![[鈴木宣弘先生] 令和の米騒動の根源には、日本の貧困化がある / 超党派の議員立法で適正な生産者米価と消費者の価格のギャップを埋める交付金を早急に](https://shanti-phula.net/ja/social/blog/wp-content/uploads/2025/07/m725.jpg)
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![[鈴木宣弘先生] コメの需要は膨大にあり、コメ増産とコメ活用で食料自給率は向上する / 脚光をあびる「再生二期作」は増産の決め手になるか](https://shanti-phula.net/ja/social/blog/wp-content/uploads/2025/07/m713.jpg)
[鈴木宣弘先生] コメの需要は膨大にあり、コメ増産とコメ活用で食料自給率は向上する / 脚光をあびる「再生二期作」は増産の決め手になるか
現在枯渇してしまった備蓄米を貯え、常に輸入が途絶えるリスクのある小麦やトウモロコシに依存しないための「コメのパンや麺、飼料米」にシフトすることは安全保障上のコメ需要ですし、「貧困層増大の下でのフードバンクや子ども食堂を通じたコメ支援」のための需要も合わせるとコメ需要は膨大にあるそうです。そして、コメを活用すれば自給率は大幅に向上すると試算されていました。現在カロリーベースで37.6%の自給率ですが、輸入小麦をコメで代替した場合の自給率は、それだけで48.8%になります。「コメの増産と活用が食料自給率向上に大きな効果がある可能性が確認できる。」と期待されていました。
政府は4月にコメ農政の転換を図り「増産」に舵を切りました。石破首相は7月に「不安なく増産に取り組める新たな米政策に転換する」と表明しました。
しかし、コメ農家さんの立場からすると「米を増産するには作付面積を増やさねばならず、増産規模に合わせた新たな農業機械も必要になる」。高齢化が進む農家さんは新たな機械に投資できず、結局、大規模農家でないと利益が出ない構造だそうです。日本のコメ農家の8割が小規模農家で「赤字経営」でがんばっておられるそうです。政府がどんなに増産を推進しようにも所得保障がない限り、現場では無理な状況です。
ところで日経が「増産の手段として脚光を浴びている再生二期作」を紹介していました。通常の二期作のように収穫の後にもう一度田植えをして収穫するのではなく、収穫後の株を残しておいて再生した稲を収穫するようです。「作業量を減らし、労働力や資材コストを抑えることができるため、効率的な農業経営を実現する手段としても注目されている」とのことでした。
しかし日本農業新聞では、再生二期作の注意点として「長期的に見れば地力が落ち、農機の燃料代などコストが増える可能性があるとの声も出ている。多発するイネカメムシへの対応も求められる。」と指摘しています。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

これからは、生産調整から需要創出へ切り替えなくてはいけない。日本の水田をフル活用すれば、今の700万トンから1,300万トンにコメ生産を増やせる。コメ需要はないというのは間違い。備蓄が消費量の1.5 か月分では少なすぎる。備蓄は安全保障上の需要だ。
そして、小麦やとうもろこしの輸入が滞るリスクも高まっている中、コメのパンや麺、飼料米を増やすのは安全保障上のコメ需要で、貧困層増大の下でのフードバンクや子ども食堂を通じたコメ支援も必要だ。備蓄とそれらを合わせたらコメ需要は膨大にある。かつ、コメの活用で自給率は大幅に向上できる。
(以下略)
石破茂首相は7月1日、政府の「米の安定供給等実現関係閣僚会議」で、「令和7年産から増産を進めていく。不安なく増産に取り組める新たな米政策に転換する」と表明した。
(中略)
だが、米を増産するには作付面積を増やさねばならず、増産規模に合わせた新たな農業機械も必要になる。吉成さんはこう話す。
「高齢化が進む米農家が、増産を目指していまさら農業機械を買えるわけがないでしょう。農機がどれほど高額か、知っていますか」
(中略)
「年をとってトラクターが壊れても、400万円を支払って買い替えない」。機械が壊れたら、そこで米作りを引退する小規模農家は多いという。そんな小規模農家が今後、作付面積を増やしたり、リスクを取って農業機械を新たに購入することはまずないだろう。
(以下略)
一度刈った稲をもう一度伸ばして、収穫を二度行う「再生二期作」の機運が高まっている。
(中略)
これまでは温暖な西日本で取り組みが先行してきたが、東日本の主産地でも米を安定調達したい卸業者も参画した試みが動き出している。産地からは「米価の回復もあり、機運が高まっている」との声も上がる。
