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[鈴木宣弘先生×深田萌絵氏] 石破政権の増産政策から一転、高市政権の減反政策は「お金が出ない」その代わりに「おこめ券」/ 「自給率100%」「財政の壁をぶち破る」は本当か?

 石破政権の終盤9月頃に、これまで続いた減反政策からやっと増産政策に舵を切るという画期的な政策転換がありました。令和の米騒動がなぜ起きたかというと「減反をやりすぎた、減反政策が限界に来ていた」ことともう一つ、米価が30年前の半分以下になり、農家が米作りをやめて生産量が減った」ことを挙げられました。農水省は流通業界や農協に責任転嫁していましたが、ついに米不足を認めた政策転換でした。
 しかし高市政権になると、鈴木憲和農水大臣は再び減反政策を表明しました。「おかしいのは、鈴木大臣は価格には関与しない、市場には関与しないと言いながら、生産量を抑制したら価格は上がる。これは価格に関与していることになる。備蓄米も"不足している時だけに出す"というのはすでに市場価格を下げるという効果がある。」と鈴木宣弘先生は矛盾を突きます。
農家に増産してもらって、需給にゆとりを持たせ、財政出動の直接支払いで農家を助け、消費者も米価が安定して助かるという形がまさに「市場に関与しない」win-winの稲作ビジョンですが、これには少なくとも6000億円くらいの財政出動が必要になります。「減反」という旧来の手法に戻るのは、財政出動ができないことと関わってくるのではないか、つまり「お金が出ない」。
 お金を出さずに消費者米価を下げようとして出てきたのが「おこめ券」でした。これは一時的なごまかし政策であるだけでなく、一方で「トランプ大統領のご機嫌をとるのにアメリカのお米を75%増しで輸入する」ことを決めたわけですから、生産の抑制とは全く整合性がとれていない「めちゃくちゃ」です。
 深田萌絵氏は「いつもの自民党から考えると、助成金を増やしたら、中小零細は潰して大企業か外国資本にそのお金を全力で流す。そしてキックバックをもらう、これじゃないかなと思いますよ。積極財政の意味って。」と見抜いておられ、鈴木先生は笑いをこらえて「あるある」というお顔でしたが「自給率100%、積極財政、財政の壁をぶち破る、俺が責任を取る、とまで農水大臣が言っていることに期待したい。」と述べておられました。
(まのじ)
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【緊縮財政の闇】鈴木農水大臣「俺が責任を取る」は本当か?日本のコメ政策が迷走する理由 鈴木宣弘氏 #509
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[今橋伸也氏] 「土は生き物、土さんを感じ取る感性を磨く、土さんと信頼関係を作る」土に信頼されるには感謝して愛情を与えること

読者の方からの情報です。
 今橋さんが高知で新たに借りた、条件の悪い畑(元田んぼ)で、今橋さん自身も忙しくて手をかけられないのに、開墾後すぐに、土は自然栽培ができる形に進化し、作物はありえない成長と稔りをみせ、草は生えず、野生動物も害をなさないということを、動画で紹介されていました。
 これを含め、最近の今橋さんの動画は、意識・心の持ちようが現象世界にこれだけ影響を与えるんだ、と衝撃です。各人の気づきが現象世界に大きな影響を与える、と竹下先生がおっしゃることを映像で見せられた感じです。
 あと、土(もちろん作物、草、微生物、蟲、鳥獣も)を生き物として接するという部分も、形としては私も実践しているつもりですが、中身がずいぶん違うのだなと。生き物として接しても相手の素晴らしさに思い至らないなら(選民思想)、あまり意味はない。
(匿名)
 以前の時事ブログで、今橋伸也氏は「土は生き物であり、生きている生命体として接している」自然農法家だと紹介されていました。読者の方がコメントされているように、今橋さんの言葉を伺っていると、自分の自然への「感謝」もずいぶん粗雑だと気付かされます。
 1つ目の動画は、「水田だった粘土質の耕作放棄地を畑化した圃場」「開墾からスタートして半年経っている」「週末農業でほぼ一人で作業をしている」という状況の畑を見て回ります。出張が多く、今橋さんが畑に入る時間はあまりないそうですが、「みるみるうちに土さんが協力して下さって、見事な畑になりました。」その地域では「キュウリはハクビシンの大好物なので全滅する」と言われたそうですが、今橋さんの畑ではキュウリは一本も食べられていないし、さつま芋もイノシシさんに食べられていません。スギナがいっぱいだった場所は半年でほとんど無くなっていました。ゴマの実はとても大きく虫もついていません。今橋さんは見回る野菜たちに「ありがと!すごい!」と声かけされていました。
 2本目の動画では、今橋さんが自然農法で心がげていることが3つあると教えておられました。
1.自然農法をキッチリする 
無肥料無農薬、自家採種をする、土、作物に感謝をする。これをすると土さんは喜んで野菜ができる。
2.土さんや作物を感じ取る
感じる感性を磨く。感じ取るように心がける。
3.土さんや野菜さんと信頼関係を作る
土さんや野菜から信頼される人になりましょう。信頼されるには、感謝して愛情を与えること。
(まのじ)
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【自然栽培395】誰でもできる!雑草が変わるよ!週末農業でもできるよ!
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【自然栽培397】今橋が教えている3つの大切なこと!これで野菜ができる!
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高市政権「2026年コメ大幅減産」の方針、2025年産米が増産見込みのため / 新しい作況指数での算出に疑問「見込みほどのコメの収穫がない可能性も」

