[sputnik]TPP実現で文明間の軍事衝突に発展する恐れ 〜TPPは経済崩壊と共に粉砕〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事によると、“TPPは米国にとってはBRICSを抑止する手段”で、米国がこのままTPPを用いて米国主導の覇権を守ろうとすると、最終的に軍事的な対立が起きてしまうと論じています。
 確かにその通りですが、欧米の経済がこのまま持つとは考えられません。要するに、TPPを含め経済崩壊と共に粉砕されてしまうというのが、私の考えです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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TPP実現で文明間の軍事衝突に発展する恐れ
転載元より抜粋)

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5日夜、アトランタでの環太平洋連携協定(TPP)交渉が最終ラウンドで大筋にいたった。これを受けてロシアでは、先ごろウィキリークスが公表した暴露情報に言及がなされている。情報はTPPは米国にとってはBRICSを抑止する手段であるというものだった。 

モスクワ国際関係大学軍事政治調査センターのアレクセイ・ポドベレズキン所長は、TPPの本質はウィキリークスの暴露が無くても明白として次のように語っている。

© FLICKR/ BACKBONE CAMPAIGN TPP交渉 大筋合意

© FLICKR/ BACKBONE CAMPAIGN
TPP交渉 大筋合意

「米国は環太平洋連携協定を策定し、その長期的戦略の導入ステージにこぎつけた。これにより広範な経済金融連盟が出来上がるものと思われている。ついで言えばこれはもちろん将来には巨大な市場を管理することのできる軍事政治連盟ともなるものだ。問題はこのパートナーから様々な政治的な理由づけでロシア、中国ほか一連の諸国が締め出されているということだ。つまり、これは米国がライバル視している諸国であり、協定のパートナー関係はまさにこれらの国に対抗するものなのだ。」

「スプートニク」:ロシア、中国およびBRICS諸国の報復はどんなものになりうるか?

「これはWTOに対し、なぜある一定の諸国だけに対し、非常に特化した特恵政策が形成されるのか、こういう質問状を送らねばならない。ロシア、中国、ブラジルなど、環太平洋連携協定や大西洋貿易投資パートナーシップからはずされている諸国は新たなパワーの中心だ。これらはWTOのなかで自分たちを環太平洋連携協定や大西洋貿易投資パートナーシップに通さない政策と戦うか、自分たちでそれに代わるものを作り出す必要性に駆られてしまう。 私は、ロシア、中国、インドはユーラシア的協力関係を発展させ、シリアスな軍事政治的協力の要素を加えた一種の地域経済政治陣営を形成すると思う。とはいえ、現段階ではロシア、中国、インドはそうした可能性を否定してはいるが。

「スプートニク」:ということは世界は再び対立する2つの陣営に分かれるということか?

今のところ、米国主導の唯一のパワーの中心が築き上げられている。だが今、この覇権は中国、ロシア、インド、ブラジルと他のパワーの中心が出現することで客観的に疑問を呈する状態となっている。ところが米国は力を行使し、連合国の戦略を用いて米国中心の唯一のパワーの中心という覇権を守りたい。敵対は高まるだろう。私はこれが遅かれ早かれ軍事的な対立に発展することを恐れている。」

「スプートニク」:それを逃れる手段は?

「残念ながら、ない。そのためには米国は、自分たちが一方的な優先を得たこのシステムが不公平であり、変えねばならないことを理解しなければならない。もし米国がこれに向かう覚悟があれば、対立の軍事的局面は回避可能だ。だが、もしこの不公平なシステムを軍事力をも借りて守る構えであれば、対立は、軍事的なものも含めて起きてしまう。

そうなれば、国際社会にどう訴えたところで何の助けにもならない。客観的な経済、政治、軍事上の利益というものが存在する。この利益のために米国、日本、豪州、ニュージーランド、欧州と、ひとつの西側文明に所属する国々は 自分たちに利益となる基準や規則の保持に努めるだろう。だが今他の諸国が勃興してきている。この国々はどうして1ドル当たりわけの分からない金を10セントも支払わねばならないのだと尋ねている。なぜ我々はあなたが西側の利益を遵守し、自らのそれを無視せねばならないのだ? 

西側はこう答えている。あなた方はそうせねばならない。しないのであれば、あなた方の鼻に一発食らわせてやると。あなた方は選択を行なうことができる。おとなしく降参し、西側の決めた規則に従うか、それともこの規則を変えるよう試みるかだ。こういうことは実生活においても政治においてもいつの時代もあったことだ。」

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