竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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73年9月11日のチリにおけるクーデターは金融無法時代、01年9月11日はナチス化の幕を開けた
転載元)
櫻井ジャーナル 14/9/10
41年前の9月11日、ヘンリー・キッシンジャー米大統領補佐官を黒幕とする軍事クーデターで民主的に選ばれたチリのサルバドール・アジェンデ政権が倒された。アメリカの巨大資本は民主主義を憎悪している。自分たちの利益にとって不都合な仕組みだからだ。
チリには鉱物資源会社のアナコンダやケネコット、通信会社のITT、ペプシ・コーラ、チェース・マンハッタン銀行などが利権を持っていた。こうした巨大企業にとって好ましくない政権だと判断され、クーデターは実行されたが、少なくとも結果として、新自由主義を導入する最初の国にもなった。
クーデターはリチャード・ニクソン大統領、キッシンジャー補佐官、リチャード・ヘルムズCIA長官、ジョン・ミッチェル司法長官によって計画され、国務長官、国防長官、チリ駐在アメリカ大使などには秘密にされ、CIAの内部でも計画の内容を知っていたのは一部にすぎなかったという。
先ず護憲派のレネ・シュネイデル陸軍総司令官を暗殺、後任のカルロス・プラット将軍も排除(後に亡命先で暗殺)、オーグスト・ピノチェトが引き継いだ。このピノチェトがクーデターを実行することになる。
ピノチェトはまず大統領官邸の空爆を命令、大学へは戦車を派遣して教職員や学生を拘束、サンチアゴの国立競技場は「拷問キャンプ」と化した。クーデターの最中、アジェンデ大統領は死亡している。
後に設置される「チリ真実と和解委員会」によると、軍事政権の時代に殺されたり「行方不明」になった人は少なくとも2025名だとされているが、一説によると約2万人が虐殺されている。1977年になるとピノチェト政権は組織された反対勢力を一掃することに成功した。
チリの国民にとって軍隊と同じように経済も不幸をもたらすことになる。シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の「マネタリズム」に基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施したのだ。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のフリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。
彼らは低インフレーションで、年金は私的なものにし、賃金は安く、輸出型の国を目指したのである。そして、国有企業を私有化、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、そして外国からの投資を促進、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。
1979年から82年にかけてチリ政府は輸入を奨励、チリの通貨「ペソ」が過大に評価されたことで贅沢品の消費ブームが起こるが、その一方で国産製品が売れなくなり、国内の生産活動は破綻し、1980年代の後半になると人口の45%が貧困ラインの下に転落した。
一連の規制緩和でチリの銀行は外国の金融機関から多額の資金を調達、1982年にラテン・アメリカで債務危機が起こると倒産を防ぐために外国の金融機関は銀行の「国有化」を要求、彼らの債券は私有化された国有企業の株券と交換され、チリの年金、電話会社、石油企業など重要な企業を格安なコストで手に入れてしまった。つまりチリを欧米の巨大資本が乗っ取ったということである。
これを「チリの奇跡」と呼ぶ人が日本にはいたらしいが、そうした日本人と同じようにフリードリッヒ・フォン・ハイエクはチリでの経済政策を肯定的にとらえ、マーガレット・サッチャー英首相に売り込んだ。ハイエクはフリードマンの「師」にあたる。ちなみに、1930年代、デイビッド・ロックフェラーもハイエクから経済学を学んでいる。
このサッチャーによって「金融無法時代」の幕が開いた。儲けは「0.1%」に集中、損が出れば「大きすぎて潰せない」という屁理屈で庶民に負担が押しつけられ、不正が発覚すれば「大きすぎて処罰できない」ということで不問に付される。
似たことを日本も行っている。金融問題もそうだが、それだけではない。原発事故を引き起こして放射性物質を環境中へ大量放出、人びとの生活を奪い、数十年かけて命を奪うことになり、生態系を破壊しても責任は問われず、損害は庶民に押しつけられ、利益は事故の責任者たちの懐へ入る。
ルールは人びとが守るという前提で成り立つ。富豪はルールを守らなくても構わないということになると、そのルールは意味を持たなくなる。それは単なる専制であり、庶民が自分たちの利益を守るためには革命を起こすしかなくなる。アメリカで「刀狩り」が進められようとしている一因はこれだ。
ところで、アメリカでは特権階級を法律の上に置く人たちがいる。1982年にエール大学、シカゴ大学、ハーバード大学の法学部に所属する「保守的な」学生や法律家によって創設された「フェデラリスト・ソサエティー」で、今では法律の世界で大きな影響力を持っている。
議会に宣戦布告の権限があるとする憲法や1973年の戦争権限法はアナクロニズムだと主張するほか、プライバシー権などを制限、拡大してきた市民権を元に戻し、企業に対する政府の規制を緩和させるべきだとしている。ビル・クリントン大統領を攻撃していた勢力の一員でもあった。この反クリントン・キャンペーンは「アーカンソー・プロジェクト」と呼ばれ、そのスポンサーはリチャード・メロン・スケイフ(メロン財閥の一員)。この人物はフェデラリスト・ソサエティーの後ろ盾でもある。
