メキシコ便り(62):メキシコ危機対策の真の意図がやっと見えた!!!

 昨今、いろいろと世界の話題になっているメキシコですが、どれもロペス・オブラドール大統領独自のゆるがぬ精神の表れのような気がします。今回はメキシコのコロナの状況と対策、そしてロペス・オブラドール大統領のすばらしい語りを取り上げてみました。日本のことが出てきます。popoちゃんドキッとして、息止めて瞬き止めて耳ダンボで聞き入りました!

 コロナ感染広がっています。死者が多いです。原因は肥満です。メキシコ肥満大国世界2位。竹下先生がカファの人は要注意と言ってましたね。まさにそれです。厚生省は1月3日からコロナ感染対策準備に入り、2月末に最初の感染(アメリカの1ヶ月遅れ)、3月末から外出自粛が始まり4月末までの予定が5月末までに延期。4月22日に感染段階1、2、3の「3」に入りました。外出自粛をより強化ですが、強制はしません。メキシコのコロナ対策は、一見、中途半端でゆるいように見えますが、知れば知るほど、メキシコの格差社会を、国民性をよく理解した上でなされたメキシコにぴったりの策だということがわかりました。オブラドール政権は手荒い「強制」「罰」など一切行わず、このような「危機」のときも人権尊重を大切にし、「愛」をベースにした策であることもわかりました。

 ロペス・オブラドール大統領は、この世界的危機はネオリベラリズムの崩壊を示し、このモデルは失敗だったことを意味していると言っています。誇らしいことにメキシコは世界で最初にネオリベラリズムモデルから脱出した国の一つだったと。この危機で、メキシコは一切借金することなく無料医療の継続、社会福祉プログラムの継続、貧困・中間層への口頭契約ローン、さらなる公共投資、200万の雇用創出(9カ月以内に)することで、まず弱い者からがっちり守り、貧しい人から順に上70%まで救済することができると言っていました。大企業、銀行の救済は一切なし!国民全員に現金給付なし!

 そしてpopoちゃん、やっと やっとわかりました!オブラドール政権のやろうといている危機対策の本質がやっとつかめました!ずっと毎日の大統領プレス・コンファレンスと厚生省のコロナ感染報告記者会見を見続け、他のロペス・ガテル厚生副大臣のインタビューなどもみていましたが、オブラドール政権のやり方になんだかモヤモヤ。でも、今回、この記事のために紹介したかった大統領プレス・コンファレンスの動画の一部を訳しながら、初めて深い気づきがありました!

 メキシコが他国のように現金を配らないのは、お金がないからではない!

 この危機を助け合いの「愛」で解決してほしいから。。。
 メキシコ人に助け合いの「愛」にもう一度、目覚めてほしいから。。。

 ロペス・オブラドール大統領の意図の深さにあっぱれ!
(popoちゃん)
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メキシコ便り(62):メキシコ危機対策の真の意図がやっと見えた!!!

4月24日(金)のメキシコのコロナ感染状況


上図の右の数字訳:
   陽性累計      12,872名
   過去14日間の陽性  4,502名
   結果待ち       7,889名
黒   死亡         1,221名
   陰性        41,573名
黄土  テスト済み人数   62,334名

死亡者が多いのが気になります。メキシコのコロナ対策専門家チームリーダー、副厚生大臣ウゴ・ロペス・ガテルは、最初の頃からずっと言っていました。コロナ感染者で高血圧、糖尿病、肥満の人たちが亡くなっていると。。。

上のグラフタイトルの訳:併存症による死亡
(2020年4月16日 )
棒グラフ上3つの訳:
高血圧   43.42%
糖尿病   37.86%
肥満    32.72%


まさに、竹下先生の記事にありましたね。。。


メキシコは世界第2位の肥満大国。メキシコでのコロナ死亡率は世界平均6.9%(4月24日現在)より高く9.5%。popoちゃん在住のチワワ州の死亡率は21%。ファレス(テキサス州エルパソとの国境都市)は他のメキシコの都市に比べてはるかに肥満が多い。コカコーラなどの炭酸飲料をお水かわりに飲み、そのお供にチップス。そしてビザ、ハンバーガー、菓子パン大好き。。。これじゃ、腸内環境もやばそう。。。😱


肥満ランキング表
15歳以上の人口の肥満度が示されています。
メキシコはアメリカの次に肥満が多い。
日本は一番上!


