ガザ地区大虐殺の背景にある、ガザ地区沿岸のガス田とインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)

竹下雅敏氏からの情報です。
 11月7日の記事で、“イスラエルとアメリカは、ベングリオン運河と呼ばれる運河の建設を何十年も前から計画してきた”ことをお伝えしました。
 ロンドンを拠点に活動するイタリア人建築家、映画プロデューサーのロビン・モノッティ・グラツィアーディ氏のツイートには「ガザ市大虐殺の本当の理由」として、“世界の貿易の約20%は、エジプトが管理するスエズ運河を通って行われている。スエズ運河は当初、フランスの投資家とエジプトが共同で管理していた。…エジプトのガマール・アブドゥル=ナセル元大統領は1956年にこの有利な貿易ルートを取り戻し、スエズ危機としても知られる第2次アラブ・イスラエル戦争を引き起こした。西側諸国は、世界貿易をロシアの同盟国であるエジプトに依存したくない。ベングリオン運河計画(イスラエル運河)は、60年代から提案されてきた解決策だ。この運河はどこに位置するのだろうか? その一部は、ガザ地区を正確に流れるだろう”と書かれています。
 『ガザの民族浄化の背後にある資金を追う』という記事には、“スエズ運河はエジプトにとって年間94億ドルの価値があるため、イスラエルと競合する運河に道を譲るためにガザ人が追放されるのをエジプトが望まない理由は簡単に理解できる。…イスラエルが主催する新しくてより信頼性の高い運河は、アフリカと中東の貿易関係と依存をさらに決定的に西側に移すためのテコとして機能する可能性がある。また、地中海と紅海間の米軍艦船の移動が容易になるという歓迎すべき恩恵もあるだろう。ベングリオン運河の出現により、西側諸国はイラン管理海域を迂回することもできる。これにより、この地域におけるイランの影響力が低下し、中東の力のバランスが変化する可能性がある。…エジプトとヨルダンは、ロシアと中国の支援を受けて、この結果に抵抗しているようだ”とあります。
 11月8日の記事で、“バイデン大統領とネタニヤフ首相は、G20において、UAE、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエルを通るインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)を開発するという歴史的な発表がなされたことを歓迎した”ことをお伝えし、現在のイスラエル・ハマス戦争は、「インド中東欧州経済回廊(IMEC)」と中国の「一帯一路」の戦争であるという見方を紹介しました。
 「ガザ、ガス田は誰のもの?」と言うツイート動画はとても良くまとまっているので、ぜひご覧ください。
 J Sato氏のツイートには、“インドはグローバル・サウスで唯一、イスラエルを支持”とあります。その理由として、「イスラム教が絡んだ紛争地域であるカシミールを抱えているため」とありますが、インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)の開発による経済的、地政学的な利益の為だと見た方が本質的かも知れません。
 韓国のハンギョレ新聞で、ガザ地区沿岸のガス田とインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)に触れた寄稿がありました。日本の新聞では、こうした本質を突いた内容の記事はまず出てこないと思います。理由はアメリカの怒りに触れる記事は書けないことと、ジャーナリストのレベルが低すぎるからです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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イスラエル軍がガザで民族浄化作戦を続けている理由として新運河建設も指摘
引用元)
イスラエルはアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」を計画している。スエズ運河はエジプト領にあるが、新運河はエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出るルート。この計画が実現するとイスラエルは世界の物流に対する影響力を手にできるが、問題はパレスチナ人を封じ込めているガザ。新運河の不安定要因になる。その問題を解決するためにはガザからパレスチナ人を消し去らねばならないとイスラエルが考えても不思議ではない。





ガザには天然ガスの問題もある。地中海東部、エジプトからギリシャにかけての海域で天然ガスや石油が発見されているのだ。この海域に9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っていることがわかっている。ガザ沖にも天然ガスは存在、その開発が進んでパレスチナの経済が豊かになることをイスラエルは恐れている。
(中略)
ハマスを含むパレスチナ系武装グループが10月7日にイスラエルへ攻め込んだ。軍事作戦「アル・アクサの洪水」だが、この攻撃をイスラエル政府やアメリカ政府は事前に知っていた可能性が高い。その根拠は本ブログでも書いてきた。​この攻撃を受け、攻め込んだ戦闘員と一緒にイスラエル軍はイスラエル人を殺傷しているとイスラエルのメディアも報じている​。

この攻撃を口実としてイスラエル軍はガザのパレスチナ人に対する無差別攻撃を開始、エジプト領のシナイ半島へ移動するように命じたが、エジプト政府は国境を開けず、パレスチナ人は移動を拒否した。そこで皆殺し作戦へ切り替えたようだ。
(以下略)
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配信元)
※全文はツイッターをクリックしてご覧ください



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[寄稿]イスラエル-パレスチナ戦争で利益を得る者が真の「戦犯」
引用元)
(前略)
1998年に発見されたガザ地区沿岸のガス田「ガザマリン」には、パレスチナをエネルギー独立国にしても余るほどの埋蔵量がある。パレスチナ解放機構(PLO)の初代議長ヤセル・アラファトは、ガザマリンは「神からの贈り物」だとし、「パレスチナ独立国家建設の堅固な基盤」になるだろうと述べた。しかし、イスラエルは2000年からパレスチナのガス田への接近を禁止し、ガザ地区沿岸の封鎖区域を広げてきた。最近は米国の支援を受け、イスラエル・キプロス・ギリシャをつなぐ海上パイプラインを、2025年の完成を目指して建設している。
(中略)
米国にとってもイスラエルとガザ地区の沿岸は重要な地域だ。米国は今年9月の主要20カ国(G20)サミットで、インドと中東(UAE・サウジアラビア・イスラエル)、欧州をつなぐ鉄道・海運輸送路構築プロジェクトを発足させた。中国の一帯一路に対抗する「インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)」計画だ。
(中略)
2020年にイスラエルは米国の仲裁で、これまで対立してきたアラブ諸国と「アブラハム合意」を結び、国交を樹立した。最近では「新たな中東を創造」しようと言ってサウジアラビアとの関係改善にも乗り出している。したがって、敵対的なイスラム抵抗勢力をできる限り弱体化させさえすれば、イスラエルと米国の天然ガス資源の独占および物流統制ははるかに容易になる。このような時にガザ地区を完全に破壊し、人が住めない場所にする戦争が展開されているのだ。
(以下略)
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配信元)

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