ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝53 ― 乗っ取られた米国 〜 金融支配

 これは『旧約聖書』の言葉ですが、100年余の長らくに渡って米国政府はまさしくこの状態にあったと言えるでしょう。
 1913年末に私有中央銀行のFRB(連邦準備制度)が創設され、ドルの発行権が私的に握られてしまい、米国政府はFRBの所有者に、借金することでしかドルを流通できなくなったのです。
 米国はディープステートによって支配操作されてきたと噂されますが、この噂は事実であり、当然でもあったのです。ディープステート=FRBの所有者と捉えれば分かりやすいでしょう。
 米国政府は、FRBの所有者から借金、つまり「金融支配」を受け、おまけに「情報支配」される中に置かれ続けたので、「奴隷になる」のは必然だったのです。それではFRBの所有者とは?  FRBを実質支配してきたのはニューヨーク連邦準備銀行です。そのニューヨーク連銀の株主として同じ情報がネットのあちらこちらに出ています(情報元はユースタス・マリンズでしょう)。それを見れば、簡単に言えば、FRBの所有者とはロスチャイルド、そしてロックフェラーだったと見て取れるのです。
 しかし、最近は状況が一変しています。何とも言い切れませんが、ベンジャミン・フルフォード氏のレポートにある通り、既に免許期間が切れたFRBは、もしかして本当に国有化されたのか?という気にもなります。
 ディープステート側の激しい抵抗が相変わらずあるのは勿論なのですが、FRBの内情が大きく変化しているのは確かです。米国、それ自体が大きく変化してきているのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝53 ― 乗っ取られた米国 〜 金融支配

米国の闇の金融戦闘史 〜ロスチャイルドと大統領の闘争


1913年のADL創設によって、米国での情報支配は完全になったと前回指摘しました。そして1913年に「情報支配」だけでなく「金融支配」による米国の「乗っ取り」支配も完成したといえるでしょう。

1913年末、実質の米国中央銀行であるFRB(連邦準備制度)が創設されたのです。米国の歴史とはその始まりから通貨発行権をめぐる暗闘、つまり「金融支配」の抗争の歴史でもあったのです。

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植民地アメリカは長期に渡り、豊かに活況の様相を見せていました。その秘訣は独自通貨コロニアル・スクリプ(植民券)の発行にありました。しかし、そのコロニアル・スクリプ(植民券)の発行権をイギリス東インド会社の所有者たちに奪われ、植民地アメリカは大不況に陥ってしまったのです。

ここでポジティブなテンプル騎士団の流れのフリーメーソンたちが独立の決意を表しました。通貨発行権を奪われたのが米国独立革命戦争の主因だったのです。

ただし、独立国米国の成立も通貨発行権をめぐる闇の戦闘史の一通過点に過ぎませんでした。米国の通貨発行権の独占を目論み、侵略攻撃に取り掛かった主力が初代ロスチャイルドを始めとするロスチャイルド一族です。この侵略攻撃に敢然と立ち向かったのがアメリカン・フリーメーソンの米国歴代大統領たちでした。

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この金融戦争、米国初代大統領ジョージ・ワシントンの就任式が行われた1789年の僅か2年後の1791年には、工作員アレグサンダー・ハミルトンなどを通じ、米国中央銀行「第一合衆国銀行」が、初代ロスチャイルドの目論見通りに創設されました。

しかしこの米国中央銀行は、主にトーマス・ジェファーソン大統領によって廃止されました。…と言っても「第一合衆国銀行」廃止も金融闘争史の一頁に過ぎません。

この後ネイサン・ロスチャイルドは、勃発させた米英戦争を利用して 「第二合衆国銀行」を1816年に成立させます。これに対し米国大統領も反撃します。

アンドリュー・ジャクソン大統領は暗殺攻撃を跳ね返し、1836年にこの中央銀行を米国から締め出すのに成功したのでした。


このように米国では、ロスチャイルドと米国大統領の激しい金融戦争が闇で繰り広げられたのです。この闘争の流れの帰趨がほぼついたのがアブラハム・リンカーン大統領時でしょう。

南北戦争でアブラハム・リンカーン大統領は、画期的な政府通貨グリーン・バックスを発行します。グリーン・バックス、これは銀行家の息の根を止めることのできる超絶ツールです。

