迷惑、横暴、傲慢な組織委が看護師500人を動員要請、しかもタダで 〜 組織委はもとより日本政府も「国民の命よりお金が大事」

 五輪組織委の怪しさはこれまで山ほど見てきましたが、「しんぶん赤旗」のスクープには呆気にとられました。組織委は、4/9の時点で日本看護協会に看護師500人を医療スタッフとして動員するよう要請を出していました。要請文には、コロナの感染拡大に伴って看護職の確保が不十分な状況に至っているからとあり、まるで組織委は全国の看護師さんに十分な余裕があると思っているかのようです。
 大阪では重症病床が100%を超え、急ぎ看護師の派遣要請を発し、それに応えて近隣がなんとか1〜2名を「絞る出すように送り出して」いるという状況下で、500人差し出せと?しかも記事によれば「原則5日以上、早朝、深夜含めて9時間程度」「大会前の研修参加が必須」と厚かましい条件を並べた挙句にタダ働きです。コロナ感染拡大の恐れのある五輪開催のために貴重な医療者を取られるなど、日本看護協会はもとより日本政府も烈火のごとく怒って当然の場面です。なのに「国民の命よりもお金」をここまで露骨に見せられるとは。
 ついに見かねたのか、IOCのヘイリー・ウィッケンハイザー委員は、お金ではなく「公共の安全が重要な判断基準になる」医療や保険の専門家が五輪の開催を決めるべきと主張しました。国民を守るべき日本政府まで金の亡者と認定されているようで、情けないことこの上なしです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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看護師「5日以上を500人」 五輪組織委が看護協会に要請 本紙入手の文書で判明
引用元)
東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対して、看護師約500人を大会の医療スタッフとして動員するよう要請したことが24日、本紙が入手した組織委の文書から判明しました。新型コロナウイルスの感染拡大で地域医療に余裕がなくなっているなか、五輪に看護師を大量に動員すれば、医療現場の疲弊がさらに強まるおそれがあります
(中略)
大阪では新型コロナウイルスの感染拡大で命が救えない状況に直面しています。看護協会は大阪に看護師を応援に出そうとマネジメントをしていますが、それがどれだけ大変か。医療の現場では1、2人の派遣であっても「支援頑張ろうね」と絞り出すようにして送り出しています
(中略)
私たちの目の前には病気になっている人がいます。「オリンピック成功のため」という理由で、苦しんでいる患者さんの前から看護師がいなくなっていいのか。いまは新型コロナに立ち向かうべき時であり、オリンピックは中止すべきです。
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東京五輪、開催可否は医療専門家が決めるべき IOC委員
引用元)
(前略)
【4月24日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のヘイリー・ウィッケンハイザー(Hayley Wickenheiser)委員(カナダ)は、東京五輪の開催可否を決めるのは、選手でもIOCでもなく、医療専門家であるべきだと主張した
(中略)
同氏はテレビの放送契約やスポンサーのボーナスではなく、公共の安全が重要な判断基準になることを望んでいる
(以下略)

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配信元)

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