WHOパンデミック「条約」原稿の最新版の内容 〜「病原体情報にアクセスするシステム」に加盟した製薬会社が利益を独占 / 人々が抗議した部分は削除されていた

 WHO関連で重要情報が続出しています。今回は、パンデミック「条約」の3月7日付最新版の原稿を及川幸久氏が掴んで解説されていたものを取り上げました。
 この原稿は、WHOに「政府間交渉機関INB」という新しい機関を創設し、ここで政府間の交渉をし合意を組み立ててきたものだそうです。どういうメンバーが政府を代表して作業しているのか不明ですが、この合意内容を製薬会社などのステークホルダー(利害関係者)に送付した文書だそうです。まるで政府が各国の国民よりも先に製薬会社にお伺いを立てているようです。
 この最新版は、当初の原稿から「ガラッと変更」されました。重要な変更点として、「メーカーとPABS」という新しい項目が加わりました。
 第12条に「メーカー製造業」とあり、「商業目的で感染症の診断薬、治療薬、ワクチンを製造する事業体」つまり製薬会社のことが明記されました。及川氏は「まるでビジネスの契約書のようだ。」
 さらに「PABSシステム」という"病原体へのアクセスと利益のシェアを決める"内容が加わりました。パンデミックになりそうな新たなウイルスが出現した場合、WHOがこのシステムを使って管理しますが、メーカーは事前にこのシステムに年間使用料を支払って加盟しておくと、その病原体と遺伝子配列データにアクセスできるそうです。メーカーは得られたデータで治療薬やワクチンを開発して儲けることができます。製薬会社は治療薬やワクチンをリアルタイムに提供することになりますが、その時の儲けをシェアする取り決めが規定されています。つまり「このシステムに入っている製薬会社が独占的にパンデミックの情報を得て儲けられる」というシステムです。これには、アメリカから独占禁止法違反ではないかという批判が上がっているそうです。当然ぢゃ。
 そもそもパンデミック「条約」の本質的な問題は、「締約国会議COPの新設」にあると及川氏は解説されています。序文に「国家主権は守る」と明記しながら、原稿の内容は、選挙で選ばれていない非民主的な組織COPに権限と主権を譲渡する、という重大な矛盾をはらんでいます。
 ただ注目すべきは、批判の多かった「ワクチン義務化」はしないと変更したようです。第24条の事務局の項で「誤った情報に対処するため」明確化したらしい。また問題になった第1条の虚偽の情報や誤解を招くような情報「インフォデミックの監視」が削除されているそうです。これは、これまでの多くの人々の抗議が無視できないことを示したと言えそうです。及川氏によると「こういった批判をかわすための工夫はされています。」「しかし本質は何も変わっていないか、より悪くなっているという印象。」とのことで、今後も厳しく追求し、情報拡散していきましょう。
(まのじ)
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