除菌大国・アレルギー大国ニッポン ~生活環境の無菌室化と激増するアレルギー

 世界の中でも、日本の清潔さはトップクラスといわれています。水資源が豊富なことから、シャワーやお風呂に入る頻度が高く、とてもきれい好きな国民性でもあります。
 また、テレビでは除菌消臭関連の商品CMがたくさん流され、スーパーやドラッグストアなどの店内には所狭しと除菌消臭グッズが陳列されています。日本は世界一の残留塩素濃度を誇る水道水があり、ご存知の通り塩素が細菌を殺します。便座には除菌ペーパー、汗対策には除菌スプレー。帰宅したら除菌ソープで手を洗い、殺菌薬でうがいします。自宅は、掃除機やエアコン、スチームクリーナー、空気清浄機でしっかりと除菌された無菌室空間のよう。そして風邪をひくと医者からは抗生物質を処方され、いつも食べるコンビニのおにぎりやざるそばは、防腐剤のお陰で一ヶ月はカビないそうです。公共施設やホテルなどでも「抗菌マーク」をよく目にします。
 このように、日本ではありとあらゆる様々な生活環境の中で、除菌がなされています。除菌は食中毒を防ぎ、さまざまな感染症を予防できるというのも事実ですが、必要以上に何もかも除菌してしまうことが身体に悪影響を与えてしまうことは想像だに難くありません。

 身体を無菌状態にしてしまうと、ちょっとしたきっかけで簡単につまらない雑菌などに占領されてしまいます。東南アジアやインドなどに旅行に行って、お腹を壊したり、コレラなどにかかるのは圧倒的に日本人だと言われています。
 またここ近年、アトピー性疾患がみるみる激増(In Deepさんのグラフ参照)しており、山梨大学医学部、免疫学教授の中尾篤人先生いわく、「実は日本は世界でも突出したアレルギー大国なんです。日本の20代大学生の血液を調べたところ、その9割がアレルギー予備軍であったという研究結果も出ている」とのこと。そして実際、国民の約2人に1人がアレルギーにかかっているという異常事態です。ほんの数十年前までアレルギー疾患は「ほぼゼロ」だったにも関わらずです。

 なぜこんなことになってしまったのでしょう。

 免疫力を決めるのは、腸内環境(腸内細菌)です。そこには全身の約7割の「免疫細胞」が大集結しています。その腸内環境を決定的に決めるのは、小さい頃の周囲の環境です。本来なら、自然の中におびただしく存在する様々な細菌やウイルスたちと共に、たくさんの「免疫作り」をしていくはずなのです。そのために必要なのが、細菌やウイルス、ダニの死骸、花粉、泥、土などなど。いわゆる「ありとあらゆる不衛生」であるはずです。

 コチラによると、今の子供が屋外で過ごす時間は20年前の半分で、8歳から18歳の子供は、1日平均7時間38分を娯楽メディアなどで室内で過ごすそう。そして9歳から13歳の子供で、自発的に外に遊びに行く子はたった6%!これでは、無菌室のような自宅ではもちろんのこと、外での「ありとあらゆる不衛生」と触れる貴重な機会までもが失われているのです。
 こうして、「ダニも花粉も細菌もウイルスも何もかも体験したことがないから、それらは敵」と見なされ、白血球が攻撃をしかけることになります。つまり「アレルギー発症」となるわけです。

 時には荒療治も必要なのかもしれません。アレを飲めば、「ありとあらゆる不衛生」などは実に取るに足らないものだと心の底から思えるのですが。。。

追記)アレルギーの原因には無菌室化以外にも、化学物質などの様々な要因が考えられます。本記事は、あくまでもアレルギーの一因として考えられる一推論に過ぎません。
(ぺりどっと)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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数百万の「無菌室」が導く崩壊:「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は
転載元)
(前略)
国民の約2人に1人がアレルギーにかかっている、という状態が異常でなくて何が異常かと思うのです(中略)...

下のグラフを見ますと、アレルギー疾患は「ほぼゼロ」だったのが、現在の「国民の何人かに1人」という状態にまでなったことがわかります。数十倍という増加ぶりで、これはガンの増加などよりも激しいです。

日本におけるアレルギー疾患の患者の推移

日本健康増進支援機構
(中略)
「本来、地上に生まれて、地上のさまざまな雑菌やダニやウイルスやカビや微生物たちと共生して、あるいは対抗するための抗体を体の中に作る」
という、幼少時の成長の中で最も大事な部分を、その幼い子どもたちは、
「生活の中で奪い取られている」

のです。
(中略)
子どもたちは、本来なら、自然の中におびただしく存在する細菌やウイルスたちと、これからの人生で共有していかなければならないたくさんの「免疫作り」を、自然の生活の中でなしていかなければならない。

