奈良市のとんかつ店「まるかつ」さんが始めた無料食堂が4年目に 〜 「働けなくてもお金がなくても生きていきましょうよ」

 奈良市に「まるかつ」というトンカツ屋さんがあるそうです。2018年に「ドキドキしながら始めた」無料食堂が4年目を迎えたというツイートに気づきました。どうしてもお金が足りない時「コソッと店長に相談」すれば、お腹いっぱい食べることができる、その告知のポスターも謙虚さと気遣いに溢れていました。小さな子どもが読めるようにひらがなのポスターまであります。
 いろんな事情で「今、数十円すら払えない人もいる」「もうさんざんお金で苦しんできた人が一瞬でもお金から解放されるための選択肢を提供させてもらっている」という、まるかつのご主人の優しさゆえの取り組みなのは容易に想像できますが、さらに一風変わったメッセージも秘めておられました。
「働かざる者、喰うべからず」「お金がないなら我慢すべき」という価値観の世の中にあって、まるかつさんは、さりげなく「働けなくても生きていきましょうよ」「お金がないことは尊厳とは別問題です」という逆のメッセージを発信するという爽やかな意思を持っておられることでした。お金の大切さを否定するのではなく、みんながお金にとらわれない生き方ができるよう望んでおられるように感じます。「料理人としては、食べていただけることは掛け値無なしにうれしいこと」と、ご自身の才能を人々のために差し出しておられる様子が美しいです。ご主人は、お金を払って食べに来てくださるお客さんあっての取り組みだと溢れるような感謝も綴っておられました。安倍菅政権に苦しめられる人々を陰でそっと支えておられ、奈良市に行けないけれども心から応援したくなりました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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「まるかつ無料食堂」スタートして半年後のご報告と御礼
引用元)
(前略)
Twitterでもご説明しましたが、無料食堂を「無料」とさせていただいたのには、シンプルな理由があります。それは、想像できない人も多いと思いますが、今、数十円すら払えない人もいる、ということです。もうさんざんお金で苦しんできた人が一瞬でもお金から解放されるための選択肢を提供させてもらっているつもりです。お金の大切さ、便利さを否定するつもりはありませんが、何でもお金に結びつけなくても……、と思う次第です。また、「無料の代わりに働かせるべき」というご意見をいただくことも多いですが、お客様をお迎えしている飲食店として現実的には難しいことですし(ご本人の心情を考えても)、もし「働かざる者、喰うべからず」「お金がないなら我慢すべき」という価値観がベースにあるとすれば、むしろ、私たちが「働けなくても生きていきましょうよ」「お金がないことは尊厳とは別問題です」という逆のメッセージを発信する意味でも「無料」ということでいいのではないか、という結論にいつも達します。
(以下略)
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配信元)

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