アーカイブ: まのじ

ついに4月からNHK受信料の暴利の割増金制度が始まる / NHK契約の強制は国民監視社会を予感させる / 番組の向上と公共性は相容れない / 広報機関NHKは民意で拒否できる

 「NHKが受信契約に正当な理由なく応じない人に割増金を請求できる制度」をついに4月から強行するようです。総務省は国民の非難の声を無視してNHKの規約変更の申請を認めました。これによってテレビを設置した翌々月の末日までにNHKとの受信契約をすることが義務付けられ、この期限を過ぎた場合の割増金は受信料の2倍、つまり通常の受信料に2倍の金額の割増金が上乗せされ、計3倍の額がNHKに請求されます。
 このNHKと政府が結託した異常な集金活動について、ネット上で興味深いコメントが見られました。ハナからNHKを観る気のない人は「ドンキのチューナーレスTVに買い換える」とか「もうTVは買わない」ことになりそうですが、それでもNHKが受信料を取ろうとする時は「マイナンバーカードにワンセグを付けて強制的にNHKと契約するとか、部屋に一台づつTVがある『1984』のテレスクリーンのように。」という世界をイメージする方がおられました。現実にNHK側が「テレビを設置していない証拠を見せろ」などと本末転倒な横暴を迫る事態が起こっているようです。多くの人々が訴えているように「スクランブルをかける」解決策をNHKは取りません。森山高至氏によると「スクランブルかけたら、契約者が半減することがわかっているからです。」さらにハッとしたのは、NHKの番組の劣化について「番組のレベルを上げると視聴率は落ちるのです。 だから、NHKの社内評価に視聴率を入れてはいけないのです。 なので、NHKは人々に広く見られない前提で、公共性はない前提で番組づくりと事業計画を考え直す必要があるのです。」とのコメントでした。視聴者におもねることのない番組作りと公共性は相容れないのか。有馬哲夫氏は「日本が戦争に向かうとき政府は日本放送協会を抱き込んだ。以来、逓信省、通信省、郵政省、総務省、名は変われど一環して、政府機関とNHKは癒着してきた。政府は広報機関としてのNHKを手放したくない。」と、そもそもNHKが国民の知的向上のためにあるのではないことを指摘されていました。しかし最後に「だが、民意を示せば諦める」とも。いわれのない受信料どころか、NHK自体を私たちは拒否する。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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松野氏「公平負担を徹底」 NHK受信料割増金導入
引用元)
 松野博一官房長官は19日の記者会見で、NHKが受信契約に正当な理由なく応じない人に割増金を請求できる制度を4月に導入することについて「受信料の支払率向上と視聴者の公平負担の徹底を促進するものだ」と述べた。NHKに対しては、受信料制度の丁寧な説明と支払いを要請する努力を重ねるよう求めた
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NHKそもそもガッポリなのに受信料未払い「罰金3倍」導入…闇金融も真っ青の取り立てぶり
引用元)
 4月から正当な理由もなく期限内に受信契約に応じない人に対し、NHKが「割増金」を課す制度を導入することになった。NHKは昨年12月に規約変更を申請し、総務省が今月18日付で認めた。

 規約変更により、従来「遅滞なく」としていた受信契約の申込期限が「テレビ設置から翌々月の末日まで」に。問題はこの期限を過ぎた場合の割増金の水準でナント、支払うべき受信料の「2倍」。実際には通常の受信料に割増金を上乗せし、計3倍の額が請求される
(以下略)

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2023年1月4日マイナポータルの利用規約が改訂された 〜 免責事項など批判を浴びた問題箇所が「ほぼ全て削除され」利用者保護は曖昧に

読者の方からの情報です。
 岡山県備前市のマイナンバーカード差別の報道を知ったタイミングで、読者の方からマイナンバーカード返納の動画が届きました。返納の理由と手続の流れが紹介されています。
 以前に、マイナンバーカードを健康保険証として利用する際はマイナポータルへの申し込みが必要という情報がありました。さらにそのマイナポータルの「利用規約が酷い」ことが、らん氏のツイートによって明らかにされ大拡散しました。あらゆる責任を利用者つまり国民が負うことや、内閣総理大臣に対して個人情報を明け渡す同意が義務化されるなど、基本的人権を損なうものでした。2022年12月にマイナンバーカードを返納された「備蓄情報チャンネル」さんも「安全性の不安」を理由に挙げておられました。返納の手続そのものは、マイナンバーカードを持参し、廃止届に記入するだけだったそうです。
 さて、動画でも不安視されていた「利用規約」ですが、その後、2023年1月4日にしれっと改訂されていました。現在は動画で解説されていた条文、つまり、らん氏が指摘された要素は「ほぼ全て削除され」「全く違う内容に全体が変化しました。」
 免責事項については、デジタル庁の過失であったとしても全面的に自己責任だったものが、故意・重過失により損害を負ったケースでは自己責任ではなくなっています。また「デジタル庁に対しいかなる責任も負担させないものとします。」とあった文面が消えています。改正後にマイナポータルを利用すると、改正後の利用規約に同意したことになります。そして個人情報の開示先が、内閣総理大臣からデジタル庁に替わりました。改訂されて利用者の保護が進んだわけではなく、責任の所在は曖昧になっています。
 やはり返納が正解のようです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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私、マイナンバーカードを返納してきました。
配信元)
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配信元)

