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まみむのメモ(60)〈食べられる野草図鑑・秋(3)〉
~ 目次 ~
ヨメナ(嫁菜)
時期 | 花期は7〜10月。ロゼット葉で冬越しする。 |
場所・環境 | 本州(中部地方以西)〜九州の山野の湿ったところや道ばたにふつうに生える。 |
花 | 枝先に直径約3cmの帯青淡紫色の頭花を1個ずつつける。 舌状花はふつう淡紫色だがときに白色で15〜20個前後。 |
葉 | 高さ0.5〜1.2m。茎ははじめ赤みを帯び、上部でよく枝分かれする。茎の下部や中部の葉は長さ8〜10cm、幅約3cmの卵状長楕円形で、ふちには粗い鋸歯があり、3脈がやや目立つ。 |
実 | そう果は長さ約3mmの扁平な倒卵形で、冠毛は長さ約0.5mm。 |
根 | ひげ根と匍匐茎の地下茎が四方に這い繁茂する。 |
見分けるポイント | よく似たノコンギクは冠毛が4〜6mmあり、全体に毛が多い。またオオユウガギクは冠毛が1mm。紫色の濃い花はコンギク。 |
間違えやすい毒草 | なし |
生え方 | 多年草 |
学名 | Aster yomena |
科名・属名 | キク科・シオン属 |
採取方法 | 春、若芽を摘んで食用にすることができる。民間薬では、開花期の全草を採取して、天日で乾燥。 |
あく抜き | 灰汁は弱いほうであるが、摘んでから置いておくと灰汁がまわるので、早めに茹でて水にさらして灰汁抜きする。沸騰した湯に塩ひとつまみ、さっと茹でる。冷水にさらす。しつこい場合には、冷水に20分くらいさらす。 |
調理法 | 茹でておひたしや和え物、炒め物、煮浸し、卵とじ、炊きたてのご飯に塩と茹でたヨメナを混ぜこみ、ヨメナのおむすび、ヨメナご飯なども知られる。生で天ぷらにして食べられる。その他、ヨメナのかすみ汁(卵白でかすみを作る)など。 秋の花も利用でき、7〜9月ごろに採取して天ぷらにする。 |
他の利用方法 | 薬用 |
効能 | 成分としては、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、亜鉛、食物繊維などを含む。特にβカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、カリウム、鉄、食物繊維の含有量は野菜類の中ではすべてトップクラス。 免疫力向上、感染症の予防、高血圧の予防改善、動脈硬化の予防、利尿作用、むくみの改善、貧血の改善、整腸作用、便秘予防、大腸がんの予防など。 |
その他 | この属は東アジアに約十種、日本には六種が知られる。日本のヨメナ属のものはオオバヨメナを除いて、どれもよく似ている。 |
参照サイト・文献 |
松江の花図鑑 ウィキペディア イー薬草・ドット・コム 食品の効果効能辞典 |
関連記事 | なし |
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
時期 | ロゼット葉で越冬しする。花期は10〜11月。 |
場所・環境 | 原産は北アメリカで、日本には明治時代末期に、切り花用の観賞植物や蜜源植物として導入された様で、温帯地方に多く生息し、日本国内での生息地域はほぼ全国になり、河川敷や土手、荒地や休耕地や路傍など、一般的にはシルトと呼ばれる沈泥(砂よりは小さく粘土よりは粗い砂の様な泥の様なモノ)から粘土質の土壌に繁殖。 |
花 | 花は、秋から晩秋に、黄色い小花を多数集合して、針葉樹形につける。 頭花は、花びら状の舌状花(ぜつじょうか)と筒状花(とうじょうか)になる。10〜50cmの大型の円錐花序をだし、直径約6mmの黄色の頭花を枝の上側にかたよって多数つける。舌状花は雌性で、舌状部は細くて小さく、長さ4mmほど。総苞(花序の基部にある苞)は長さ3〜3.5mm。総苞片は線形で3列に並ぶ。 |
葉 | 茎は直立して高さ100~250cm、葉は互生、密生して長楕円形。茎や葉には短毛があってざらざらする。葉は長さ6〜13cmの披針形で、先はとがる。縦に走る3本の葉脈が目立つ。 |
実 | 冠毛は長さ約3mm、果実は約1.5mm。果実には稜がありあり、上向きの毛が多い。冠毛には上向きの微細な刺がある。 |
根 | ひげ根生で長く太目の根と細根があり、匍匐茎でも増える。 昭和40年代モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分(主として糞尿や死体由来の成分)が多量蓄積していた地下約50センチメートルの深さまで根を伸ばす生態であった。 アレロパシーを有しており、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す。 |
見分けるポイント | よく混同されるブタクサの葉は三角状で羽状に深く切れ込む。葉裏には白色の毛が密生し、白っぽく見える。 花は枝先に穂状の花序を出し、淡黄色の目立たない花をつける。 |
