福島第一原発の放射能汚染水は、陸上でのタンク保管ではなく、コストの安い海洋放出を政府が進めようとしています。日本から離れた遠洋で廃棄すればロンドン条約に抵触するため、経産省は福島近海での放出を模索し、逆に福島市は沿岸で放出した場合の漁業への影響を心配し、遠洋での投棄を訴えています。しかしいずれも海の環境破壊、国際的な損害賠償問題が発生することは必至です。しかも汚染水は「今のタンクが空になるまで」ではなく、この先「数十年」、原子炉が冷えるまで出し続け、海へも放出し続けることになるそうです。国内外の圧倒的な放出反対の要請を軽々と無視してくれる政府、東電のお金最優先の体質は、水俣病の公害に対する日本政府、企業チッソの姿勢と似ているとありました。「誰も責任を取らず、被害者を泣き寝入りさせるまで疲弊させ、データを取らず証拠を残さないで、御用学者を呼ぶ」ここまで教訓を得ていながら、同じことを繰り返させてはいけない。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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東電に要請 「原発汚染水、海に捨てないで」
引用元)
田中龍作ジャーナル 20/11/4
(前略)
「今月中にも政府が決定」との見方もある原発汚染水の海洋投棄。
「反原発自治体議員・市民連盟」が、きょう4日夕、東京電力に「放射能汚染水はすべてタンク等で保管して下さい」と申し入れた。
(中略)
東電や経産省にしてみれば、海に捨てるのが最も安価で手っ取り早い。
(中略)
福島市長の真意は「遥か遠洋で捨ててくれ」ということだろうが、廃棄物の海洋投棄を禁じたロンドン条約に抵触する。
だが陸からの投棄であれば「ロンドン条約に違反しない」というのが、経産省のスタンスのようだ。
(中略)
韓国や中国の沿岸で原発事故由来の核種が発見されれば、国際的な訴訟、あるいは外交問題になるのは必至だ。
(以下略)
「今月中にも政府が決定」との見方もある原発汚染水の海洋投棄。
「反原発自治体議員・市民連盟」が、きょう4日夕、東京電力に「放射能汚染水はすべてタンク等で保管して下さい」と申し入れた。
(中略)
東電や経産省にしてみれば、海に捨てるのが最も安価で手っ取り早い。
(中略)
福島市長の真意は「遥か遠洋で捨ててくれ」ということだろうが、廃棄物の海洋投棄を禁じたロンドン条約に抵触する。
だが陸からの投棄であれば「ロンドン条約に違反しない」というのが、経産省のスタンスのようだ。
(中略)
韓国や中国の沿岸で原発事故由来の核種が発見されれば、国際的な訴訟、あるいは外交問題になるのは必至だ。
(以下略)
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配信元)
新記事『東電に要請 「原発汚染水、海に捨てないで」』
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) November 4, 2020
韓国や中国の沿岸で事故由来の核種が発見されれば、国際的な訴訟、あるいは外交問題になるのは必至だ…https://t.co/IwsINSvG7n
東電本社前で抗議集会が開かれた。=4日、内幸町 撮影:田中龍作= pic.twitter.com/orKDHc4M1m
重要なことですが、汚染水をいかに処理してもトリチウムだけになるわけではない。セシウム、ストロンチウムなどもゼロにはできない。ただ「国の基準値を下回る」と東電は言っているに過ぎない。
— 烏賀陽 弘道 (@hirougaya) November 5, 2020
東電自身がHPでそう言っています。https://t.co/LMPGR6gFJ9 https://t.co/sbMRjCV9Q3
海洋放出は、今のタンクが空になれば終わるのではありません。3つのメルトダウンした原子炉が崩壊熱を放つ向こう数十年、ずっと汚水は出続ける。放出も続く。世界各地で漁業被害が出た時、外交問題になるでしょう。国際司法裁判所への提訴もあり得る。
— 烏賀陽 弘道 (@hirougaya) November 5, 2020
「MINAMATA」を撮ったアイリーン・美緒子・スミスさんが9年前に発信した【10の手口】から
— 永野三智 (@nagano_michi) March 3, 2020
1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3、被害者同士を対立させる
4、データを取らない/証拠を残さない
5、ひたすら時間稼ぎをする
続く
「MINAMATA」を撮ったアイリーン・美緒子・スミスさんが発信した【10の手口】続き
— 永野三智 (@nagano_michi) March 3, 2020
6、被害を過小評価するような調査をする
7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9、海外に情報を発信しない
10、御用学者を呼び、国際会議を開く
続く
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特集ワイド:かつて水俣を、今福島を追う アイリーン・美緒子・スミスさんに聞く
引用元)
毎日新聞 12/2/27
◇共通する「責任逃れ」「曖昧な情報流し」 繰り返してほしくない「被害者の対立」
「福島第1原発事故は水俣病と似ている」と語るのは、写真家ユージン・スミスさん(78年死去)と共に水俣病を世界に知らしめたアイリーン・美緒子・スミスさん(61)だ。今回の原発事故と「日本の公害の原点」との共通点とは何なのか。(中略)
(中略)
「原発事故が誰の責任だったのかも明確にしない。避難指示の基準とする『年間20ミリシーベルト』だって誰が決めたかすらはっきりさせない。『それは文部科学省』『いや、原子力安全委だ』と縦割り行政の仕組みを利用し、責任逃れを繰り返す。被ばく量には『しきい値(安全値)』がないとされているのに『年間100ミリシーベルトでも大丈夫』などと曖昧な情報を意図的に流し、被害者を混乱させる。どれも水俣病で嫌というほど見てきた、国や御用学者らのやり口です。」
(以下略)
「福島第1原発事故は水俣病と似ている」と語るのは、写真家ユージン・スミスさん(78年死去)と共に水俣病を世界に知らしめたアイリーン・美緒子・スミスさん(61)だ。今回の原発事故と「日本の公害の原点」との共通点とは何なのか。(中略)
(中略)
「原発事故が誰の責任だったのかも明確にしない。避難指示の基準とする『年間20ミリシーベルト』だって誰が決めたかすらはっきりさせない。『それは文部科学省』『いや、原子力安全委だ』と縦割り行政の仕組みを利用し、責任逃れを繰り返す。被ばく量には『しきい値(安全値)』がないとされているのに『年間100ミリシーベルトでも大丈夫』などと曖昧な情報を意図的に流し、被害者を混乱させる。どれも水俣病で嫌というほど見てきた、国や御用学者らのやり口です。」
(以下略)