ぴょんぴょんの「貧者が支える天下り」

毎年、今ごろになると、〈宝くじ〉のド派手なCMが流れます。
売り上げは減少していると聞きますが、「〈宝くじ〉が当たったら、これがしたい、あれが欲しい。」という声は減りません。
もし、〈宝くじ〉が犯罪組織を助けていたとしたら、
もし、〈宝くじ〉が銀行・官僚の天下りを養っていたとしたら、
たとえ高額当選しても、ほとんどの人が不幸になっていたとしたら、
それでもまだ、買う?
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「貧者が支える天下り」


かなり怪しい〈宝くじ〉の実態


〈宝くじ〉って、買ったことある?

Author:Ryosuke Sekido[CC BY]

おれは、一度もねえ。

ぼくはこないだ、3000円買って1000円当たったよ。
その1000円で、また〈宝くじ〉買うんだ。

ほお、3000円が1000円になったんか?
2000円は、どこに行ったんだ?
それでも挑戦するとは・・懲りねえヤツだなあ。
おめえはカネ持ちか? いやいや、ただのアホだな。

ひど〜い!

さては、〈宝くじ〉が、どんなに怪しいか知らないな?

だってだって、テレビで宣伝してるし、ぼくの知り合いはみんな買ってるよ。
それなのに、怪しいはずがないよ。

赤信号、みんなで渡れば、交通事故!


みんなで渡れば、「コワくない」だよ!

本当のことを言ったまでだ。

・・で、どこが、何が、怪しいわけ?
〈宝くじ〉は、ぼくたち庶民に夢を見せてくれる、希望だよ。

ふうん・・まず、怪しいのが抽選方法。

抽選方法?
みんなの目の前で、堂々とやってるじゃない。
テレビやインターネットで公開してるの、見たことないの?

おいおい、今の世の中、なんでもできるんだぜ。
遠隔で飛行機を墜落させたり、自動運転車を事故らせるなんざ、お手の物さ。



まさか、〈宝くじ〉の抽選が、遠隔で操作されてるとでも?

〈宝くじ〉の抽選は、クルクル回るルーレットに矢を放つ、あれだろ?
あの装置の開発に関わった人に「あのプログラムって遠隔のコードはあるの?」と、聞いたら「ありますよ」と答えたそうだ!
(グッドノージョブ)

ふうん、たった一人の意見でしょ、だからどうなの?

じゃあ、こいつはどうだ?
一口200円で、任意の3つの数字を書く〈ナンバーズ3〉。
ナンバーズの当選番号が、何かの手違いで、抽選前日に張り出されてしまった。
抽選の当日、その番号が当選番号だったことがわかった。
(グッドノージョブ)

3ケタなら当たる確率高いし、偶然かもしれないよ。
証拠写真もないみたいだし、見た人の錯覚とか?

いやいや何もなかったら、その〈宝くじ〉売り場がその日から閉店になって、その後、建物ごと撤去されることはなかったはず。
(グッドノージョブ)

ふうん・・・撤去されたのか・・・たまたまじゃない?

じゃあ、この話はどうだ?
2012年、読売新聞に載った事件。
ある男性に、情報会社の社員を名乗る男から電話がかかり、
〈ロト6〉の運営会社の内部情報を知ることができる」
「試しに明日の〈ロト6〉の当選番号を伝える」などと言われた。
翌日、男性インターネットで確認したところ、教えられた番号と一致していた。
男性が、情報料として450万振り込まされたのが問題らしいが・・・
そっちじゃねえだろ!?
(Kazumoto Iguchi's blog)


〈ロト6〉かあ、あれ、6個の数字を選ぶんだよね。
前日にわかるっていうのは、予知能力を持った超能力者じゃない?

ガア〜ン、そう来るか!
じゃ、おめえ、時事ブログで、読んだか?
「宝くじは賄賂にはもってこいのシステム」


いきなり、賄賂って言われてもねえ。

ある政治家に、多額の賄賂を送りたい。
元より銀行送金できないのは、当たり前、記録に残るからな。
かと言って、事務所を訪れて手渡したら、誰かに見られる。
そこで、〈宝くじ〉だ!
「お歳暮です」と言って、〈宝くじ〉を送る。

でも、それが当たるかどうか、わからないよ。
ただの紙きれを送るなんて、相手に失礼だよ。

時事ブログで紹介された、Web de 妄想塾によると、〈宝くじ〉にはこういう利点がある。
 1.税金がかからない
 2.出処が分からない
 3.当選番号のコントロールは簡単

「3.当選番号のコントロールは簡単」???

おれが、〈宝くじ〉関係者と知り合いだとする。
そいつに、おれが政治家に送った〈宝くじ〉番号を、高額の当選番号にしてもらう。

そ、そんなこと、簡単にできるわけ・・・?