(中略)
離農の進行で生産基盤の弱体化が懸念される中、再生二期作を含め「農家の生産性を高めていくことが、米の長期的な安定確保につながる」(米卸)との声が上がる。
一方、再生二期作には注意すべき点もある。長期的に見れば地力が落ち、農機の燃料代などコストが増える可能性があるとの声も出ている。多発するイネカメムシへの対応も求められる。
各地の実践事例を共有・分析し、安定栽培に向けた知見を積み重ねる必要がある。食味はどうかや、米の全体需給にどれほどの影響があるのかも含め、まずは再生二期作の実態把握から始めよう。

小泉スンズロー劇場が始まっている「作況指数の廃止」「米増産で経団連と協力開始」〜 米の生産量の実態を隠し、水田を潰し小麦などモノカルチャーで輸出作物に転換する「策略」が見える
続く17日には、なぜか「経団連の筒井義信会長ら幹部」と「企業の農業参入の促進や輸出の強化などの4つの課題について検討を進めると合意した」と報じられました。米の増産に経団連の協力が必要だとはこれいかに。具体的には ①企業の農業参入促進 ②コメ流通などでのデータ連携・利活用 ③スマート農業機械などの開発や高速通信環境の整備 ④海外市場の開拓による輸出や国際的な供給網の強化」で、米の増産を進めると言う。また農地については「大区画化、大規模化、集約化を徹底的に進め、農地の所有や利用に関する要件も緩和する方針です。民営化、いや外資の私物化の臭いがプンプンします。
「作況指数」の廃止については、キシキン先生の解説が面白かったです。政府発表では2024年は約53万トンの米不足となっています。ところが深田萌絵氏の「政経プラットフォーム」で語られていた山田元農相の解説を元に(1:05〜)政府の発表した作況指数101が実際は94だったとすると2023年、2024年の不足分合わせて約122万トンが不足していることになるそうです。キシキン先生は「作況指数」と現実の大幅な乖離を隠すために廃止するのではないかと睨んでいます。「今後、国産米を安く安定的に食べ続けたいと言う人は、最低でも自民・公明・維新の3党には絶対に投票してはいけません!」ついでに言えば、自民と大連立を画策する立憲も危険です。
小泉農相と経団連との「増産計画」については、吉野敏明氏が危険な「彼らの策略」を指摘されていました。(1:43〜)。「大規模化、大区画化をするということは、日本人が先祖代々継いできた水田などの土地を取り払って、民間のものにして会社経営をするということ。集約化とか労働生産性とか効率化するということは、つまり株式会社化して、外国人の安い労働力を使って、利益を上げて株主に配当すること。」「海外市場の開拓をするとは、米を増産して海外輸出をするのではない。水田を潰して小麦畑にしてカーギルなどの穀物メジャーがビジネスとして輸出する。」「本気で米を増産したいのであれば、減反で使っていなかった田んぼを再度活かせばいいだけの話だ。」
スンズロー大臣を持ち上げる売国メディアに乗せられることなく、参院選で主食を取り戻そう。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

(中略)
作況指数は収穫量調査に基づき、10アールあたりの収穫量を直近30年間と比較して算出する。1956年から公表してきた。小泉氏は「我々自身が見直すべきことはしっかり進めていく。民間にも流通構造の把握、見える化に協力してほしい」と話した。
収穫量調査は気象や人工衛星などのデータを活用して精度を向上する。標本調査に過度に依存する手法を改め、大規模生産者の実際の収穫量のデータを反映するようにする。
(以下略)
(中略) 具体的には①企業の農業参入促進②コメ流通などでのデータ連携・利活用③スマート農業機械などの開発や高速通信環境の整備④海外市場の開拓による輸出や国際的な供給網の強化――を挙げた。
(中略)
小泉氏は農地について「大区画化、大規模化、集約化を徹底的に進めなければなかなか企業参入も進まない」と提起した。農地の所有や利用に関する要件の緩和も検討課題になるとの認識を示した。
(以下略)
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“ヒーロー”小泉進次郎大臣に与えられた使命は「日本の備蓄米ゼロ」、吉野敏明氏によるファンタジー予想「新たな感染症でロックダウンと貿易停止そして日本を完全植民地化」
こうした動揺の中、日本誠真会党首の吉野敏明氏が小泉大臣の方針に対して、あまりにも図星でリアリティのある指摘をされていました。