アメリカの支配層は2001年9月11日の出来事を利用して軍事侵略を公然と開始、国内ではナチス化を推進しはじめ、1973年9月11日のクーデターは「金融無法時代」への道を開いた。2度の「9/11」でこの世は地獄へ近づいた。
チリには鉱物資源会社のアナコンダやケネコット、通信会社のITT、ペプシ・コーラ、チェース・マンハッタン銀行などが利権を持っていた。こうした巨大企業にとって好ましくない政権だと判断され、クーデターは実行されたが、少なくとも結果として、新自由主義を導入する最初の国にもなった。
クーデターはリチャード・ニクソン大統領、キッシンジャー補佐官、リチャード・ヘルムズCIA長官、ジョン・ミッチェル司法長官によって計画され、国務長官、国防長官、チリ駐在アメリカ大使などには秘密にされ、CIAの内部でも計画の内容を知っていたのは一部にすぎなかったという。
先ず護憲派のレネ・シュネイデル陸軍総司令官を暗殺、後任のカルロス・プラット将軍も排除(後に亡命先で暗殺)、オーグスト・ピノチェトが引き継いだ。このピノチェトがクーデターを実行することになる。
ピノチェトはまず大統領官邸の空爆を命令、大学へは戦車を派遣して教職員や学生を拘束、サンチアゴの国立競技場は「拷問キャンプ」と化した。クーデターの最中、アジェンデ大統領は死亡している。
後に設置される「チリ真実と和解委員会」によると、軍事政権の時代に殺されたり「行方不明」になった人は少なくとも2025名だとされているが、一説によると約2万人が虐殺されている。1977年になるとピノチェト政権は組織された反対勢力を一掃することに成功した。
チリの国民にとって軍隊と同じように経済も不幸をもたらすことになる。シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授の「マネタリズム」に基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施したのだ。その政策を実際に実行したのがシカゴ大学のフリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たち、いわゆる「シカゴ・ボーイズ」である。
彼らは低インフレーションで、年金は私的なものにし、賃金は安く、輸出型の国を目指したのである。そして、国有企業を私有化、労働者を保護する法律を廃止、労働組合を禁止、そして外国からの投資を促進、1979年には健康管理から年金、教育まで、全てを私有化しようと試みている。
1979年から82年にかけてチリ政府は輸入を奨励、チリの通貨「ペソ」が過大に評価されたことで贅沢品の消費ブームが起こるが、その一方で国産製品が売れなくなり、国内の生産活動は破綻し、1980年代の後半になると人口の45%が貧困ラインの下に転落した。
一連の規制緩和でチリの銀行は外国の金融機関から多額の資金を調達、1982年にラテン・アメリカで債務危機が起こると倒産を防ぐために外国の金融機関は銀行の「国有化」を要求、彼らの債券は私有化された国有企業の株券と交換され、チリの年金、電話会社、石油企業など重要な企業を格安なコストで手に入れてしまった。つまりチリを欧米の巨大資本が乗っ取ったということである。
これを「チリの奇跡」と呼ぶ人が日本にはいたらしいが、そうした日本人と同じようにフリードリッヒ・フォン・ハイエクはチリでの経済政策を肯定的にとらえ、マーガレット・サッチャー英首相に売り込んだ。ハイエクはフリードマンの「師」にあたる。ちなみに、1930年代、デイビッド・ロックフェラーもハイエクから経済学を学んでいる。
このサッチャーによって「金融無法時代」の幕が開いた。儲けは「0.1%」に集中、損が出れば「大きすぎて潰せない」という屁理屈で庶民に負担が押しつけられ、不正が発覚すれば「大きすぎて処罰できない」ということで不問に付される。
似たことを日本も行っている。金融問題もそうだが、それだけではない。原発事故を引き起こして放射性物質を環境中へ大量放出、人びとの生活を奪い、数十年かけて命を奪うことになり、生態系を破壊しても責任は問われず、損害は庶民に押しつけられ、利益は事故の責任者たちの懐へ入る。
ルールは人びとが守るという前提で成り立つ。富豪はルールを守らなくても構わないということになると、そのルールは意味を持たなくなる。それは単なる専制であり、庶民が自分たちの利益を守るためには革命を起こすしかなくなる。アメリカで「刀狩り」が進められようとしている一因はこれだ。
ところで、アメリカでは特権階級を法律の上に置く人たちがいる。1982年にエール大学、シカゴ大学、ハーバード大学の法学部に所属する「保守的な」学生や法律家によって創設された「フェデラリスト・ソサエティー」で、今では法律の世界で大きな影響力を持っている。
議会に宣戦布告の権限があるとする憲法や1973年の戦争権限法はアナクロニズムだと主張するほか、プライバシー権などを制限、拡大してきた市民権を元に戻し、企業に対する政府の規制を緩和させるべきだとしている。ビル・クリントン大統領を攻撃していた勢力の一員でもあった。この反クリントン・キャンペーンは「アーカンソー・プロジェクト」と呼ばれ、そのスポンサーはリチャード・メロン・スケイフ(メロン財閥の一員)。この人物はフェデラリスト・ソサエティーの後ろ盾でもある。
アメリカの支配層は2001年9月11日の出来事を利用して軍事侵略を公然と開始、国内ではナチス化を推進しはじめ、1973年9月11日のクーデターは「金融無法時代」への道を開いた。2度の「9/11」でこの世は地獄へ近づいた。
要するに、あべぴょんが行っているのは、巨大資本に日本を売り渡すということなのです。通常こういうのを売国奴と言います。しかし不思議なことに、愛国者だと思われているようです。