間違えやすい毒草 | 花粉症アレルゲンとしてブタクサ。 |
生え方 | 多年草 |
学名 | Solidago altissima |
科名・属名 | キク科・アキノキリンソウ属 |
採取方法 | 春の新芽を食用に。 酵素の恩恵を受けたいのであれば開花する前の蕾の状態で採取する。 ポリフェノールなどは初夏の葉っぱ、秋口の花穂にも比較的多く含まれている。 |
あく抜き | 新芽を天ぷらにする時はそのままでほろ苦さを残す。お浸しには塩湯でして水に取る。 |
調理法 | 新芽の天ぷらは、タラの芽よりも香りや歯触りが良いとされている。 ・新芽のお浸しも香りが高く美味しい。 ・花の部分は軽く湯がいてポン酢で食す。 ・軽く蒸して乾燥させたものは、緑茶や紅茶と混ぜてお茶として飲むと、ジャスミン茶のようで美味しい。
・つぼみの天ぷらは、パリパリしてお味は上々。 |
他の利用方法 | 薬用、薬湯料。切花。蜂蜜の蜜源。 茎を乾燥したものをすだれに。 |
効能 | 主な有効成分はポリフェノール、フラボノイド、サポニン、酵素。ポリフェノールは5000種類以上あるとされていて、セイタカアワダチソウには、多様なポリフェノールが高含有で含まれている。薬毒や公害を出す程の力がある。 アトピーの痒み、喘息、(人工透析をしている)腎臓病、リウマチ、膠原病、鮫肌、乾燥肌、胃腸病、浮腫、利尿作用、抗炎症作用、がん細胞抑制作用、抗菌作用、酸化防止作用、造血作用、細胞賦活(活性)作用など。 葉には多数のポリフェノール成分が含まれ、炎症を緩和するフラボノイドも含まれており、抗酸化活性、ラジカル消去活性、抗変異原性染色体保護作用、肝機能保護作用、抗ガン活性、メラニン形成阻害、抗菌活性、抗発がん作用、抗エイズ作用、血糖上昇抑制作用、精神安定作用、尿酸量低下活性などがある。 ヨーロッパでは、葉をつぶして、虫刺されやケガの止血や洗浄液として使用され、アメリカではネイティブアメリカンの民間薬として整腸剤や風邪、ケガに使われてきた。 お茶や浴用剤、チンキ液(アルコール抽出液)として利用されている。アトピーやぜんそくなども治ったり、薬害で苦しむ方も薬毒が出て治った例は多い。リウマチ、膠原病、肝臓病で痛み苦しみをとるためにステロイド系のホルモン剤を使ったその後遺症の薬害で苦しんでいたのが、このセイタカアワダチソウの入浴剤で治った。 腎臓病で、人工透析をして、血を洗って浄化しなければ生きられない人が治ってしまったという例もある。うるしかぶれや毒性のガスによる湿疹がセイタカアワダチソウの入浴剤で治った。ただし人によっては好転反応(毒素、ガス体、老廃物などの排出)で咳や湿疹などが出ることがある。その場合は一時休んだり、量を減らす。 |
その他 | 花粉症の原因といわれたが、虫媒花のため花粉症の原因にはならない。 名の由来は、草丈が高く、花が泡のように見えることからついた。 入浴剤のつくり方 1.黄色の花が咲く前、上から30㎝ほどのつぼみを採集。 2.水で軽く洗い、天日干しで乾燥させる。 3.乾燥したものをサラシ(手ぬぐい等)の袋に入れて、湯船に入れて入浴する。
4.5日ほどお湯を換えないで追い焚きすることで、よりエキスが抽出され、効果が期待できる。
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参照サイト・文献 |
家庭でできる自然療法/東城百合子・著/あなたと健康社・発行 イー薬草・ドット・コム ウィキペディア 【セイタカアワダチソウ】嫌われ者は実は健康の救世主だった! 松江の花図鑑 suzukin blog セイタカアワダチソウの凄い薬効/株)発酵水 石川県 |
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この頃ふと気がついて、野良猫達だけでなく、私たちもと、青汁用に摘んできたヨモギの先端の米粒大の新芽をいただき始めました。もちろん家猫にも青汁をあげはじめました。
10年くらい昔にヨモギの青汁がとても身体に良くて、繊維の強いヨモギでも先端の新芽(米粒大)はそのまま生で食べられると伝えた若者が、ずっと続けていることを最近知り、知っていても続けていない自分を教えられました。
ところでこのヨモギ、漂白効果があるようなのです。すり鉢でヨモギをトントンと潰して青汁を作っているのですが、黒ずんでいた古いすり鉢が漂白されて来ています。手に付いた絞り汁を洗い流さず手の甲に塗っているお陰で、なんとなく今年は夏の日焼け後の黒さが軽減されている感じです。それでしたら顔にもつけなくっちゃ・・・(注:ほんのり緑色が付きます)。
今回セイタカアワダチソウを調べて、改めてセイタカアワダチソウの排毒効果を認識しました。葉っぱだけでなく花の天ぷらも食べてみると美味しい!!セイタカアワダチソウの泡風呂とヨモギの青汁の化粧水。ありふれた草が気がつけば実は宝物!!