メキシコはどのような新型コロナ感染対策をしているのか?


メキシコのコロナ感染対策は、感染ピークを和らげることを目的に、Sentinel surveillance(英語)Vigilancia Centinela(スペイン語)(厚生労働省の日本語訳によると「定点把握」という方法を使っています。テストで陽性になった感染者数に通常8〜12を掛けたものが実際の感染者(感染しているが病院に行っていない人も含める)とし、7つの要素を見ながらより現実的な感染状況把握、感染状況の予測、準備が2〜3%の誤差でできるとのこと。今のメキシコの感染数には8を掛けたものが実際の感染者数に近い数字らしい。4月8日厚生省のコロナ感染状況報告記者会見より)

濃いブルーがテストで陽性になった感染者
薄いブルーが定点把握方法によって見出した実際の感染者数に近いもの


時事記事で紹介された「ハンマー」と「ダンス」の記事によるとこの感染ピークを和らげるやり方のまずさをこう書いていました。

⚪︎曲線を平坦化することにより、ICUの崩壊が数ヶ月続き、付随的な損害まで増加します。
⚪︎「私たちはいくつかの緩和を行います」本当のメッセージは次のとおりです:「私たちは医療システムを故意に崩壊させ、致死率を少なくとも10倍にします。」

オブラドール政権の大統領プレス・コンファレンス、厚生省のコロナ感染状況報告記者会見を毎日みていて、「正直」「不盗」「透明性」をとても大切にしているので、故意に国民に不利になることをする政権でないという信頼感があるのですが、ICUの崩壊はたしかに心配。肥満多数だし、人工呼吸器もあちこちからたくさん取り寄せてるし、ものすごい死者が出てしまうことになりそう。😔

医療崩壊しているというフェイクニュースが流れる中、4月22日ロペス・オブラドール大統領はそれを否定。今のところ病院のベッド利用率は30%以下らしい。4月13日、私立病院は政府に3500床のベッド提供に合意、また政府の病院から送られたコロナ患者以外の患者を私立病院で無料で診療することにも合意し、国と私立病院も一致団結し、協力しながら最悪の事態に向けて準備しているよう。

UNAM大学のユーチューブ番組インタビュー(動画下↓)でメキシコのコロナ対策がより具体的に説明されていました。

ロペス・ガテル厚生副大臣の母校でもある
UNAM(ウナム)大学のユーチューブ番組でのインタビュー

メキシコは膨大な検査に反対「見えるものがすべてではない。見えないものも存在する」と言うロペス・ガテル厚生副大臣。反対の理由は、膨大な検査は非効率的でしかも結果が正確でないとのこと。検査結果を待っている間に感染して陽性になってしまうこともあると。。。(検査をたくさん買う予算は十分にあるのでお金の問題ではないと。)またスピード検査も反対結果が正確でないので、誤った治療をする恐れがあるので危険だと。

上のツイートの一部意訳:ロペス・ガテル副厚生大臣は
新型コロナウイルスを特定できるスピード検査はないと言った。

またメキシコはロックダウンにも反対ロペス・ガテル副厚生大臣によると2009年のメキシコで発症した豚インフルエンザの際、政府はすぐにロックダウンをしたが、全く効果がなかったらしい。効果がないどころか障害になったと。ロペス・ガテル副厚生大臣は当時、専門家の一人として対策チームメンバーだったそう。