曰く「このまま政府備蓄米を無制限に放出しても8月上旬には全部無くなる。その時、輸入できなかったらどうするのか。大規模災害で日本の港が使えないという可能性は低いかもしれない。しかし、新しい感染症が起きたらどうするのか。ロックダウン。感染症を理由に貿易を止めることができる。WHOパンデミック条約に関わるIHRでは貿易のコントロールをすると明記されている。」
そして吉野氏は「これはファンタジー、作り話だ」と念押しした上で次のような展開を語られました。「政府備蓄米をゼロにするのが彼の仕事」「小泉進次郎は操り人形。小泉進次郎が大臣になって米の値段が安くなりました。小泉さんのおかげなんです!スゴいんだ小泉!と、マスコミを使って煽ります。国民を守るんだ!備蓄米を無制限に放出するんだ!と言って備蓄米をゼロにします。足りない米は輸入するんだ!と言って輸入します。そこに新しい感染症が起きます。大変だ、貿易が止まった。早くワクチンを打って事態を鎮静化しなければ。そうして日本の農業は壊滅します。日本の農地はメガソーラーになります。カーギルという穀物メジャーが小泉大臣にこう言います。"農協って協同組合で買収できない。スキャンダルをいっぱい出して株式会社化しろ。民営化で解決すると言って来い。そうしてカーギルが株主になれるように印象操作しろ" そして日本に居る外国人労働者、移民に安い労働力で農家をやらせます。米・田んぼは全部小麦・とうもろこし・大豆にします。カーギルは四毒の『小麦粉・植物性油・とうもろこしの飼料』を作らせます。それでも働きたい日本人は奴隷になります。日本の農地は全部取られて『世界商品』である小麦や植物性油などを作ってカーギルは儲かりました。日本は完全に植民地になりました。めでたし、めでたし。」
吉野氏は他に、お米は籾殻をつけたままであれば美味しさを保ったまま20年は保管できるという重要な情報を伝えておられました(7:50〜)。
備蓄米が尽きた場合、外国産米の緊急輸入を検討 小泉農相が明かす https://t.co/ROKcnRFqa7
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) June 6, 2025
備蓄米が尽きた場合、外国産米の緊急輸入を検討 小泉農相が明かす
— 勇気🇯🇵 (@iloveyoulove777) June 6, 2025
輸入する前に、まず輸出やめろよ❗https://t.co/rMi4rgiPMI
あと5年もすれば日本から完全に農民が消える。村が消える。企業型農業が少し残るだけだ。そんな日本で良いのか?鹿児島県の知覧に行ってきた。特攻隊の出撃基地だった。俺は団塊の世代。彼らが託した未来世代だ。このままなら終われない。彼らにすまない!俺は今、コメの輸入反対の為に上京中だ。
— 菅野芳秀 (@NarubeTane) June 4, 2025
小泉氏「必要であれば無制限に備蓄米を放出する、なくなったら外国産の緊急輸入を」これ以上備蓄米を出すな、���災害での食料が無くなる、日本人が滅んでしまう! https://t.co/OMqN9y0Phw
— 吉野敏明(よしりん) (@yoshirin100) June 6, 2025
![[高橋ひであき氏] 小泉農水大臣の「5kg2,000円」に騙されてはいけない「随意契約」で中間業者を不要に見せかけ、JA解体論に誘導される危険](https://shanti-phula.net/ja/social/blog/wp-content/uploads/2025/05/m529.jpg)
[高橋ひであき氏] 小泉農水大臣の「5kg2,000円」に騙されてはいけない「随意契約」で中間業者を不要に見せかけ、JA解体論に誘導される危険
ところが備蓄米30万トンの実態が実は「古古米」20万トンと「古古古米」10万トンで、家畜飼料となる一歩手前の米相当では2,000円が妥当な価格なのだそうです。誰が大臣でもこの価格。しかも「随意契約」というワードはもっぱら財務省が使用するものだそうです。
この随意契約のカラクリを説明されていた高橋ひであき氏の動画を読者の方から教えていただきました。それによると、政府備蓄米60kgあたり1万1,879円だった価格が集荷業者のJAや卸売業者を介して小売業者に売ると店頭の価格は4万3,272円となり、60kg当たり3万1,393円の上乗せ分があったことになります。そこで政府の随意契約の内容では、集荷のJAや卸の中間業者を省いて、安く販売できるようにしたということのようです。
