的な。
ちなみに100%放送禁止用語であろうイタリア語の「Cazzi」ないし「Cazzo」は、穏やかに訳しておきました(確かめたい方はググってください)。】
「ウォーハンマー40,000」という有名な古参の対戦ゲームのイメージだそうですが、ローマ皇帝になぞらえて月桂樹の冠も被っています。2月9日当日は雨模様だったそうですが、終わる頃には晴れてきたようで……これもトランプさん効果でしょうか(笑)。】
God Emperor Trump Conquers Italy.
— Bondi Surf ❌ (@BondiSurf) 2019年2月12日
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支持率がヤバイ
当該報告書によりますと、トランプ大統領は先週【の一般教書演説の中で】自分はアメリカを決して社会主義国家にしたりはしないと国民に誓いました。
――この宣誓で、直後には有権者からの支持率が23箇月中、最高の52%まで急騰したのです。
――そして既にトランプの支持率が【自国の】社会主義なトップの誰よりも遥かに高かった欧州連合【諸国】でも同じことが起こりました。
――たとえばフランスのマクロン大統領は支持率たったの27%ですし、英国のメイ首相は支持率たったの28%、そしてドイツのメルケル首相も支持率たったの29%【という有り様なのです】。
トランプ大統領が欧州連合で最も人気の高い欧米の指導者という【事実を突きつけられ】、ヨーロッパ中の社会主義の指導陣としては、これが来たる2019年の欧州議会選挙に【どのような】影響を及ぼすのかと恐怖で震撼【するしかない】、と当該報告書は説明しています。
――2019年5月23日から26日にかけて、現在28の加盟国にいる5億1,200万以上の人々を代表している欧州議会で、751名【もの議員】が選出されようとしているのです。
European elections 2019: EP download centre for visual material https://t.co/cdzWx5Rfjt #europcom pic.twitter.com/RudQFtrPcl
— Wolfgang Petzold (@WolfgangPetzold) 2018年9月6日
ヨーロッパ選挙:2019年5月23日~26日
お上にもメディアにも騙されないヨーロッパの人々
70年近くも独裁的な社会主義者による支配が続く中で暮らしてきたヨーロッパの人々は、2016年にトランプ大統領が選ばれたことに【すっかり】魅了されました。
――最初のうち、彼らの社会主義の指導陣やプロパガンダ・メディアは、【トランプなぞ】決して選ばれないと人々に言い【聞かせ】、選ばれると今度はアメリカ経済を破壊すると言う始末。
こういったヨーロッパの指導陣にとって何より不運だったのは、トランプ大統領が就任するや否や、近代史で稀に見る経済的な奇跡の一つを生み出したことだ、と当該報告書は指摘します。
――そしてこんにち、彼は米国をかつてない程の経済大国に押し上げてみせた訣で、高い税金と幾つものせせこましい規則で経済的に首を絞められて死にそうなヨーロッパの人々にとっては看過できない点です。
――フランスでは今や留まるところを知らぬ黄色いベスト抗議運動へと発展し、自国の社会主義的な指導陣にトランプの政策を追従しろと要求するようになりました。
――【抗議活動が13週目に突入した今月】イタリアへの入国を【フランス】警察によって阻止されるに至っています。
――何故彼らがイタリアに行きたかったかというと、トランプに対して「私はヨーロッパにおける貴方の最も親密な仲間となれる」と宣言したイタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相(ローマの政府を動かしている人物)の勢力に加わりたかったからだそうです。
アメリカの権力の中枢、ワシントンD.C.の米国議会は「キャピトル・ヒル」という丘の上にあります。「丘の上の輝ける街」はレーガン大統領の離任演説で使われ、元を辿れば聖書に行きつく有名な一説。しかもトランプさんは、アメリカ経済が好調だった同じ共和党のレーガン大統領に、良くも悪くも両陣営から比較されているためです。】
トランプを支持するヨーロッパの右派勢力
ヨーロッパの人々を独裁的な社会主義支配から解き放とうと、イタリアのサルヴィーニ副首相と共にトランプ大統領支持へと駆け付けるのは、今月後半にホワイトハウスでトランプと会う予定のオーストリアのセバスティアン・クルツ首相だ、と当該報告書は言います。
――そしてハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相も【同様にトランプを支持しており】、同国が【少子化により減少する労働力を補おうという】欧州連合の革新的な大規模移民政策を拒否する中で、ハンガリーの人々に子どもをもうけるよう奨励する政府の7人家族優遇計画を発表したところです。
詳しく書かずにはいられない面白い発想なので御紹介:
40歳以下で初めて結婚する女性は、全員が1億フォリント(35,320ドル位)を貸与されます。1人生むと三分の一が返済免除され、2人目で三分の二、3人生むと全額まるまる貰えてしまうという仕組み。また4人以上を育て上げた女性は、生涯に渡って所得税を全額免除されるそうです。
オーソドックスな家族向け住宅手当や託児所の拡大だけでなく、大型ファミリーカーの購入支援や、孫の面倒を見る祖父母への育児手当なんてのまであるとか。ハンガリーの国民の8割が政府の家族政策を支持しています。】
ですがヨーロッパの人々を独裁的な社会主義支配から解放しようとトランプ大統領が最も巧みに行ってみせた点とは、【ヨーロッパ】における大手【メディア】の左派プロパガンダを打ち破る報道機関を【人々のために】作り上げたことだ、と当該報告書は述べていました。
――その一方はトランプの筆頭補佐スティーヴ・バノンがヨーロッパ中で展開する「ムーヴメント」組織を通して。
――もう一方はゲイトストーン協会が支えています。
――【後者は】ヨーロッパ中を真実を報じる何百もの国家主義的ポピュリストのサイトで溢れかえらせており、トランプの国家安全保障問題担当補佐官であるジョン・ボルトンが率いています。
“Movement” to boost EU’s populists: July 31, 2018 -- #TheMovementFoundation #StephenBannon #Trump Donald Trump’s former strategist Steve Bannon plans to use a Brussels-based foundation named The Movement to support populist far-right parties in next… https://t.co/a83jBYvyLI pic.twitter.com/AQ0OiDHBXH
— Graphic News (@GNgraphicnews) 2018年7月31日
【画像タイトル部】
スウェーデン民主党から2議員、デンマーク国民党から4議員、ギリシャの黄金の夜明けから2議員、ハンガリーのヨッビクから3議員、ギリシャの急進左派連合から6議員、スペインのポデモスから5議員。
大量虐殺のナチス再来
ヨーロッパを独裁的な社会主義支配から解き放とうとしているトランプ大統領とその仲間たち【を突き動かす】最大の懸念とは、歴史を通して、社会主義のポリティカリー・コレクトな【=過度な“政治的公正さ”を追求する】アイデンティティ政治の行き着く先は大量虐殺であることを【よく】分かっている点だ、と当該報告書は説明しています。
――これは国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が前世紀に示したのがいい例でしょう。
【――】資本主義を破壊しようとヨーロッパ中で猛威を振るい、何千万もの人々――とりわけユダヤ人として生まれたがために“嘆かわしき連中”と見做された人々の死を招いたのです。
――【こういったことが】再び起こってしまうのではないかとの懸念は、ドイツの有力紙フランクフルター・アルゲマイネ【・ツァイトゥング】ですら指摘するほどで、「EU版ナチスなのか?」[英語版]と題したオプエド【=論説】で“送電軌条”にはっきりと触れ【※多分、「送電軌条(ないしは第三軌条)」=「裸の給電用レールなので感電するから触れたら命取り」=「これまでドイツではアンタッチャブルだったナチス系の話題に真っ正面から触れ、」という譬喩だと思います】、ドイツが支配している現在の欧州議会が国民社会主義ドイツ【労働者党】の直系の拡張として理解すべきなのではないか、と率直に考察していました。
欧州連合で社会主義が再び完全なナチス主義として花開くのではないかとのこういった懸念を裏付けるかのように、フランスでは黄色いベスト抗議活動家たちに反対する極【左】社会主義勢力がユダヤ系の人々や記念碑や企業への攻撃運動を展開するようになりました。
――最もぞっとさせられたのは、パリのユダヤ系パン屋【のショーウィンドー】に「Judan」【※ドイツ語で「ユダヤ人」という意味ですが、フランスなのでナチスをすぐに想起させる訣です】という単語がスプレーで書かれた瞬間でした。
――しかもこの卑しむべき行為をアメリカの社会主義【政党】、民主党に所属する下院議員イルハン・オマールは驚くことに支持し、ユダヤの人々に対してツイッター上で前代未聞の暴論に至ったのです。
