「脳内の神経伝達物質は腸内細菌環境がコントロールしている」という研究結果から、これまで原因不明だった病気に光明

 In Deepさんの記事は腸内細菌がテーマになることが多く、腸内細菌ファンのまのじとしては目が離せませんが、最近、立て続けに胸のすくような記事がありました。
 これまで原因不明とされていた病気、例えばパーキンソン病や線維筋痛症の発症原因がどうやら「腸内細菌環境の破壊や変化」にあるらしい、というもので、例によって根拠となる科学記事を紹介しつつ、ご自身の体験に基づいた見解を述べておられました。
 まず、パーキンソン病は「脳内のドパミンという神経伝達物質が減少することで起こる」ことまでは分かっていました。一方で「神経伝達物質をコントロールしてるのは主に腸内細菌」であることも判明してきました。パーキンソン病もドパミンを造る腸内環境が破壊されたことで発症し、そしてその腸内環境の破壊は、抗生物質を多用したことが原因の可能性が高いそうです。おまけに病院で処方される薬の中で最も腸内細菌を破壊するのが「抗生物質」と「抗ガン剤」だとキッパリ。日本人でパーキンソン病にならない方が不思議ではありませんか。
 もう一つの記事では、にわかに注目されるようになった線維筋痛症という大変な痛みを伴う病気について、これも従来は原因不明とされていたものですが、やはり腸内細菌環境の変化が関係しているとの結果でした。記事では「『痛みを伴う原因不明の症状』は、ほとんど腸内細菌と関係するのではないか」とも考察されており、実際、InDeepさんは酪酸菌の効果を体感されているようです。
 個々人に合った腸内環境づくりは、想像以上に人生に影響するかもしれません。新年に向けてのキーワードはやはり「うん○」。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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原因不明とされてきたパーキンソン病の発症の原因が「抗生物質による腸内環境の破壊」である可能性がフィンランドの研究で判明
転載元)
パーキンソン病もまた腸内環境の変化で発症している可能性
これまで、「抗生物質によって引き起こされている可能性がある疾患」については、いくつかご紹介したことがありますが、フィンランドのヘルシンキ大学が、

パーキンソン病の発症の原因は、抗生物質の多用にある可能性

と発表しました


パーキンソン病は、手足の震え、こわばり、歩行困難などを伴う進行性の神経疾患で、脳のドパミンという神経伝達物質が減少することによって起きることはわかっていますが、なぜ、ドパミンが減少するかはわかっていませんでした。

つまり、「パーキンソン病は原因不明」とされていたのです。

ところが、今回の研究では、抗生物質を多く服用した人たちに、パーキンソン病の発症の明らかな増加が見られたことがわかったのでした。

研究者たちの見解としては、「腸内環境が破壊されることによって、発症に至っている可能性が高い」ということですが、これまで、

「脳内の神経伝達物質を作成して、コントロールしているのは主に腸内細菌」

であることが次々と判明していますので、ドパミンという脳内物質の産生とコントロールをしている「おそらく1種類の腸内細菌」があり、それが抗生物質で破壊されることによって、ドパミンの産生がおこなわれなくなるのだと思います。
(中略)

結局、パーキンソン病の予防として大切なのは「腸内環境を破壊しない」ということになりそうですが、病院で処方される薬の中で、最も腸内細菌を破壊することがわかっているのは以下の2種類となると思われます。

・抗生物質

・抗ガン剤


(中略)

腸内細菌の世界は、細菌と細菌の間に極めて複雑な関係性が存在するものですので、一度破壊されると、基本的には復活しないはずです。

大人の方々で、私のように、すでに腸内環境がある程度、破壊されているという自覚がある方については、いわゆる「腸活」でしのぐしかないと思われます。

(以下略)




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原因不明とされる疼痛疾患「線維筋痛症」の根本的要因は「腸内細菌環境の変化」であることがカナダでの研究により判明。病気と関係する細菌19種が特定され、治療への道が開く可能性も
転載元)
(前略)
女性のアナウンサーか何かの方が「線維筋痛症」になったという記事を読みました。私は日本のアナウンサーをほとんど誰も知らないですので、どのような方なのかはわからないですが、線維筋痛症については、以前から非常に厳しい病気だと認識していました

2007年頃には、やはり女性アナウンサーの方で、線維筋痛症を発症して自死された方もいたと記憶しています。

これは簡単にいえば、「痛み」の疾患なのですが、その痛みの激しさは、たとえば、線維筋痛症 - Wikipedia にある以下のような表現でも、多少ではあるにしても説明できている部分はあるのかもしれません。

[線維筋痛症] 症状
骨格筋の激しい痛みが、線維筋痛症の主な症状であるが、その激しさを表現するのに、「体の中で火薬が爆発するような痛み」「万力で締め付けられるような痛み」「キリで刺されたような痛み」「ガラスの破片が体の中を流れるような痛み」などと形容される

この病気の原因は、これまで「完全に不明」でした。

以下も線維筋痛症 - Wikipedia からの抜粋です。

[線維筋痛症] 原因
原因は不明であり、医師が通常行なう血液検査では異常が現れない。CTスキャン、MRIを検査しても異常を発見できない。また、この病気が診断できる特別な検査は2015年時点で存在しない。診断が非常に困難な症例が多いが、圧痛点による簡易的な見分け方が知られる。

このようなものだったのですが、実は最近、

線維筋痛症が、腸内細菌環境の変化と関係している
ことと、

80パーセント以上の精度で線維筋痛の診断が即座に確定できる可能性

が、今年、カナダの複数の大学と科学研究所の研究によって発表されていました。
(中略)

なお、先ほどの「線維筋痛症 - Wikipedia 」には、線維筋痛症と似たような症状を呈する疾患がたくさん挙げられているのですが、その中でよく知られたものとして、

・慢性疲労症候群
・過敏性腸症候群
・化学物質過敏症
・シックハウス症候群
・顎関節症


などが書かれてありますが、「これは線維筋痛症と異なる疾病概念である」とあります。

しかし、私は実はここにあるような原因不明の、自己免疫のようなことが関係しているタイプの病気は、「すべて腸内細菌環境と関係があると思っています。

そういう意味では、今挙げたような病気は、「線維筋痛症と同じ根本原因」かと。関係する細菌の種類が違うだけで、「腸内細菌の中の特定の種が損なわれる、あるいは増える」ことが根本的な発症要因となる。発症のきっかけそのものは、ストレスや身体と関係する何らかの原因があり起きるのかもしれないですが、根本的な要因は腸内環境だと思います。

というより、「痛みを伴う原因不明の症状」は、ほとんど腸内細菌と関係するのではないですかね

なぜかといいますと、「なぜ痛みを感じるか」という部分で、これは正しい医学的な表現ではないですが、大ざっぱにいえば「脳内の神経伝達物質が関わっている」というようなことが言えるとして、

「脳内の神経伝達物質は《誰が作っているか》」

ということと関係するわけです。
(中略)

「神経伝達物質を作り出しているのは腸内細菌」

なのです。

(中略)

これからの社会環境作りというのは、人間の基本的な健康システムである腸内細菌環境をいかに損なわないような生活を送ることができるかどうか、ということになるのではないですかね。

どれだけ医療が進んだとしても、腸内環境を毀損する過度な清潔、殺菌、抗生物質、その他の医薬品などに対しての代替を見つけていかないと、人間社会の不健康はさらに拡大するだけだと思います。

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