ところが、JAや卸売業者などプロが担ってきた集荷や配送、保管などを国が代わりにすると言っても現実には無理で、結局同じところに再委託し、それを国費で負担することになるのではないかと見ています。JAの強力な配送網やスリム化された効率的な卸売業者を失うと作業は煩雑になりコストもかかるはずですが、上乗せが必要な中間業者の仕事を一時的に国が肩代わりして不要に見せかけ、価格は大幅に下がると、国民にとって「JAは不要だった」という世論が形成される危険があるのではないか、JA解体論に騙されてはいけないと高橋氏は危惧されていました。
備蓄米「店頭で2000円実現」 小泉進次郎農相が表明https://t.co/cEbs7OVpQl
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 24, 2025
放出量は「まず30万トン」。大手の小売りを対象に、随意契約で放出。国による買い戻しの条件もなくします。楽天グループは「楽天市場」での販売を検討します。
まず30万トンじゃなくてこれでラストだよ。すでに備蓄米の新しい米から順に31万トンを放出している
— 越前🐕 (@taraba777) May 24, 2025
この30万トンには古古古米が含まれこれ以降は4年前5年前の米になってしまう。こんなものいりますか? pic.twitter.com/69bRJjXL0r
やっぱり‼️政府が放出する備蓄米は、古古米20万tと古古古米10万t‼️ いくら玄米で保管していたとしても、NYで2000円台で売られている『新米』と比べたら、味の劣化は否めません。日本人に古い米を食べさせて、アメリカ人には新米を安値で提供⁉️輸出米を回収しに来い、すんずろー!… pic.twitter.com/jqyV9vSH7f
— New York サバイバル (@NewYork77994401) May 26, 2025
古古米、古古古米利用なら価格、小泉農相が威張れることで全くない。新米(24年収穫5KG当たり、ネット情報):約4,000円~5,000円、 古米(23年収穫)約,500円~4,000、古古米(22年収穫)価格: 2,000円~3,000円、古古古米1,000円~2,000円家畜飼料一歩手前
— 孫崎 享 (@magosaki_ukeru) May 28, 2025
実家も農家をしており、私も田植えや刈取り時期は手伝うのですが、古古古米というのを聞いて、目が点になりました。そんなものを備蓄米として大量ストックしていた事や、それを2000円台で販売するってあまりにも衝撃で。国民に対して失礼だし、詐欺レベルだし、もう開いた口が塞がらない。 https://t.co/bWTzN7EaVB
— @ひまわり@ (@sun_flower0706) May 28, 2025
進次郎が供給する米は『古古古米、ほぼ家畜の餌』と判明し批判殺到/米農家「味は劣悪、人は食べない」
— 金剛地武志 (@kongochi) May 28, 2025
だそうで、むしろ「小泉米」のネーミングで良い気がしてきた。
#古古古古米 パッケージ案w#小泉米 #古泉米 #古古古米 pic.twitter.com/Gmtydckp1y
— ヒカス(石破でも三浦でもないw) (@hikasu) May 28, 2025
そしてあらためて、米騒動の原因と何が問題なのかをまとめておられました。米騒動に繋がった歴史的な要因では、戦後の占領政策によって食糧の独立ができなくされたこと、減反政策、農水予算の削減を解説されました。
6:26からの「米の消費量と生産量の推移」では、2020年頃からすで消費量より生産量が不足していたことがわかります。そこに2023年の猛暑が襲いました。米の消費量が増えているのは、インバウンドが原因ではなく他の食品の価格が高騰し、それに比べて米の価格は低かったので、低所得者層を中心に消費が米にシフトしたというのが真相のようです。2023年の需給ギャップがきっかけとなって大きな米騒動に発展しました。現場がお米を作れなくなっていたことが根源的な原因でした。
24:24からは、米騒動のもう一つの要因をあげておられました。それは、日本がもうすでに飢餓国の仲間入りしているということでした。今の米価は消費者にとっては、30年前の米価に戻っただけなのに、この30年間で国民の所得の中央値が150万円も減って、お米が買えなくなっている実態がありました。生産者だけでなく、消費者も苦しくなっています。
鈴木先生の解決策は国内政策によって米・農業を支えるもので、超党派の議員立法「食料安全保障推進法」を提案されています。農業予算にあと3兆円プラスして、かつての5兆円規模に戻し、生産者にとっての標準的な価格(60kgで20000円)と消費者にとっての標準的な価格(60kgで15000円)のギャップを埋める交付金(5000円)を早急に入れるものです。どの党からもこの提案に一定の賛同があったそうです。