ぴょんぴょんの「ベネズエラの魔女」 ~トランプがベネズエラ沖に海軍を派遣したのは、中国に寛容すぎるマドゥロ大統領への警告か?

 女性がトップに選ばれるのはうれしいけど、なんで選ばれるのはろくでもない女性ばかりなのだろう?
 と言っても、高市早苗さんのことじゃありません。
 たとえば、ノーベル平和賞を受賞した女性。マザーテレサ、アウンサン・スーチー、マララ、そして今年のマリア・コリーナ・マチャド。はあ〜? マチャド〜?
 欧州委員会・会長フォン・デア・ライエンや、モルドバ大統領マイア・サンドゥと同じ臭いがプンプンする。
 と言っても、美人をやっかんでるんじゃありません。
 せっかく女性を選ぶなら、グローバリズムの手先じゃなくて、女性ならではの母性や直感や智慧を活用して、より良い世界に貢献している人を選んでよ!と言ってるんです。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「ベネズエラの魔女」 ~トランプがベネズエラ沖に海軍を派遣したのは、中国に寛容すぎるマドゥロ大統領への警告か?

「魔女サヨナ」のようなマチャド



今年、ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリーナ・マチャド(1967年10月7日生)はベネズエラの政治家、活動家。

ノーベル平和賞と言えば、トランプさんが欲しがっていたよね。

受賞が決まった日、マチャドはトランプに電話したそうだ。そこで、彼女はこう言った。「これはあなたに捧げるもの。あなたが本当に値する賞だから。」そこでトランプは、「『じゃあ私にくれ』とは言わなかったが、彼女はそうしてもおかしくなかった。彼女は本当に親切だった。」(Newsweek)

マチャドさん、トランプさんと仲良しなんだ。

ノーベル委員会は、「ベネズエラ国民のための民主的権利の促進、そして、独裁から民主主義への、公正かつ平和的な実現に向けた闘いにおける、たゆまぬ努力」によってマチャドが平和賞にふさわしいとした。だが、受賞した数日後、ベネズエラのマドゥロ大統領は、マチャドを「悪魔のような魔女」「国民の90%が、悪魔の魔女サヨナを拒絶している」とボロクソに非難した。「サヨナ」とはベネズエラで「復讐の精霊」のことで、マチャドはしばしば「ラ・サヨナ」と呼ばれている。(Newsweek)

マドゥロ大統領
Author:Sergei Bobylev[CC BY]

悪魔の魔女サヨナ? コワ〜!

なんとなれば、ベネズエラの国民的英雄、ウゴ・チャベスが大統領に選ばれて以来、今日に至るまで、こいつはずっと抵抗野党として、ベネズエラ政権をジャマし続けてきた。そして今、ベネズエラがアメリカから攻撃されて大変なときに、トランプのご機嫌とりをするという、さすが「魔女サヨナ」。

ベネズエラ、アメリカから攻撃されてるの?


米国によるベネズエラへの言いがかり


そうだ。これまでも、アメリカにとってベネズエラ目の上のたんこぶだったが、マドゥロ大統領が麻薬カルテルと加担しているとして、マドゥロ逮捕に必要な情報を提供した者に、5000万ドル(75億円) の報奨金を出すと言う。

75億円!

さらに、トランプ政権が作成した極秘の法的見解によると、「アメリカへ麻薬を密輸するあらゆる組織に対し、トランプ政権は『アメリカへの攻撃に相当する』と主張し、致死的な武力行使で対応できることになる」。(RT

うわー! マドゥロさん、早く麻薬組織から足を洗った方がいいよ。

だが、マドゥロが麻薬密輸に加担している根拠は、ほとんどない。国連の「世界薬物報告書2025」によれば、ベネズエラは、コカインの主要生産国でも主要中継地でもない。どころか2025年、ベネズエラ当局は、60トン以上のコカインを押収し、2010年以降で最高記録を更新した。「ベネズエラの麻薬対策協力は南米で最も一貫しており、キューバに匹敵する。麻薬国家という物語は地政学的な虚構だ。」(RT)

じゃあ、ただの言いがかり?

2025年8月、アメリカはラテンアメリカ、特に「ベネズエラと関連する麻薬密輸組織」に対する作戦の一環として、カリブ海南部に空軍と海軍艦隊を派遣した。(RT)

カリブ海南部って、ベネズエラのすぐそばだよ。

Author:Kmusser[CC BY-SA]

2025年9月、アメリカは8隻の軍艦、原子力攻撃潜水艦、約4,500名の兵士(うち海兵隊2,200名)という、1989年のパナマ侵攻以来の大規模軍備を敷いた。

まるで、戦争だ。

そして彼らは、今日までに4回以上の船舶攻撃を行い、コロンビア人漁師を含む20人以上が死亡した。

漁師さんまで? こんな荒っぽいやり方、犯罪だよ!!


売国奴マチャドの経歴


しかし、平和賞を受賞したマチャドは、「フォックスニュースへの最近の出演で、トランプ政権の政策——ベネズエラ沖の公海上で麻薬密輸船と疑われる船舶を爆破する——に異議を唱えなかった。」(L.A.Times)

ひえ〜! 平和賞にふさわしくない!

