さらに最も注目すべきが、そもそもの「コンテンツ海外展開等促進事業」の予算要望をしたのは経団連、そして経団連が設立提言したNPOが事業を受託し、その事業の評価をしていたのが経団連というひどいものでした。今回のコロナ版の事務費委託先を開示請求したヒロ・マスダ氏に出されたのは、黒塗り文書でした。これも野党合同ヒアリングで取り上げていただくべき疑惑だと思われます。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
新型コロナ対策クールジャパン事業『J-LODLive』(878億円)の開示文書が届いた。何かと話題の基金管理法人の「事務費」については黒塗り開示。(*1週間公募、1件応募で委託)相変わらず都合が悪い情報は見せない経産省の姿勢、いい加減にしろ! https://t.co/9hPTksmZgU pic.twitter.com/yMSS7BKpi7
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) July 18, 2020
持続化給付金事業の事務費は国会議員のヒアリングで明らかになった数字らしいので、新型コロナ対策クールジャパン878億円の事務費についても是非ヒアリングを行って欲しい。国民の情報公開請求では経産省に都合の悪い情報は適当な理由をつけて不開示ができ限界があるようなので。 https://t.co/pgCJQFl7wJ
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) July 18, 2020
コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金交付決定通知書(新型コロナ緊急対策支援クールジャパン878億円=J-LOPLive)
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) July 18, 2020
「補助対象経費に配分及びこの配分された経費に対する補助金額は、申請書の記載のとおりとします」
「なお事務費の配分の詳細は不開示だ!」って?どういうつもりなんだ pic.twitter.com/q8CIqNeOv1
新型コロナ緊急対策支援クールジャパン878億円を交付する際に提出された映像産業振興機構の申請書、過去の同型同類のクールジャパン事業が「実績」として申請されている。
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) July 19, 2020
「事故なく完了」の実績は嘘、この事業では公文書を紛失させる「事故」を起こしている。それでも問題なく交付が決まる pic.twitter.com/6gibPyKsnv
映像産業振興機構が提出した助成金事務局の実績には自分たちへ20億円流用についての記載はない。広告代理店との癒着、補助金適正化法違反が疑われる区分外請求、残預金を国庫に返納する交付要綱に反し実態ないイベントに事務費使ったと報告、こんな経団連関連法人にクールジャパンマネーが流れ続ける pic.twitter.com/DhjZ2JuOXB
— ヒロ・マスダ / Hiro Masuda (@IchigoIchieFilm) July 19, 2020
(中略)
この事業は単年予算事業で、日本のコンテンツの海外展開にかかるプロモーション経費を最大で50%助成する補助金制度で、本書で問題を指摘する「コンテンツ海外展開等促進事業」と同系同類の経産省所管のクールジャパン事業になります。
(中略)
「コンテンツ海外展開等促進事事業」ですが、この事業を受託したのがNPO法人映像産業振興機構になります。
この映像産業振興機構とは、自民党の支持母体である経団連が設立提言を行い作られた法人になります。
さらに言及すると「コンテンツ海外展開等促進事事業」の予算要望を自民党政権に行なったのが経団連エンターテインメント・コンテンツ産業部会で、同部会長が映像産業振興機構の幹事理事を務めています。
つまり、支持母体の予算要望を受けて自民党政権が予算が成立させ、そうしてできたクールジャパン補助金事業の運営業務が、これまた経団連が設立設置を提言し、部会長が理事を務めるNPO法人に流れている構図になります。
(中略)
このように1週間の短期公募で、応募数は1件、公募結果はこれまでの事業と同じく映像産業振興機構が受託という結果でした。
(中略)
こうした経費と背景があるのにもかかわらず、新型コロナウィルス対策支援の”緊急性”にかこつけて、無駄が多いとの指摘から直近2年で予算を半減させられていたクールジャパン事業予算を30倍近く増やす必要がどこにあるのでしょう?
経産省天下り先確保?
メディアがらみでまたあの企業へ?
ヒロ・マスダ / Hiro Masuda さん
経産官僚についての著書がおありの映画関係のかたなんですね。
著書『日本の映画産業を殺すクールジャパンマネー 経産官僚の暴走と歪められる公文書管理』(光文社新書)