「5億円」の当たりくじなら、「5億円」の賄賂を届けることができる。
しかも、「1.税金がかからない」「2.出処が分からない」。

でも、そんなこと、実際にやってたら大問題だよ。

この動画で、ZAITEN12月号「買ってはいけない! 疑惑の宝くじ」が、紹介されている。


なぜか当たらない「宝くじ」の背景、「もしかしたら」はかなり・・だった by榊淳司

「要約すると、発売された宝くじの3割が売れ残り、その中から当たりくじを出して胴元の誰かさんが当選してるかも?っていう疑惑です。
なぜなら、日本は海外と違い当選者の氏名は公表されず、税金の支払いもないから誰が当選しているかわからないからです。」(KINKOの幸せ配当金庫)

たしかに、当選者は公表されないけど、当選者の安全を考えると、それはいいことだと思う。

〈宝くじ〉の「残券整理」をやるのは、〈みずほ銀行〉グループの〈みずほドリームパートナー〉。
彼らは回収された〈宝くじ〉を機械にかけて、番号を読み取る。
したがって、売れた番号、売れ残り番号は把握されている。
(DIAMOND Online)

売れ残り番号を、当選番号にできるのかな?

「公正な」抽選の前に、当たり番号を知ってるヤツがいるとしたら?

ゾゾゾゾ〜 
それじゃあ、知らないで、せっせと〈宝くじ〉を買うぼくたちはバカみたいだね。

ZAITENに紹介された「疑惑の〈宝くじ〉販売支店長」も興味深い。
高知のイオンモールで、ロト7の1等【9億3358万円】が3口出た
総額【28億円】!
しかし、それから半年経たない間に、今度は島根で、立て続けに高額当選が出た
こちらは総額【17億円】!
同じ販売支店長が、高知から島根へ移動になっただけで、1年経たぬ間に総額【45億円】の1等が出たのだ。
(KINKOの幸せ配当金庫)

Author:Kaityu20[CC BY-SA]

え? わけわかんない、販売支店長が当たり番号を操作してたの?

おれも、わからんが、ただ怪しい。

でも、高額当選の人の話は聞くし、2〜3万円当たってる人はけっこういるよ。

一般人の当選は、偽装だな。


〈宝くじ〉の発売と売り上げの分配


でも、ぼくたちの住む地方自治体は、〈宝くじ〉からおカネもらってるんでしょ?
〈宝くじ〉によって建てられた公共の建物あるじゃない?
〈宝くじ〉で買った車も見かけるし。

そこら辺のこと、調べてみよう。
ではここで、質問。
〈宝くじ〉が売られているのは〈宝くじ〉売り場、
じゃあ、〈宝くじ〉を発売してるのは、次のどれ?
(1)日本宝くじ協会
(2)みずほ銀行
(3)地方自治体
(日本プロファイル研究所)

〈日本宝くじ協会〉?

ブッブー!!
正解は(3)の地方自治体です。(日本プロファイル研究所)


意外だね、発売してるのは地方自治体なのか。

じゃあ、〈宝くじ〉の売上金はどうなっているのかと言うと、
収益金の15%は、事務を担当する〈みずほ銀行〉の取り分になり、約40%が正体の知れない公益事業に使われている。
(BIGLOBEニュース)

「正体の知れない公益事業」・・・なにそれ?

そこら辺のこと、知りたいなら、もっと詳しく見ていこう。
数字がいっぱいだから、ゆっくり行くな。
まず、
2008年度、〈宝くじ〉の売り上げは【1兆419億円】だった。
〈宝くじ〉の分配方式「46:40:14」で分けると、
46% :【4792億円】 → 当選金
40% :【4167億円】 → 地方自治体へ
14% :【1458億円】 → 経費・・・〈宝くじ〉の販売手数料など

う〜〜〜ん、数字がいっぱいだ〜〜〜。

がんばれ! この先に行くぞ。
地方自治体へ支払われる【4167億円 】は、どこに行くのか。
それはまず、〈収益金〉として、〈宝くじ〉の「発売権限がある」都道府県と政令指定都市に支払われる。
(Business Journal)

地方の道路とか、公共事業に使われるんだね?


・・・残念ながら、全部じゃない。
地方自治体へ支払われる【4167億円 】のうち、【82億円】は、
〈宝くじ〉の「販売権限のない全国市町村振興・協議会」に配られる。

(Business Journal)

へえ、親切だねえ。
発売権限を持ってなくても、お裾分けしてもらえるなんて。

いやいや、そんな善意じゃない。
市町村がもらった【82億円】も、市町村がすべて使えるわけじゃない。
【82億円】のうち、【71億円】は、総務省所管の26公益法人に行く。


ええ?? 【71億円】も? 市町村にはほとんど残らない?

この「総務省所管の公益法人」こそ「正体の知れない公益」法人、いわゆる天下り法人だ。
「市町村の協議会は、公益法人に資金を流すトンネルの役割を果たしているわけだ。」(Business Journal)

ひええ〜 市町村の財源になると思ったら、天下りへのトンネルだった?!

その通り!
天下り常勤役員に対する平均報酬は【2.000万円】・・・地方の財源確保が目的の売り上げが、天下りの人件費など公益法人の運営に食われている。」
(まいじつ)


平均年収【2.000万円】だって? カネ持ち!!

