[東京都知事選] 山本太郎候補の「総額15兆円の都債発行」への批判に先手を打って答える大西つねき氏 〜 「借金はダメ」という間違った財源論の思い込みを解く

 7月5日に東京都知事選挙が行われます。
れいわ新選組の山本太郎候補は、公約に「総額15兆円の都債発行」を掲げています。これまで時事ブログで多く取り上げてきた金融システムの問題や、これからの経済のあり方を知る方々にとっては違和感のない訴えだと思われます。しかし、旧来の金融システムの枠内で考える人々にとっては、非常識、奇抜なことをぶち上げて人目を引く詐欺のように映ってしまうようです。
 大西つねき氏は、冒頭で「れいわ新選組だから応援するというだけでなく、この都知事選をきっかけに多くの人にお金の仕組みを理解してほしい。きっと都知事選の見え方が変わる」「多くの人々の生活の困難を解決する突破口が東京都になる」その可能性を語っています。大変わかりやすく、例えば「15兆円もの都債を誰が買うのか?」との予想質問への回答など、実に説得力にあふれ、ニヤリとしてしまいます。
経済全体のレベルでは「借金はダメ」「借金は返すべき」という思い込みは間違い。むしろ東京都のような優良自治体は都民を豊かにするために「借金をすべきだ」という理由を解説されています。
 今の金融システムは必ず終わります。終わらなければ地球が破壊されます。いかに速やかに変えられるか、それはいかに多くの人々が今、どんな牢獄システムの中にいるかに気づくことが鍵になります。
 山本太郎を気に入らないという方も、多くの人々を救う提案だという前提で偏見なく視聴していただければ良いなと思いました。

[追記]
6/27(土)16:00から知事選候補者の討論会があり、まさに「15兆円」について小野候補から質問されました。山本候補からは東京都の優良性、そして今は100年に一度の緊急事態であることも考慮した断固たる回答がありました。
必見。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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山本太郎都知事候補の15兆円都債発行を批判する前に知って欲しいお金の真実:大西つねきが徹底解説
配信元)


0:20〜
 山本太郎代表の立候補で一番注目されるであろう政策は「15兆円の都債発行」とそれによる財政出動という、大胆な提言。前代未聞だ。おそらく「未来へのツケ」など常識的な批判がくると思われるが、この機会に「お金の仕組みの真実」を理解してほしい。そうすれば山本太郎の政策の意義がわかる。
ビッグピクチャーを見てほしい。東京都だけでなく日本全体の生きづらさの解決に繋がる。世界的な変化の根本を知ってほしい。

3:35〜
 多くの人が古い「思い込み」にとらわれている
「借金は返さなければならない」と言う思い込み。確かに個人レベル、企業レベルでは、当たり前だ。
しかし「本当は借金は返してはいけない

経済全体のレベルで見た場合、全員が借金を返してしまうとお金は消える(お金は死ぬ)仕組み
とりわけ今は政府の借金は返してはいけない。
今、政府借金を今返すと大変なことになる。政府の財政と一般家庭の財政と一緒にしてはいけない。

地方財政は、これまで一般家庭と同じ限られたお財布の中でやると考えられてきた。それがこれまでの常識だった。地方債など誰も考えなかった。
15兆円の都債発行などできるのか



6:00〜
そもそも多くの人々がお金の仕組みを理解していない。
お金とは何か、お金がどうやって生まれているか
お財布の中に入っている現金はお金の本質ではない。ごく一部

今の日本中のマネーストックは個人企業団体合わせて1000兆円超。現金はごく一部の100兆円。
1980年代から2020年までで日本のマネーは800兆円増加している。「現金」が増えたのではなくほぼ「預金」が増加した