Ilhan Omar’s Dilemma: AIPAC, Zionism and the Politics of Weaponized Identity https://t.co/kbpSrj35U4 pic.twitter.com/GzohhgQwbq
— Kevin Ray (@raymieraid1996) 2019年2月18日
彼女たちと史上最年少のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、昨年末に初当選してから一躍時の人になりました。イメージとしては、騒がしいだけで政治ド素人な小泉チルドレンみたいな感じ。】
https://t.co/DaTrLWis8a pic.twitter.com/tp3uKEa4Li
— ❌ :PREDRAG :SAINT-GERMAIN... ❌ 🇺🇸 ✝ (@OWN_YOUROWNBANK) 2019年2月13日
1927年5月1日、アドルフ・ヒトラー:
黒幕ソロスがご登場
トランプ大統領がヨーロッパの人々を社会主義の独裁から自由にしようとするのを、何がなんでも阻もうとしているのがグローバリストで社会主義者の超億万長者ジョージ・ソロスだ、と当該報告書は締めくくっています。
――第二次世界大戦中は自らも認めるナチスの協力者であり、1992年にはイギリス経済を破滅させるために「ブラック・ウェンズデー」の陰の首謀者となり、2016年にはヒラリー・クリントンと彼女の民主党を舞台裏から操る“傀儡師”となった人物です。
――ですが今や、もうすぐ訪れる事態にビクつきながら暮らしているようで、それは先日の彼の言葉からも窺えることができます。その一部【を抜粋すると】:
もしそうしなければ、欧州連合は1991年のソビエト連邦の道を辿るであろう。
我々を代表する者たちも、一般の市民も、【誰一人として】分かってはいない。【現在】自分たちが革命的な瞬間を体験していることも、何が起こるかの選択肢は非常に多く拡がっているが故にやがて訪れる結末は大変不確かなものだということも。
次の変曲点は、2019年5月の欧州議会選挙となる。残念なことに、反欧州【連合】勢力が投票では競争優位を享受する。
【……】親欧州【連合】側の諸政党は、自分たち自身の利益よりもヨーロッパ【全体】の利益を優先させない限り、5月の選挙でどうして勝者として擡頭しえようか。EUを根本から新たに作り直すためだと、EUの保持を論じることは可能かもしれない。だがそれにはEU【=親EU派の諸政党】が【事態の深刻さを自覚して、】心を入れ替える必要があろう。
現在の【EUの】指導陣は、ソビエト連邦が崩壊したときの【ソ連共産党】政治局を想起させる――まるでそれが未だに意味を有しているかの如く、【次々と】Указ【=勅令】を発布している様子がだ。
"#GodEmperorTrump" Conquers #Italy While Terror Stricken #EU #Socialists & @georgesoros Cower In Fear- https://t.co/PwfH1Zgm9f #MEGA @POTUS! pic.twitter.com/M4U7KKSRp6
— American Freedom (@AmFreedoms) 2019年2月12日
ジョージ・ソロス:ナチスの協力者
翻訳:Yutika
註:原文中、赤字で強調された部分は濃い青字に色を変更しております(※下線付き水色部分は引用部分です)。青で強調された部分は、緑字に変更致しました。よって翻訳文で赤字になっているのは、シャンティ・フーラ独自の「10分でわかる」要約サービスです。
【 】内は訳者の追記部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して、見出しを加えており、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。
ちなみに「訣」という漢字は「わけ」とも読みます。詳しくはこちらのコメント欄後半の解説をご参照ください。
これまで個人的には、ネオコン戦争屋のジョン・ボルトンがイマイチ信用できなかったのですが、今回スティーヴ・バノンと一緒にヨーロッパのメディア戦略を担っているのを知って、かなり見直しました。
それにしても、今回のトランプさんの巨大山車はカッコよく仕上がっています。本文中の動画を視て頂くと、青い鎧を着たトランプさんのコスプレも、その前で凛々しく動き回っています。
2017年にも同じカーニバルでトランプさんが登場しましたが、相当えげつない作品でしたから、アメリカ大統領に対する人々の印象がヨーロッパで如何に変化しているか、如実に窺えます。
こりゃー仏独英の旧体制の指導陣にとっては恐怖でしかないでしょう。