[櫻井ジャーナル]マリに軍事介入したフランスはニジェールに特殊部隊を送り込んだというが、これはアレバが持つウラニウム利権を守るため。

読者の方からの情報(2点)です。

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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マリに軍事介入したフランスはニジェールに特殊部隊を送り込んだというが、これはアレバが持つウラニウム利権を守るためで、人権や生命を尊重してのことではない
転載元より抜粋)
 マリに軍事介入したフランスは、特殊部隊をニジェールへ送り込んだという。アルジェリアの天然ガス関連施設を襲撃した武装グループはニジェールから入ったと言われているが、そうした事情から特殊部隊が向かったのではなく、ニジェールにあるフランスの利権を守るためのようだ。フランスの国有会社、アレバは40年にわたり、ニジェールでウラニウムを掘り続けてきたのだが、最近は中国やインドが食い込んでいた。ここでも「西側」とBRICSの戦いがある。

 アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は2003年にイラクを先制攻撃した。この攻撃を正当化するため、イラクのサダム・フセインがニジェールからイエローケーキ(ウラン精鉱)を購入して核兵器を作ろうとしているとする話が流されている。それだけニジェールはウラニウム資源が豊富だということだ。

 なお、この情報はジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使がCIAの依頼で調査、その情報が正しくないことを確認、CIAに報告している。IAEAも同じ結論に達していたが、そうした調査結果を無視してブッシュ大統領はフセインがアフリカから相当量のウランを入手しようとしていると発言、軍事侵攻に突き進んでいる。

 その後、ウィルソンはニューヨーク・タイムズ紙で事実関係を明らかにしたのだが、その8日後にコラムニストのロバート・ノバクは、ウィルソンの妻であるバレリー・ウィルソンがCIAの非公然オフィサーだと明らかにしている。


 資源の開発には環境破壊がつきものだが、ウラニウムの場合は特に深刻。ニジェールでは採掘のために40年間で2700億リットルの水を使って井戸を枯らし、現場に近い地域では飲料水が放射性物質で汚染されてしまった。大気の汚染も深刻で、呼吸器系の病気による死亡率は通常の2倍程度になっている。当然、大地も汚染されている。

 住民は教育を受けられる環境になく、アレバが住民に正確な情報を提供しないことも被害を深刻にしている一因。住民側は報復を恐れ、自分たちの状況を伝えることができないともいう。アレバが住民のことを考えているとは思えない。人権や命が大切だとは考えていない。

 日本の「エリート」たちが再稼働を目論む原子力発電所。この発電方法は社会的な弱者が犠牲になることで成り立っているわけだが、ニジェールではさらに深刻な状況のようである。そうした状況を作り出したアレバの利権を守るために戦うフランス軍。マリであろうと、アルジェリアであろうと、リビアであろうと、シリアであろうと、人の権利や生命を守るためにフランスが軍事介入したわけではない。

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マリ政府はアル・カイダに行動の自由を与え、カタールはアル・カイダとトァレグに資金を提供、米国はアル・カイダを口実に軍事顧問団をアフリカ全土に派遣へ
転載元より抜粋)
 アル・カイダ系グループの存在を口実にしてフランスはマリに軍事介入したが、アメリカ軍は来年からアフリカの約35カ国に顧問団を派遣し、訓練するという。2007年にアメリカ政府はAFRICOM(アメリカ・アフリカ統合軍)の創設を発表、翌年に活動を始めたのだが、アフリカ諸国から拒否され、本部はドイツにある。

 アフリカ各国の軍隊を訓練する目的はAFRICOMの創設と同じだろう。AFICOMを創設した真の目的はBRICS、特に中国対策だと考えられている。アフリカから中国の影響力を消し去り、「西側」に従属させるということ。言葉を換えると、アフリカを支配する仕掛け。

 ソ連圏からの攻撃に備えるという名目で創設されたNATOと似た目的で作られたと言える。NATOを組織した真の目的は米英両国のヨーロッパ支配、米英の利権を維持拡大することにある。だからこそソ連が消滅した現在でも存在意義は失われず、解体されないのだ。軍や情報機関のネットワークは「国家内国家」を作り出し、国の組織を内側から蝕んでいくことになる。日米同盟も同じことが言える。日本を支配する仕組みだということである。

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