誰がどうやって増やした?日銀ではない。日銀はお金を発行しない。
民間銀行が「預金」を増やしている。 

9:30〜
銀行が人々の「預金」を増やすプロセスが理解できれば、お金の発行の仕組みの本質が理解できる。
(1人の人が 100万円の「預金」をすることから展開されるプロセスを図解で)
100万円の借金が経済活動で回っているうちに、1億円の「預金」という数字になる。これを「信用創造」という。現実には銀行はいくらでも信用創造できる。日本のマネー1000兆円は実体がなく借金で作られた数字があるだけだ
もしもすぐ返済した場合、お金が消える。預金と借金の数字が同時に無くなる。

16:50〜
「借金でお金が生まれるという今の金融システムでは、借金を返すとお金が消える」
もしも、みんなが同時にお金を返すとお金が全て消えてしまう、これは許されない
だけど個別には「返せ、返せ」と言われる。これは誰かが返済した分、別の誰かが借りていて全体として巨大な自転車操業になっている。永遠に借金が消えない

しかも元本だけの返済では済まない
皆が利息分余計に集めて返そうとする。そうすると元々世の中にあった元本分の「預金」ではお金が足りなくなる。誰かの返済が必ず不足し破綻する椅子取りゲームのようにできている。
破綻しないためには、誰かがさらに借金する必要になる。もっと多く、もっと多くの無限ループ


20:45〜
経済成長が続いているうちは破綻が見えない。しかしいつか経済成長が止まる。増やし続けるのはムリ
お金だけ増えても意味が無い。交換できる実態の価値がなければお金の意味はない。しかし実態の価値は有限。地球は一つしかない。


22:13〜
(日銀のマネーのデータを表にしてわかりやすい解説)
マネーストック(青)は増加の一途。
貸出残高(借金)(緑)は途中で増加が止まっている。
GDP(黄)も貸出残高と同様の推移が見て取れる。
借金は増え続けることはない。銀行の貸し出しには限界があるから。
借金が減るとお金が減るはず、、なのにマネーストックが増え続けている。
なぜか。代わりに国債(赤)が急増している。つまり政府の借金でお金を増やしてきたことがデータ上に現れている。

26:40〜
国の一般会計予算を仮に50兆円と考えてみる。
毎年50兆円の税収、予算は70兆円を組んだとする。不足の20兆円分を銀行に借金すると、、。
銀行は借金分の数字を書いただけで、民間の預金の数字を減らしているわけではない。
銀行は人々の預金を集めて、それを貸し出しているわけではない。誰の預金も一円も減らすことなく新たな貸し出し(数字)を生み出している。

30:00〜
70兆円の予算を執行した時、50兆円の税金分に20兆円増えて、それが民間に戻ることになる。
民間には20兆円の「預金」が増える。経済の中の誰かが受け取っている。もしも人々に20兆円分届いていないとすれば、どこかにアンフェアな仕組みがあるか、ズルイ存在があるはず。
ここ20数年間、政府の借金でお金を発行し続けてきた。
これが国民の預金が1000兆円ということの意味。

もしも政府の借金を返済したら、道連れに国民の預金が無くなる。
「政府の黒字は、国民の預金の赤字」
になる。 
相手が政府だから貸し続けられる。民間には貸せない。
永遠に返せない借金を最後まで借りることができるのは政府だけ

借金が返せるというのは「幻想」に過ぎない。本気で返済するとお金が無くなるから。
返せない借金を「借金」と呼ぶこともナンセンス。
つまり今の金融システムが論理的に破綻している証拠だ

36:25〜
世界中の「借金をしないとお金が回らない仕組み」を改めることが究極の解決になる
大西つねきは2011年から、お金の発行の仕組みを変えるために政治活動をしている。
ただ一足飛びにはできない
これは世界を変えることと同じだから。

しかし、それが変わるまでの間にやるべきことがある。目の前で苦しんでいる人たちを救うためにできることがある、その一環で今回の都知事選の出馬だと思う

37:28〜
今、壊すべきなのは、間違った「財源論」
具体的には、
政府は財政健全化してはいけない
 するならば次善の策としての「財政出動」。
 借金を増やして真水として回るお金を増やす。

