「実際の有事に戦える防衛力強化」という安倍元首相の方針を明確に排除した岸田政権の7/1の官僚人事

 去る7/1、「政府内で安倍元首相の影響力を削ぐ人事」が実行されていました。「その人事とは、第2次安倍政権において6年半にも及ぶ異例の長期にわたり総理秘書官を務めた、安倍元首相の腹心とも言える島田和久防衛事務次官の退任」で、この人事には安倍元首相も岸信夫防衛相も反対したとあります。にもかかわらず、日頃は検討に検討を重ねる「検討使」岸田首相が決断力を見せました。
 記事によると、冷戦時代の1976年に策定された「基盤的防衛力構想」という大綱があり、これは「必要最小限度の防衛力整備を行うとするもの」で、防衛力を保持することで敵を抑止し、実際の戦闘を重視しないものでした。しかし島田前事務次官は実際に戦うことのできる防衛力整備を唱え、安倍元首相との「タッグプレー」で基盤的防衛力構想を脱却し、代わって提示された「統合機動防衛力」の大綱を元に「宇サ電」(うさでん:宇宙・サイバー・電磁波)と呼ばれる「多次元統合防衛力構想」進めてきたとあります。記事では、今回の人事によって「実際の有事に戦える戦力強化」という安倍政権の方針が、「実際には戦えない張子の虎になってしまう」と懸念する結論となっています。先に閣議決定され国民から非難轟々だった「GDP比2%の防衛力強化」にも実のところ「官邸側は反発」していたとあり、だとすると、それに変わる岸田政権とその背後の今後の方針は不明なものの、これまでの安倍政権の防衛力強化の方向性は明確に転換したことに違いなさそうです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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日本の安全保障に暗雲、安倍氏暗殺前から官邸で排除されていた“安倍勢力” 島田防衛事務次官が退任、危惧される「基盤的防衛力構想」という亡霊の復活
引用元)
(中略)
(中略)この基盤的防衛力構想は、防衛力を保持することで敵を抑止することを重視し、実際に戦闘を行うことは必ずしも重視しないものでした
(中略)
(中略)島田前事務次官は、退任の弁で「有事に戦えなければ抑止力とならず平和を守ることはできない」と述べ、実際に戦うことのできる防衛力整備を唱えていました
(中略)
 2013年の基盤的防衛力構想脱却により、離島防衛に携わる水陸機動団の編成や弾薬の備蓄量増大など、実際の有事を強く想定し、実際に戦える防衛力整備がなされるようになってゆきます。

 2013年当時、基盤的防衛力構想に代わって提示された統合機動防衛力は、現在の大綱では「宇サ電」(うさでん:宇宙・サイバー・電磁波)と呼ばれる新たな領域での防衛を含む多次元統合防衛力構想となっています。

 実は、この“基盤的防衛力構想からの脱却”こそ、安倍元首相とその腹心防衛官僚である島田前事務次官が成し遂げたものなのです

(以下略)

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