アメリカの女性反戦団体「コード・ピンク」に所属する、ベネズエラ出身のエラーナー氏は言う。

これが2025年の「平和」の定義なら、ノーベル賞そのものが完全に信用を失った証だ。私は、ベネズエラ系アメリカ人であり、マチャドが何を象徴するか熟知している。彼女は、ワシントンの政権転覆工作の笑顔の顔であり、(中略)...彼女は外国の介入を要求し、ガザ絶滅の設計者ベンヤミン・ネタニヤフに直接訴えかけ、「自由」の旗印の下で、爆弾によるベネズエラ「解放」を助けるよう要請した。(中略)... ヘンリー・キッシンジャーが平和賞を受賞(1973年)できるなら、マリア・コリーナ・マチャドが受賞できない理由があるだろうか?(CODE PINK)

完全に怒ってる!

怒って当然。マチャドがこれまでやってきたことを、見ろ。

1⃣民主的に選出されたチャベス大統領を追放した、2002年のクーデターを主導し、憲法を廃止し、すべての公的機関を解散させたカルモナ法令に署名した。
2⃣ベネズエラの政権交代のために、イスラエル、アルゼンチンに軍事介入を要求した。
3⃣トランプによる、カリブ海への海軍派遣を称賛した。
4⃣アメリカの経済制裁を推進した。
5⃣アメリカが支援する「暫定政府」を支援した。
6⃣ベネズエラ大使館を、エルサレムに再開すると公言した。
7⃣国営の石油・水資源・インフラを民営化しようとしている。

売国奴・・。

マチャドの経歴を見れば、アメリカの息がかかっているのがよくわかる。

2009年:次世代グローバルリーダーを対象としたイェール大学の「ワールド・フェロー・プログラム」に参加。
2005年、2011年:ヤング・グローバル・リーダーズに選ばれた。
2005年:当時のジョージ・W・ブッシュ大統領と会う。
2004年:マチャドが所属したスーマテ党が全米民主主義基金(NED)から活動資金を受けたとして反逆罪及び共謀罪で起訴された。

2024/07/31時事ブログにも紹介されている。「野党指導者のマリア・コリーナ・マチャド氏は、“2018年に、ベネズエラ現政権を打倒するために、イスラエルのネタニヤフ首相に武力と影響力を行使することを要請する書簡を提出。石油メジャーとの結びつきが強くブッシュ家が強く支援”している人物です。」これが、引用元のX。


うわああ。

マチャドはイスラエルを「真の自由の同盟国」と呼んだり、「ベネズエラの闘いはイスラエルの闘いである」と書くほどイスラエルに近い。2020年にはイスラエルの現政権、リクード党との協力文書に署名している。(NDTV World)

はあ、トランプさんと気が合うはずだよ。


米国の標的となった理由


だがアメリカは、なんでこうもベネズエラをいじめるのか? 他の中南米諸国のように、素直にアメリカにしたがって、ベネズエラの豊かな資源、石油や金やレアアースを盗ませてくれないからか?

ベネズエラってBRICSに入ろうとしてたよね。

そこだよ。BRICSの中でも中国。チャベスの時代から、ベネズエラは中国と仲良くしてきた。ベネズエラにとって中国は、石油を買ってくれるお得意さんだし、一帯一路のメンバーとして、おいしいエサもまいてくれる。

アメリカから制裁を受けているベネズエラにとって、ありがたい話だよね。

たとえば2009年、「中国鉄道工程集団公司(CREC)」が40%の資本を保有する鉄道会社をベネズエラに設立した。2012年、中国最大の国営コングロマリット「中国中信集団公司 (CITIC) 」が、ベネズエラで採掘される鉄、金、ボーキサイト、トリウム(核燃料に使える)などの鉱床調査・探査に関する契約に署名した。2013年、中国はベネズエラの住宅プロジェクトを資金援助するため、5年間で500億ドルの融資をした。2017年、中国はベネズエラ向けの通信衛星ベネサット1号を打ち上げた。(Wikipedia)

ベネサット1号

衛星まで打ち上げてくれたんだ。

さらに2024年、ベネズエラは「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる、中国・深セン市をモデルとした経済特区を作ろうとしている。カリブ海沿岸のラ・グアイラ州では、国家主導による外資誘致が進められているという。(ブラジル日報) 

そこに、中国人を大量に移民させて、乗っとるつもり?

そして、中国がベネズエラに基地でも作ったら? キューバ危機ふたたび、だぞ。

ゼッタイ阻止だね!

だから、トランプは麻薬密輸取締を口実に、マドゥロを追い出したいのかもしれない。

もしかして、トランプさん、そのためにベネズエラの魔女にノーベル平和賞を譲った?

さあな。最後に、ベネズエラの空で締めくくろう。


きれいだねえ。ベネズエラに良いことがあるといいなあ。


Writer

ぴょんぴょんDr.

ぴょんぴょん

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)


Comments are closed.