それに必要なのは、細菌であり、ダニの死骸であり、花粉であり、ウイルスであり、泥であり、土であり、つまり「ありとあらゆる不衛生」であるはずです。

ところが「完全無菌室」で成長した子どもたちには、その力がない。
「不衛生と共生する経験がない」からです。

そうなれば、あとは必然的に、
彼や彼女たちの体は「ダニも花粉も細菌もウイルスも何もかも体験したことがないから、それらは敵」と見なし、白血球があらゆる自然界のものに対して攻撃をしかけることになり、すなわち「アレルギーが発症」します。
(中略)
石鹸やボディーソープを使うと、90%常在菌が流れ落ちるといわれています。若年層は12時間程度で再び常在菌が元通りになりますが、中高年では20時間と長い時間がかかります。
(以下略)


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【消臭・除菌スプレーを使うと老化が進む!? 】科学を身近に☆NewStream
引用元)
(前略)
消臭スプレーには思いもよらぬ副作用があったのです。
以下「家庭用品の危険と少しだけ食べ物語」より引用。

噴霧状で吸い込むと1万倍も毒性が強くなる
(中略)...スプレーの中に含まれる1/1000ミリ以下の霧状の化学物質の微粒子が、何時間も部屋中に漂い私達の身体にどんどん吸い込まれていきます。吸い込んだ薬剤は肺から吸収され、肝臓で分解されずに体内に回るので、食べ物と一緒に胃腸から吸収される場合より毒性が100~1万倍も強くなるのです。(中略)...
 
■頭痛や不快感、皮膚のかぶれが…
英・ブリストル大学の研究グループのマウス実験では、消臭スプレーに数多く含まれる化学物質が皮膚に浸透し、身体の抵抗力を弱める恐れがあることが実証されています。(中略)...
 
数多く使うと効果が消え身体への毒性だけが蓄積される
身体の中に除菌剤が侵入すると、白血球が除菌剤と戦うために、活性酸素が生じ老化を促進してしまいます。結果的に、皮膚を傷めることになるのです。また除菌スプレーを繰り返し使っていると、黴菌が薬剤に対して耐性を持つようになり、効かなくなっていくのです。反面、自分の身体へは毒性ばかりが蓄積していきます。
(以下略)
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子どもは意外と丈夫です 「清潔にしすぎない」が元気な体を作る!
引用元)
(前略)
現代の日本人の行きすぎた清潔志向は、かえって健康を損ねる結果にも。ちょっと汚いくらいがちょうどいい──古今東西のエピソードから、それが分かります。

【トリビア1】農家の子にはアレルギーが少ない!
アメリカに住む「アーミッシュ」は、家畜や動物を飼う昔ながらの生活を守り続けている民族。アーミッシュの子どもは都会の子どもに比べて花粉症が1/20、アトピー性皮膚炎は1/10しかいません。それは免疫系の過剰な攻撃(暴走)を抑制する「Tレグ細胞」が多いから。幼い頃から動物と触れ合い、多くの菌に触れていると、Tレグ細胞が増えて免疫が適正に働くのです。自然豊かないなかで動物と触れ合ったり、ペットを飼うのも同様の効果が期待できます。

【トリビア2】O157で症状が重かったのは「超清潔」な子だった
1996年大阪・堺市で起きた、病原性大腸菌O157の集団感染。その後の調査で、感染した児童のうち重篤な症状になった10%の子は、いわゆる「超清潔志向」の家庭の子で、神経質に育てられた子だったことが分かりました。(中略)...

【トリビア3】バリ島でコレラに感染したのは日本人だけ
1995年、インドネシアのバリ島に渡航した日本人の多くがコレラに感染しました。現代のコレラは感染力が弱く、症状も比較的軽い「エルトール型」というタイプなのに、200人もの人が感染したのです。しかも不思議なことに、他の国からの観光客もたくさんいたのに、これに感染したのは日本人だけでした。(中略)...

【トリビア4】日本の水道水の塩素濃度は世界一!
水の中に残っている雑菌を消毒するために、水道水には塩素が入れられていますが、日本の水道水の塩素濃度はなんと世界一。塩素は菌を殺すので、水道水をそのまま飲むと腸内細菌にも多大なダメージが。(中略)...

【トリビア5】妊娠中にトイレ掃除するとかわいい子が生まれる!
昔は便所は不潔な場所ではなく、命のサイクルが生まれる場所として大切にされており「妊娠中に便所掃除をするとかわいい子が生まれる」という信仰がある地域もありました。ママが菌にたくさん触れることで、お腹の赤ちゃんも健やかになる──昔の日本人は経験的にそれを知っていたのです。
(中略)
【トリビア7】出たばかりのおしっこはこの世でいちばんきれい!
菌がたくさんいる=汚いという意味で言えば、出たばかりのおしっこほどきれいなものはありません。健康な人の尿の96%は余った水分で、残り4%が塩類や尿素、ビタミンや色素。そして排尿直後の尿には細菌はゼロなのです。
(以下略)

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