鹿児島県の公立図書館が警察に個人情報を提供していた 〜 図書館司書がどんどん非常勤になっている状況下で

 鹿児島県にある4つの公立図書館が、県警からの任意の依頼を受けて、警察に利用者の個人情報を提供していたことが報じられました。捜査令状もないこのような依頼に、情報法の専門家は「読書履歴の報告に緊急性があるとは考えられず、思想・信条を調べるものであることは明らか」と指摘しています。
 これは南日本新聞の調査により判明しましたが、昨年12月には、苫小牧の図書館も警察に個人情報を提供していたとのニュースもありました。報じられていないだけで、全国的に行われているのではないかという疑念が湧きます。
ツイートにあるように「憲法を馬鹿にしきった政権下」ならではの怪しさです。
 図書館には「図書館の自由に関する宣言」というものがあることを知りました。戦前に図書館が思想統制に協力したことへの反省から、国民が主権者であると高らかに謳う理念を採択しています。専門的な司書の方々がどんどん非正規雇用になり、生活ができなくなっているというニュースを目にしたばかりでしたが、図書館の質の高さは「長期の管理に携わる司書がいて初めて成り立つ」とあります。このような形でじわじわと図書館の自律性が損なわれているのかもしれません。
(まのじ)
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配信元)









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図書館の自由に関する宣言
転載元)

   図書館の自由に関する宣言(抄)

 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

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