メキシコは「Quédate En Casa」(家に居よう)をスローガンに、3月末から外出自粛をやってきていますが、政府によると予測どおりにうまくいっているとのこと。政府は州ごと市ごとにどれだけの人の動きがあるか全部把握しており、よく守れているところ、守れていないところを大統領プレス・コンファレンスで発表。来週月曜からは、大企業もだれが未だ仕事をさせているかどうかなど調べて発表する予定。ロペス・ガテル副厚生大臣によると「外出自粛」は実は個人よりも大企業に訴えていて、個人の小さなお店はそのまま継続してどうにか生き延びてもらう作戦だとか。



ということで、メキシコのコロナ対策は、膨大な検査はしない、ロックダウンしない、何も強制しない、一見、中途半端でゆるいやり方のように感じますが、よくよく調べて見るとメキシコをよく理解した上でのメキシコらしい策だということがわかりました。また「経済状況」と「感染状況」のバランスをとりながら(メキシコの50%は貧困、貯金をしている人も少ない)、なによりも人権を尊重しながら「愛」をもってやっている策だということもわかりました。

最後に4月21日ロペス・オブラドール大統領は、朝の大統領プレス・コンファレンスでこんなことを国民に語りました。このとき、以下の語りを訳していたとき、popoちゃんやっとメキシコ危機対策の真の意図がわかりました!

4月21日の朝の大統領プレス・コンファレンス

(1:02:00~1:09:00辺りの意訳)

「なぜメキシコは、この世界的経済危機と健康危機を乗り越えられるのか?それは、メキシコには豊かな蓄えがあるからです。先祖代々から受け継いだ価値観の蓄え、精神的な蓄え、道徳的蓄えがあります。幸せは、物質的豊かさと精神的豊かさが満たされることで得られると私たちは主張してきました。人はパンだけで生きていません。

今まで物質的豊かさが重要視されすぎました。その結果、個人主義、思いやりのない道徳的躊躇もない成功への熱望が高まりました。が、今は価値観の大切さが求められています。これこそが一番大切で永久的なものなのです。

前にも一度話しましたが、戦後、物質的にすべてを失った日本がどうやって復活したのでしょうか?日本人の価値観です。日本人の価値観こそが日本の復活を可能にしたのです。価値観こそが、これまでずっとメキシコ人を何度も惨事から救ってきました。なのでこの危機も私たちは乗り越えられるのは明確です。

このパンデミックで政府と私立病院が助け合っています。これこそ一致団結の見本です。このような例はたくさん起こっています。たくさんの人たちが自分だけの得を手放しています。大企業も解雇をせずに一致団結してくれています。これも一致団結の見本です。

この経験(危機)から覚えておきたいことは、私たちの価値観強化の必要性です。今、これまで以上に道徳的規定が必要なのです。アルフォンソ・レジェの道徳小冊子を思い出しましょう。家族への愛、隣人への愛、自然への愛、国への愛、これらはメキシコの道徳を強化してくれるのです。今まで道徳はほったらかしになっていました。今、お互いが助け合い、団結することの大切さが明らかになっています。幸せとは、名誉、名声、物を蓄積することではないことも明らかになってきています。幸せとは、自分自身に安らいでいること、自分の良心に安らいでいること、周囲の人に安らいでいること、ただそうすることで私たちは幸せになれる、それを今、明らかにしなければなりません。」

「お金があると助け合う必要がなくなる」っていうようなこと
たしか竹下先生がどこかでおっしゃってたなぁ。。。

ロペス・オブラドール大統領はそれを熟知され
今こそ、助け合いの精神に目覚めるチャンスだと!

一人が一人助けたら
みんなが助かることになる
かも!

世界は憶えています。
戦後の日本の見事な復活を✨
日本のすばらしい精神を✨

がんばれニッポン🇯🇵

¡Viva Mexico!
(メキシコ万歳!)

(popoちゃん)

Writer

popoちゃん

メキシコ人夫とメキシコ在住中♪
新アムロ政権の勢いある改革ぶりを中心に
「今のメキシコ」をお届けいたします!

体癖5・9、ピッタ・カファ、エニアグラム1


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