中央政府がやらないなら、地方政府がやる
 旧来の財源論にとらわれているとコロナ給付金でもたかだか10万円しか出せない。
 与野党の戦いではない。財政金融論の理解についての新勢力と旧勢力の戦いだ。
 その意味で、今回の都知事選の新勢力はれいわ新選組しかいない
 これまで地方債は禁じ手だった。しかし唯一それができる優良自治体は東京だけだ。
むしろ東京都は都債をやるべき、借金をすべきだ


41:50〜
「未来へのツケ」? 大間違い。借金は返してはいけない
 そのような「思い込み」と「間違った金融システム」の方が「未来へのツケ」になる。
こうした大きな意義を理解してほしい。

43:00〜
ここからは予想される批判に対しての大西の私見を述べる。
れいわのマニフェストでも統一見解でもない。

地方財政法5条に、何に対して地方債が発行できるかという縛り、制限がある
それによると、インフラや地方債の借り換えなどの他、災害応急事業費、災害復旧事業費がある。山本太郎代表はこれを想定しているかもしれない。
この政策を都民が選び、東京都が実現すれば、新型コロナを災害と認めない国や法整備への影響もあるだろう

誰が都債を買うのか? 日銀が買うことがベスト
 日銀はすでに100兆円供給するつもりだと発表している。しかしCPや社債を発行できるのは一部の大企業だけで偏った供給になる。中小企業などくまなくお金を回すには都債の方が良い
 もしも日銀が買わなくても、日本の民間銀行は買うはず
「マイナス金利」で民間銀行の収益が悪化している。そうした中、国債よりも金利の良いはずの都債は喉から手が出るど欲しいはず。 問題なく消化できるはず。

都債を返せるのか?
大西の私見では「返さなければいけないのか?」返してはいけないものだが、さすがに太郎候補は言いにくいかもしれない。
本来であれば国が借金し続ける。地方政府も返してはいけないと思っている。
しかし具体的な対応として、毎年の利払いクーポンの他、4年後の元本償還をするが、その時、地方財政法の「地方債の借り換え」ができる。それを公約に掲げて4年後の選挙をすることもできる。
今回の都知事選で言えるかどうかはともかく、具体性はある。

・「借金はダメ」「ギリシャ化する」「未来へのツケになる」など今の金融システムを理解していない人々の的外れな批判の対しては、
「借金ダメ=お金ダメ」と言っていることと同じ。ここ大事
「借金でお金を作る仕組み」はダメだ。仕組みを変えれば良い。

よく語られるギリシャだが、ギリシャと日本とはそもそも比較できない。
日本は世界一の黒字国で、日本の国債70%は日本が持っている。円は最強の通貨で、日本の国債は今だに最優良資産だ。格付け会社は金融資本家のご都合でレイティングを変えるので気にしなくて良い。
同様に、東京都は日本一の優良自治体なので都債を発行したら、民間銀行はみんな欲しがるだろう

・最後に、できるかできないか? いつも懐疑派はいる。
 やるんです! 選挙で選んで任せて、後は知らんぷりでは世の中は変わらない。
今からみんなの常識を壊すような仕事をする。変えるのは我々自身。多くの人々と一緒にどれだけ努力したかが問われる。
山本太郎はそれができる

結局あなたはどうしたいのか?
一人のカリスマが変えるのではなく、一人一人が変わるしかない。
どうせ変わらないとみんなが思ってれば、確かに変わらない。

どれだけの人たちが変化を起こせるかで一歩が踏み出せる。
一緒に世界を変えようという話。

今の金融システムが続けば地球が滅びる。
必ず変わる。

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6月27日 わたしの一票、誰に入れる?都知事選候補に聞く10の質問 #都知事選候補討論会
配信元)

[44:30〜47:55] 小野氏の質問に対して

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