[櫻井ジャーナル]あのソロスも中露の接近を懸念、日本などが軍事的に対抗しようとすると世界大戦に発展と発言

竹下雅敏氏からの情報です。
 非常に見事な論説だと思います。櫻井ジャーナルでは、アシュトン・カーター国防長官を好戦派と捉え、“アメリカの支配層は…恫喝と対決へ方針を切り替えた”と見ているようです。現状のアメリカの危機と軍事力を考えると、そう見るのは自然に思えます。
 私もこのカーター国防長官が鍵になる人物だと考えています。彼は元々ハルマゲドン(第三次大戦)の容認派だったと思うのですが、ウォーク・インしていた霊が滅びたことで、現在は考えが変わっていると思います。おそらく、裏天皇陣営のベーカー元国務長官のグループに属しているのではないかと見ていますが、もしそうなら、軟着陸を目指していることになります。
 いずれにしても、ブッシュ・ナチ陣営が“自分たちが描いた「予定」から抜け出そうとする気配は見えない”わけで、いずれ、彼らとの最終決戦が起こるのは避けられないと思います。
(竹下雅敏)
――――――――――――――――――――――――
あのソロスも中露の接近を懸念、日本などが軍事的に対抗しようとすると世界大戦に発展と発言
転載元)
ウクライナで軍事的な緊張を高めている勢力を率いているひとり、投機家のジョージ・ソロスは東アジアの軍事的な緊張が高まっていると懸念している。中国と日本のような「アメリカの同盟国」が軍事衝突すれば世界大戦に発展する可能性があるということだ。アメリカの好戦派に使われている安倍晋三のような人物の火遊びが取り返しのつかない事態を招きかねない状況だと見ているのかもしれない。

それほどソロスが中国の動きに注目している理由は、ロシアとの関係が強化されているため。アメリカ支配層としては、中国とロシアを分断し、個別に倒し、略奪していく予定だったはずだが、ネオコン/シオニストの強引で暴力的な戦術がアメリカの支配層を窮地に陥れている。 

狂犬を装い、脅せば何でも思い通りになると思っているらしいネオコン/シオニストのような人びとは中東/北アフリカや中国でアル・カイダ系の武装集団、ウクライナではネオ・ナチを使って体制転覆プロジェクトを展開してきた。チェチェンやジョージアのあたりはアル・カイダ系集団とネオ・ナチの結合地点である。

こうしたネオコンの暴力的なプランはロシアを怒らせただけでなく、中国人のアメリカ幻想を壊し、中露接近を招いた。この2カ国は経済面だけでなく、最近は軍事面でも強く結びつき、先月には地中海で合同軍事演習を実施している。日本海でも両国は演習を計画しているようだ。エネルギーの供給でロシアとEUとの関係が深まれば、アメリカの支配体制は崩壊の危機に直面する。ウクライナのクーデターやマケドニアへの攻撃には「アメリカ帝国」の存亡がかかっている。

ソロスは中国の通貨、元をIMFのSDRの通貨バスケットに加えることを提案、その替わり「法の支配」、つまりアメリカ式のインチキルールに従わせるべきだとしている。通貨バスケットの件は以前から言われていることで、これまで実現していないことが不自然。そうした提案は目新しい物ではなく、そうした段階は過ぎ去っている。 

いわゆる冷戦の時代、アメリカの敵はソ連だった。1991年にソ連が消滅すると中国脅威論が叫ばれるようになるが、その発信源は国防総省のシンクタンク、ONA(ネット評価室)のアンドリュー・マーシャル室長。今年1月、室長を退いたときは92歳だった。

中曽根康弘は首相に就任した直後、1983年1月にアメリカを訪問した際にワシントン・ポスト紙のインタビューを受け、日本を「不沈空母」(正確には「大きな航空母艦」だったらしいが、本質的な差はない)と位置づけ、対馬、津軽、宗谷の三海峡を封鎖してソ連の艦隊を封じ込める意思を示しているが、このときのターゲットはソ連だったが、現在は中国に重心が移動している。

マーシャルの描いた戦略に基づいて1992年にDPGの草案が作成され、その草案に基づいて2000年にはネオコン系シンクタンクのPNACが『米国防の再構築』を発表した。執筆者はステファン・カムボーンやロバート・ケーガン(ビクトリア・ヌランド国務次官補の夫)などのネオコンが名を連ねているが、その中心は下院軍事委員会の元スタッフだったトーマス・ドネリー。2002年からロッキード・マーチンの副社長を務めている。その『米国防の再構築』では東アジア重視が謳われ、オスプレイの導入が推奨されていた。

バラク・オバマ大統領を動かしている人物、あるいは勢力は中国に対する姿勢を軍事的な方向へ変化させている。その象徴がアシュトン・カーター国防長官。今年2月にチャック・ヘーゲルから引き継いだのだが、この新長官は2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。ロシアが強固な関係を結んでしまった中国を、これまでの遣り方で属国化することは難しいとアメリカの支配層は考え、恫喝と対決へ方針を切り替えたと見る人は少なくない。 

 現在、アメリカは基軸通貨を発行する権利を「生命維持装置」として利用、何とか生きながらえている。ドルを発行して物を買い、支払ったドルを投資/投機という形で回収するという仕組みで、一種のマルチ商法。

日本と同様、中国は低コストで生産、輸出で儲けてきたのだが、「公共投資」という形ではなく、真の意味で国内市場を育てるということになると、アメリカにとっては良くない事態。アメリカ市場が必要なくなればドルも必要でなくなり、アメリカは物を買うことも難しくなる。当然、中国とロシアとの取り引きでドルは使われない。

ドルが基軸通貨でなくなると、ドルを発行して商品を買うという手品を使えなくなり、すでに物を作る能力をなくしているアメリカは悲惨なことになる。そうした事態を避けるため、軍事的に中国を制圧して市場を支配、ライバル企業を乗っ取ろうとし、それができなければ有り余る核兵器を使って強請るしかない。最善の方法はアメリカが「唯一の超大国」という幻影を捨て、世界の一員として生きていくことなのだが、自分たちが描いた「予定」から抜け出そうとする気配は見えない。

Comments are closed.