[佐藤優氏] ウクライナ反転攻勢への分析 〜 アメリカはウクライナを勝たせるつもりはない / ロシアは日本の支援の実態を見抜いている「殺傷能力のある武器」を送らずに踏みとどまっていられるか

 日本の報道では、ウクライナの反転攻勢が始まり、7ヶ所の村を奪還した、ロシアの人的損失はウ軍の9倍などと伝えられているようです。ネット上で確認できる情報とは異世界のようです。そのような中、元外交官の佐藤優氏の「ウクライナ反転攻勢」について分析した動画が興味深かったです。
 最初に、ウクライナが奪還した7ヶ所の村は全部で90㎡、その分母となるロシアが占領しているウクライナ領地は125,000㎡、これで奪還が成功といえるのかという比較がありました。ロシアのメディアでは、今回の反転攻勢について西側の論評も伝えるなど、むしろ余裕があるそうです。
 さらに佐藤氏は、先頃ロシアの国営テレビに出演していたヨッシャ(ヤコブ)・ケドミー氏に注目されました。ケドミー氏はイスラエル人で「ナティーブ」という秘密組織の長官も務めた人物のようです。「反ソ反共活動で世界中に知られたシオニスト中のシオニスト」と説明されていました。そのケドミー氏ですら「ウクライナが勝つことはない」との分析です。なぜならこの戦いは「アメリカというスポンサーがウクライナを管理して、ウクライナを勝利させない構図での支援をしているから。アメリカの目的はウクライナを勝利させることではない。ウクライナを使ってロシアを弱体化させること。同じスラブ人の兄弟であるウクライナ人を使ってロシア人を殺させる形にする。」もしもウクライナを勝たせるつもりなら第三次世界大戦になることは避けられないとの認識です。
 "きちんとマニュアルを守る国家・ロシアが核兵器を使う可能性は2つあり、一つは先制核攻撃を受けた時で、これは第三次世界大戦につながるため、どこの国もやらないだろう。もう一つは「通常兵器の攻撃によってロシア国家が存亡の危機になった時」。ウクライナに、ウクライナが要望するだけの量と質の兵器を、ウクライナが要求するタイミングで行う時、ロシアは当然本土を攻撃し、これは核戦争になる。これをアメリカは避けたいので、ロシアの様子をうかがいながら、いろんな兵器を送るけれども、ロシアとの戦争にならない範囲でしか送らない形を取る"というものです。
 ここで重要なことは、アメリカが日本と韓国に対し砲弾とTNT火薬を要望していることです。これまでの日本の支援ではかろうじて殺傷能力のある武器を送っていません。日本が行った40億円の支援と70億円の借款猶予は、それぞれ日本の国力からすれば「高速道路800m」「高速道路1.4km」を建設する程度のもので、ロシアは問題視していなかったと見ています。また自衛隊車両100台は、佐藤氏の分析では新車どころか一旦廃車になったものを組み立て直した可能性が高く、それがロシアに対するギリギリのメッセージとなっているようです。ところがヒゲの隊長が「火薬は工事現場で使っているからいいんじゃないか」などと軽率な発言をし、本当に火薬などを送った場合、ここまで踏みとどまった努力が無駄になると厳しい指摘をされました。
 アメリカの言いなりの岸田政権は本当にひどい。しかしその下で日本を窮地に立たせないよう踏ん張っておられる官僚が存在するのかもしれないと思いました。今、日本がなすべきは武器支援ではなく、殺傷能力のある武器を送っていない国々で共同して平和調停を働きかけることだと具体的な提言をされていました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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「ウクライナが勝利する可能性はない」西側が考え始める時期 元イスラエル秘密組織長官が見解
引用元)
(前略)
 ソ連で、「ナティーブ」と連携してユダヤ人の出国問題に取り組んだのが、アンドレイ・サハロフ博士、ナタン・シャランスキー氏(後にイスラエルの政治家)とヨッシャ(ヤコブ)・ケドミー氏らだった。ケドミー氏は、KGB(ソ連国家保安委員会)に何度も逮捕された後、1969年にイスラエルに向けた出国が認められた。イスラエルでケドミー氏は「ナティーブ」に勤務し、92~99年には長官を務めた。外交官時代、筆者もケドミー氏と親しくし、ロシアに関する貴重な情報を得た。ケドミー氏は、2014年のマイダン革命以降、ウクライナにネオナチ勢力が台頭していると警鐘を鳴らし、ウクライナ東部でのロシア系住民へのウクライナ政府の弾圧政策を批判した。ロシアのウクライナ侵攻についてもやむを得ないという立場をとっている

 国営「ロシア・テレビ」の政治討論番組「ウラジーミル・ソロビヨフとの夕べ」は、ロシア世論に無視できない影響を与えている。2日未明のこの放送でケドミー氏がウクライナ戦争の見通しについて、こう述べた。
<NATOはロシアとの戦闘を死ぬほど恐れている。同時にNATOは自分たちが負けるとは思っていない。西側がNATOにウクライナを加えることはない。それがロシアとの戦争行動につながると理解しているからだ
(以下略)
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【新着】<佐藤優氏の情報源>2023年06月14日東京・永田町、東京大地塾<ウクライナ軍の反抗作戦分析>
配信元)


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