しかし反面、グリーン・バックス発行のため、リンカーンは致命的な譲歩を銀行家にせざるを得なくもありました。1863年「国立銀行法」の制定がそれで、これによって アメリカの貨幣発行と政府債はセットになり、借金でしかドルは発行できなくなったのです。

更にこの「国立銀行法」を廃止しようとしていたはずのリンカーンは、1865年に暗殺されてしまったのです。これで金融戦争の流れはロスチャイルドの勝利でほぼ決まりました。

編集者訳:
アメリカ南北戦争(内戦)は、銀行エリート・ロスチャイルドによって仕組まれたものだった。
(中略)
エイブラハム・リンカーンは、国際銀行家に対するその防御資金を調達するために「グリーンバック」を発行することによって、アメリカのこの破壊に立ち向かった。
無利子で後に金(きん)に償還可能に。政府印刷。
☑銀行家たちはこれに我慢できなかった。 南軍降伏の5日後の1865年4月14日、リンカーンはゴールデン・サークル騎士団の一員であるジョン・ウィルクス・ブースに暗殺された。
☑註:「奴隷制」は戦争の背後にある原動力ではなかった。主な問題は、すべての戦争と同様に、誰が銀行と貨幣供給をコントロールしたかということだった。

「連邦準備法」の考案 〜ジキル島極秘会議


金融支配に対する頑強な抵抗へのとどめを刺すべく、米国にイングランド銀行をモデルとした私有中央銀行の創設を目論むロスチャイルドたち銀行家は、既に1907年に大恐慌と銀行危機を創出し、中央銀行創設に向けた仕込みを済ませていました。

そのような1910年、日韓併合のこの年、ジキル島で厳重警戒の極秘会議が行われました。その模様は次のようなものだったようです。

会議に参加したのは6人。米議会で金融改革を主導したオルドリッチ議員のほか、モルガン家やロックフェラー財閥など金融界から専門家が集った。ニューヨークからジキル島に向かう列車には6人の専用車が用意され、移動には偽名を使う手の込みようだった。

10日間の会議では、今のFRBの骨格となるアイデアが出そろった。中央集権を嫌う国内事情から「中央銀行という名前は使わない」。さらに「独立した15の地域支部をワシントンで管轄する」「金融危機時に最後の貸し手として機能するため、単一通貨を創造して管理する」ことなどが決まった。
(2017/12/8 日本経済新聞「ジキル島、FRB不信の原点」)

ポール・ウォーバーグ
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ヘンリー・デイヴィソン
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ネルソン・オルドリッチ
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チャールズ・ノートン
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ベンジャミン・ストロング
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フランク・ヴァンダーリップ
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エイブラハム・ピアット・アンドリュー
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ジキル島で開かれた極秘会議の出席者
ポール・ウォーバーグ:ロスチャイルド代理人。クーンローブ商会の共同経営者。
ヘンリー・デイヴィソン:J・P・モルガン商会の共同経営者。
ネルソン・オルドリッチ:共和党上院議員で院内幹事。全国通貨委員会委員長。J・P・モルガンの投資パートナー。ジョン・D・ロックフェラー・Jr.の義父。
チャールズ・ノートン:J・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンク・オブ・ニューヨークの頭取。
ベンジャミン・ストロング:J・P・モルガンのバンカーズ・トラスト・カンパニー社長。のちにニューヨーク連邦準備銀行の初代総裁。
フランク・ヴァンダーリップ:ナショナル・シティー・バンク・オブ・ニューヨーク頭取。ロックフェラーとクーン・ローブ商会を代表。
エイブラハム・ピアット・アンドリュー:連邦財務次官。通貨委員会特別補佐官。
THINKING LIVE」より抜粋

出席者で極秘会議を取り仕切ったのはポール・ウォーバーグ彼はジェイコブ・シフのクーン・ローブ商会の上級パートナーで、シフの義理の妹の娘と結婚しており、ロスチャイルドの代理人でした。

モルガン家もロスチャイルドの代理人で、ロックフェラーもロスチャイルドからの支援を受けていました。要はジキル島の極秘会議はロスチャイルドの代理人の会議と見ていいのです。

極秘会議でウォーバーグが起草した「連邦準備法」は、反対者の目をごまかすための偽装と工夫を加え、法案としてまとまりました。この法案を議会に提出する役割を担うのがオルドリッチ議員でした。