 石破政権の農政は「コメ増産」の方針でしたが、高市政権に代わった早々、2026年産主食用米は減産とする検討を始めました。2025年の収穫量見込みは748万トンですが、2026年の生産量は711万トンに抑える大幅な減産です。
報道によると、2025年産は前年比で68万5千トンの増産で「2026年6月末の民間在庫量は229万トンと過去最大になる見込み」だそうです。供給過剰による米価の下落を抑えるため、2026年の米の需要見通しの最大値711万トンに合わせて、それ以上は減産政策を取るということらしい。
 石破政権では「米価格の高騰」を抑える対策を取りましたが、高市政権の鈴木憲和農水大臣は「需要に応じた生産を原則とし、価格はマーケットの中で決まるべきもの」と述べました。そのマーケットではコメ先物価格が上昇を続けています。
 高橋ひであき氏は「米、本当に足りてる?」という動画の中で、別の視点での懸念をされていました。今の収穫量見込み748万トンは6割くらいの収穫を元に算出していますが、2025年は作況指数が変更され、新しい指標で予想量が算出されたそうです。高橋氏は、いくつかの理由からその指標の精度に疑問をもち、もしかすると今の大幅増産の予想が外れる可能性もあると述べています。そうなれば供給過剰で価格が下がるどころか、さらにコメ価格が高騰する可能性もあります。消費者としては厳しい事態も警戒しておかなければなりません。
 農家が安心して豊作を目指し、消費者が安心して米を買えるように政府が調整弁となって農家の所得補償をすべきですが、やはり高市政権でもムリらしい。鈴木宣弘先生は「農家の体力はこの5年が正念場」と警告されています。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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コメ政策転換、26年は減産 高値継続か、供給過剰を懸念
引用元)
 政府が2026年産主食用米の生産量の目安を711万トンとする方向で検討していることが22日、分かった。今年の収穫量見込みの748万トンからは大幅な減産となる。供給過剰で価格が下落すると生産者の多くが懸念しているとして抑制に動く。コメ不足で増産にかじを切った石破政権の農政からの方針転換となる。ただ供給が細れば、足元のコメ価格の高止まりが続く可能性がある

 増産を主導した石破茂前首相と小泉進次郎前農相の退任により、農家の経営に打撃になるとして生産抑制を主張する自民党内の根強い声が勢いを増したとみられる。

 25年産は前年と比べ68万5千トン増となり、26年6月末の民間在庫量は229万トンと過去最大になる見込み。26年産の需要見通しは今年と同水準の694万~711万トンとし、生産量は需要量の最大値に設定する。
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[高橋ひであき氏] 日本の農業を大規模化、集約化し、外資の参入をしやすい仕組みを作ったのが新浪剛史氏だった / これまでの流れを変えて、日本の自然に寄り添う農業に転換を