どうだ?
おめえら貧者の一投が、天下り役人の優雅な暮らしを支えているんだぜ。

ひどい・ひどい・ひどい!!

さらに、まだある。

まだ? これ以上、何があるの?

〈経費〉と称するカネが【1458億円 】
のうち、【98億円】が、総務省所管の財団法人〈自治総合センター〉に、
【183億円】が〈日本宝くじ協会〉に支払われる。


〈経費〉というのは、実際に〈宝くじ〉を売る人たちの給料でしょ?
それがなぜ、財団法人に行くわけ?

知らんわ。ただここにも、同じ構図が見えてくる。
〈日本宝くじ協会〉からカネが支払われた59法人には、108人の官僚OBが天下っていた。(Business Journal)

108人! ガア〜ン! 除夜の鐘だ!


「行く年来る年」にはまだ早い!

だけど、〈自治総合センター〉〈日本宝くじ協会〉て、なにしてるとこ?

〈日本宝くじ協会〉は、〈宝くじ〉に関する「調査研究、普及宣伝」を行う機関。(日本プロファイル研究所)

そんな協会、いるのかな?

も一つ、あってもなくてもいいような〈自治総合センター〉
これは、民主党の仕分け会議で上がった話だが、当時ここの職員はたったの15人。
なのに、500坪(1650㎡)のオフィスに年間【1億8千万円】の家賃を支払っていた。(探訪あれこれ!!)

東京都千代田区内幸町? なんとまあ、一等地だよ。
ぼくたちが〈宝くじ〉を買ったおカネで、そんないいとこを借りてたんだね。

今までの話を簡単にまとめると、
「売り上げの3.3%に相当する【352億円】が 総務省が管轄する3つの団体に渡り、天下り組の同省OBの人件費に回る
わけだ。」
(Business Journal)

なんてこった! ぼくらのおカネは、天下りOBの給料になってた。


しかし、ここで終わりじゃねえんだよなあ。

まだあるの?!


“オモテ”で仕切る〈みずほ銀行〉と“ウラ”で仕切る〈日本ハーデス〉


そうだ、まだまだ先があるから、ちゃんとついて来いよ。
〈経費〉と称するカネは【1458億円 】だったよな。
ここから、〈宝くじ〉の販売者たちに支払われる手数料が【792億円】
そのうちの半分が、〈宝くじ〉販売の大手〈日本ハーデス〉(旧・日宝販)に行く。(Business Journal)

〈日本ハーデス〉?
聞いたこともない会社だね。

〈宝くじ〉を“オモテ”で仕切るのが〈みずほ銀行〉なら、“ウラ”で仕切るのが〈みずほ銀〉の親密会社、〈日本ハーデス〉だ。」(cakes)
実はこの〈日本ハーデス〉、〈みずほ銀行〉の前身〈旧・第一勧銀〉行員の天下り先だ。

また、天下り?!

〈日本ハーデス〉、実にあやしい会社でな。
〈日本ハーデス〉は、登記地に会社が存在せず、東京・九段にあるビルにグループ各社とともに本社を置いているものの ビルに全社の社名表示はない。
「そのくせ〈日本ハーデス〉の代表取締役は、すべて〈みずほ・フィナンシャルグループ〉の最高幹部出身者。さらに、子会社などの代表取締役もすべて〈みずほ銀行〉の元中堅幹部。」(まいじつ)

つまり、〈日本ハーデス〉と〈みずほ銀行〉はベッタリってこと!

〈みずほ銀行〉は、「みずほ銀行暴力団融資事件」で、裏社会にカネ貸してたり、積極的に韓国に融資していたり。


そういうグレイな〈みずほ銀行〉を支えているのが、限りなくブラックに近い〈宝くじ〉なんだね。

そうなんだ。
つまり〈宝くじ〉は賄賂にも使いやすく、その利権に多くの官僚や銀行員の天下りがぶら下がっていることがよくわかっただろ。

よくわかった! ここで一句、
「貧乏人、食うや食わずでゆめ託す、〈宝くじ〉こそ、悪のお財布」

じゃあ、おれも、
「一等地、家賃月に1000万、庶民が支える、ぜいたく三昧」

なあるほど! じゃあ、政治家が詠んだウタ、
「お歳暮に、年末ジャンボ〈宝くじ〉、あら大当たり、ウッシッシ!」

ハッハッハ! ええぞええぞ!
「一億円、〈宝くじ〉でふところに、入れても税金、払わずにすむ」

いいねえ! もういっちょ、行くよ。
「あらかんたん、パソコン操作で当たりくじ、自由自在に作れるわたし」

イヨッ! 待ってました!
「ハーデース、地下の冥王、〈みずほ銀行〉」

Wikimedia_Commons[Public Domain]
ハーデース

みんな、テレビのCMに踊らされないで、気づいてほしいね。

金欠のおれたちが、年収2.000万の天下り連中を養ってるバヤイじゃねえだろ。

そうだね、じゃ、ラスト!
「〈宝くじ〉、買って支える天下り、総務省から第一勧銀」。

パチパチパチパチ!


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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