オルドリッチ議員が上院に上程したオルドリッジ法案、この法案を共和党は支持するのですが、実はこれは銀行家たちが考え出した陽動の囮作戦だったようです。

政界の有力者オルドリッチ議員はジョン・ロックフェラーの義父であり、ウォール街の代理人と目されており、銀行家の利益を図ると見られる「オルドリッチ法案」は強い反対にあうだろうと銀行家たちはみていたのです。

しかしその反対を利用し、むしろ「オルドリッチ法案」に注目させ、攻撃させることで「連邦準備法」を成立させようと、オルドリッチ議員と共々銀行家たちは謀っていたのです。

『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とシナリオ』によると銀行家たちは「オルドリッチ法案」提出を陽動作戦の“プランA”としていたようです。

連邦準備制度の創設(オルドリッチ法案)を非難する風刺漫画


「連邦準備法」成立の模様 〜操作されるウッドロー・ウィルソン


「連邦準備法」成立、つまりFRB(連邦準備制度)創設のためには、銀行家が自在にコントロールできる大統領が必要でした。しかもその大統領が銀行家の仲間だと見られたならば「連邦準備法」成立は困難であるので、むしろ銀行家と敵対していると見られる大統領の擁立が必要と銀行家たちは目していました。

1912年の大統領選で勝利したのは伏兵のウッドロー・ウィルソン。彼は金融トラストに反対する学者の活動家、つまり銀行家の敵対者でした。

しかし銀行家は、ウッドロー・ウィルソンは操りやすいと見抜き、その支援に回って数々の工作を行い、ウィルソンを大統領に押し上げました。

清廉潔白なイメージの民主党のウィルソン大統領と銀行家は、見た目にはやはり敵対関係にありました。しかし既にウィルソン大統領は自身の自覚もないまま銀行家のコントロール下にありました。

1913年、共和党が支持するオルドリッジ法案の反対者を演じる民主党は「オーウェン・グラス法案」を提出、オルドリッジ法案を攻撃します。実は民主党提出の法案が銀行家の本命の“プランB”で、「オーウェン・グラス法案」は「オルドリッチ法案」とほぼ同じ内容の「連邦準備法」だったのです。

ロバート・オーウェン
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カーター・グラス
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ウッドロー・ウィルソン
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民主党の法案に激しく抵抗してみせるオルドリッチ議員。同じ内容のプランAとBを敵対関係と見せかけ、あえてAを廃案させ、Bを通させる作戦だったのです。結果はAとBのどちらのプランが通っても同じです。この“やらせ闘争”の様相を『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とシナリオ』p115-116では次のように記しています。

民主党はオルドリッジが擁護しているのはウォール街銀行家の利益と金融トラストであり、自分たちが提出した「連邦準備制法」はこのようなトラストを破壊するであろうと主張した。

さらに、民主党の法案は地域が独立し、大統領が任命し、議会が審議し、銀行家が専門家意見を提起するといった、制限し合う、分権が分立した完璧な中央銀行制度であると主張した。

金融事情に疎いウィルソンもまた「連邦準備法」がウォール街銀行家による金融トラストを解体するものと信じ切っていた。

かくして ウィルソン大統領は「オーウェン・グラス法案」、つまり「連邦準備法」に署名、FRB(連邦準備制度)が認可されたのです。私有中央銀行の創設であり金融支配の完成です。時に1913年12月23日、上院議員の大半がクリスマス休暇で不在だった日でした。

「連邦準備法」成立の電撃作戦の陣頭指揮をとったのがポール・ウォーバーグだったと『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とシナリオ』では記しています。

大統領署名による連邦準備法制定を報じる
翌日12月24日付けの新聞
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ウィルソンの晩年の手記より(月刊ベルダ
私はうっかりして、自分の国を滅亡させてしまいました。大きな産業国家はその国自身のクレジット・システムによって管理されています。私はそのクレジット・システムを一点に集結させてしまいました。したがって、国家の成長と私たちのすべての活動は、ほんのわずかな人たちの手の中にあります。私たちは文明化した世界においての支配された政府、ほとんど完全に管理された最悪の統治の国に陥ったのです。もはや自由な意見による政府、信念による政府、大多数の投票による政府はありません。小さなグループの支配によって、拘束される政府と化してしまったのです。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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