 参議院選挙で無所属連合から立候補された高橋ひであき氏が、新浪剛史氏の失脚と日本の農業政策について解説されていました。前半部分は、新浪氏がサントリー会長辞任に至る経緯をたどり、次いで国内外での新浪氏の立場、とりわけ海外での三極委員会、外交問題評議会、そしてダボス会議という新自由主義の中心部にいたことから「海外の枠組みでのクーデターではないか」と推察されていました。
 実は「農業界の今の仕組みを作って来たのは新浪さんと言っても過言ではない(21:45〜)」と、農政への新浪氏の影響を述べています。
2013年に「産業競争力会議」が始まりました。メンバーには新浪氏はもちろん竹中平蔵や榊原定征らダボス会議メンバーがこぞって参加し、ここで決めた「国際競争力を高めよう」「人口減少に備えて働き方改革をしよう」という農業政策が今の日本の農業を滅茶苦茶にしてしまいました。10年後の今、「米は不足し、農業従事者は激減し、輸入は増えて競争力はゼロ」です。
民主党政権から自民党政権に切り替わった頃、「米の直接支払制度」と「米価変動補填交付金」の制度が廃止となりました。この時、「中間管理機構」を作って「農業を企業体に任せる」「大規模化して集約する」ことを推進したのが、農業を全く知らない新浪氏だったと言います。
さらに「国家戦略特区で農業の第6次産業化」を提唱しました。これは、1次産業の農家に作物だけではなく、2次産業のものづくり(工業)、3次産業のサービス業の販売も一体化して担わせて補助金を出すという愚策で大失敗しましたが、高橋氏は「この政策の本当の目的は、資本の参入を促したかったのではないか。農業を保護する農地法の縛りを超えて、出資規制のないGATSガッツ条約(サービスの貿易に関する一般協定)に基づいて、外資であっても農業に参入しやすくするための方便だったのではないか」と指摘しています。
この結果、今は「農作物の価格は上がらない、農業所得も上がらない、農地は減る、担い手も減るという四重苦」に陥っています。竹中平蔵、新浪剛史らの狙いは成功したわけです。
 これまでの流れを作った象徴的な新浪氏が失脚した今、日本が自主独立を果たし自然と寄り添って生きていく農業に流れを変えようと訴えておられました。
(まのじ)
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【疑惑】新浪さんガサ入れ仕組まれた もう農政に絡まないでください
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[鈴木宣弘先生] 令和の米騒動の根源には、日本の貧困化がある / 超党派の議員立法で適正な生産者米価と消費者の価格のギャップを埋める交付金を早急に

 鈴木宣弘先生は、米騒動の問題点を語る前に「アメリカから大変なニュースが入ってきた」と、トランプ大統領が日本の米や農産物の自由化を譲歩させて、代わりに自動車の関税を15%で合意したことを取り上げておられました。「日本国民は全く知らされておらず、相手国から内容を知らされるなど独立国と言えるのか。米(コメ)は日本が絶対に譲ってはいけない最後の砦、命の要、国防の要なのに、それを差し出すので許してくださいということをやっていたら、全て剥ぎ取られて自動車も守れないに決まっている。自動車は元々2.5%の関税だった。」と、日本の「盗人に追い銭」外交を批判しました。
 そしてあらためて、米騒動の原因と何が問題なのかをまとめておられました。米騒動に繋がった歴史的な要因では、戦後の占領政策によって食糧の独立ができなくされたこと、減反政策、農水予算の削減を解説されました。
 6:26からの「米の消費量と生産量の推移」では、2020年頃からすで消費量より生産量が不足していたことがわかります。そこに2023年の猛暑が襲いました。米の消費量が増えているのは、インバウンドが原因ではなく他の食品の価格が高騰し、それに比べて米の価格は低かったので、低所得者層を中心に消費が米にシフトしたというのが真相のようです。2023年の需給ギャップがきっかけとなって大きな米騒動に発展しました。現場がお米を作れなくなっていたことが根源的な原因でした。
 24:24からは、米騒動のもう一つの要因をあげておられました。それは、日本がもうすでに飢餓国の仲間入りしているということでした。今の米価は消費者にとっては、30年前の米価に戻っただけなのに、この30年間で国民の所得の中央値が150万円も減って、お米が買えなくなっている実態がありました。生産者だけでなく、消費者も苦しくなっています。
 鈴木先生の解決策は国内政策によって米・農業を支えるもので、超党派の議員立法「食料安全保障推進法」を提案されています。農業予算にあと3兆円プラスして、かつての5兆円規模に戻し、生産者にとっての標準的な価格(60kgで20000円)と消費者にとっての標準的な価格(60kgで15000円)のギャップを埋める交付金(5000円)を早急に入れるものです。どの党からもこの提案に一定の賛同があったそうです。
(まのじ)
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輸入米で日本のコメを潰す気か
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