農水省が耕地面積に占める有機農業の面積が高いランキングを発表 〜 ダントツの1位は高知県馬路村の81%、2001年からJA馬路村の主導で有機栽培への画期的な取り組み

読者の方からの情報です。
 山田正彦先生が日本農業新聞の記事を紹介されていました。農水省が有機農業の取り組み面積の市町村別ランキングを初めてまとめたというものです。2021年度の耕地面積に占める有機農業の割合が最も高かったのは、高知県馬路村の81%でした。2位の山形県西川町の15%と比べても圧倒的です。馬路村では JA主導で2001年から「化学肥料・農薬・除草剤は使用しない」「ユズの栽培に関する化学肥料・農薬をJAは取り扱わない、販売しない」「山の落ち葉を入れて自然の力でユズを育てる」という画期的な取り組みをしていたそうです。消費者の共感も得て加工品のブランド化に成功し、売り上げを伸ばしたとあります。
 さらにJA馬路村は「有機栽培に準じた栽培暦を作り、ユズや木の皮から作った堆肥を無料で配布」したり「担い手のいない畑の管理も請け負う」など地域一体で有機栽培を後押ししたとあります。高価な農機具や農薬を売りつけるJAのイメージとはずいぶん違っていて頼もしいと感じました。
 一つだけ気になったのは、今回のランキングが農水省の「耕地面積に占める有機農業の割合を2050年には25%(100万ヘクタール)に増やすことを目標とする『みどりの食料システム戦略』」によるものだという点です。農水省が国民のための農業を進めるとは思えない現状で、素直に有機栽培を増やすとは考えにくい。「これまでの化学農薬に代わってRNA農薬(昆虫の細胞の中でのタンパク質の発現を変える、つまり遺伝子の働きを変える農薬)が開発され、そうした農薬が『安全』」な有機栽培に適うものだとされてしまわないか、有機栽培の定義を勝手な国際ルールに置き換えられないか、私たち国民がしっかり監視をして食を守る情報を拡散するなど主体的に関わっていかなければと思います。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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有機農業初のランキング 面積割合1位は馬路村(高知) 農水省
引用元)
(前略)
 21年は、耕地面積に占める有機農業の割合を50年に25%(100万ヘクタール)に増やす目標を掲げる「みどりの食料システム戦略」の策定初年に当たる。3位は宮城県柴田町で同13%、4位は秋田県小坂町で同11%。上位10市町村の主な品目は米や野菜、果樹など多岐にわたった。

 1位の高知県馬路村は、村内の全てのユズ農家が有機JASの基準に沿って栽培する。ユズ加工品を全国の消費者に販売するなど、産地一体の取り組みが数値に表れた。JA馬路村の担当者は「傾斜地が多く、農業には不向きな地域だが、独自の農業路線を築いてきた。今後も差別化を図り、村の産業や自然を守りたい」(加工販売課)と意気込む

 2位の山形県西川町は高齢化や担い手不足で稲作を断念した農地の荒廃を防ぐため、ソバの有機栽培に乗り出した。ただ、国の水田活用の直接支払交付金の見直しで、5年間水張りしない農地が交付対象から外れ、収量が少なく単価が安いソバ栽培の先行きは見通せないという。
(以下略)

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