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米軍が予定していた沖縄県宮古島市の下地島空港での軍事訓練を取り止め 〜 理由は「沖縄県に自粛を求められたから」?/ 一方、神奈川県は寝耳に水の横浜ノース・ドック米軍配備

 米軍の、とても気になる不思議なニュースがありました。1月17日、米軍が訓練使用のため沖縄県宮古島市の下地島空港を使用すると通告をしていました。米軍機の下地島空港の使用は2006年以来で、軍事目的は初めてのことです。12日に行われた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)での協議も踏まえ、これをきっかけに米軍が恒常的に下地島空港を使用する可能性も懸念されていました。それに対して沖縄県は、民間機以外は同空港を使用しないことが確認された「屋良覚書」を根拠に、米軍に使用自粛を口頭で求めていました。
 しかし日本には日米地位協定があります。「日米地位協定第5条は米側が適当な通告をすれば着陸料や入港料を支払わずに、民間の空港、港湾を利用できると定めている。米側はこの規定に基づき、下地島空港を使用する意向を示している。」とあるように、沖縄県の申し入れを受け入れるはずがないとの予想でした。
 ところが1月20日、予想に反して米軍は「下地島空港の使用は見送る」と連絡してきたのです。え?
しかもその理由が「沖縄県が使用を拒否したから」ええ?
かつて米軍が沖縄県の要請を聞いたことがあったか?
米海兵隊政務外交部では、訓練取りやめの決定を知らなかった様子もあり「組織内で対応に混乱が見られる場面も」と報じられました。
 一方、12日の「2プラス2」の共同発表の中には、「閣僚は、日本における同盟の海上機動力を更に強化するため、2023年に予定される、横浜ノース・ドックにおける小型揚陸艇部隊の新編を歓迎した」とあり、それが神奈川県には寝耳に水であったことがIWJの取材で明らかになっています。   
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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米軍、下地島空港の訓練使用見送りを沖縄県に連絡 理由に「県が使用を拒否」
引用元)
 米軍が今月末に沖縄県宮古島市の下地島空港を訓練で使用するため、同空港を管理する県に「空港使用届」を提出していた件で、在沖米海兵隊の政務外交部は19日、県基地対策課に対して「下地島空港の使用は見送る」と連絡した。基地対策課は、同空港を管理する空港課にも情報を共有し、空港課も了承した。
(中略)
 県によると米側は、訓練を見送る理由として「県が使用を拒否した」ことを挙げたという。
(中略)
一方、県には18日時点では米側から訓練取りやめの連絡は入ってなかった。19日午前の段階でも、米海兵隊政務外交部は「訓練取りやめ」が報じられたことについて、県に対し「われわれからそのようなことを話した覚えはない。海兵隊の報道部で報道のように捉えられかねない発表をした可能性があり、確認中だ」と説明するなど、組織内で対応に混乱が見られる場面もあった
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米軍が下地島空港の訓練使用を通告 今月末 沖縄県、軍事目的で使用しない「屋良覚書」基づき自粛要請へ
引用元)
 米軍が今月末に沖縄県宮古島市の下地島空港を訓練で使用するため、同空港を管理する県に「空港使用届」を提出していることが17日、明らかになった。県によると、31日午後0時半~同1時半までの1時間、米軍普天間飛行場との間を行き来するとしている。米軍機の下地島空港使用は2006年以来で、訓練目的は初とみられる。下地島空港は「屋良覚書」で、軍事目的で使用しないと明確に示されており、県は使用の自粛を求める方針だ
(中略)
12日に行われた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、安保関連3文書も踏まえ、民間用を含む空港・港湾の柔軟な使用を自衛隊だけでなく米軍も含めた2国間協力に発展させることで一致。米軍はその翌13日に使用届を県に出した。恒常的に使用する端緒となる可能性がある。
(以下略)
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■はじめに~地元自治体はおろか、防衛省も外務省も詳細がわからないのに「2+2」で突如発表された横浜ノース・ドックの米陸軍小型揚陸艇部隊新編! 施設返還を求め続けてきた横浜市も市議会も神奈川県も、IWJ記者の取材に、説明できない国への困惑といらだちを表明!! これが安全保障の主権のない国の現実!
引用元)
(前略)
日米安全保障協議委員会(「2+2」)の共同発表が公表された1月12日、神奈川県が黒岩祐治神奈川県知事名でコメントを発表しました。

 黒岩知事は「本日、国から、日米安全保障協議委員会(日米『2+2』)において、在日米軍の態勢の最適化に向けた取組の一環として、横浜ノース・ドックにおける米陸軍小型揚陸艇部隊の新編が合意されたとの情報提供を受けました」とした上で、「国の説明によれば、厳しさを増す安全保障環境に対応するための取組とのことですが、横浜ノース・ドックは横浜港の中心に位置し、都市部に所在していることから、基地周辺への影響をできるだけ少なくするような対策が必要です」と表明し、国からの情報提供や基地周辺への対策を求めています
(中略)
神奈川県政策局基地対策部基地対策課の舘野課長は、IWJ記者の取材に応じて「『2+2』の決定が、日本時間の12日未明だったと思いますが、防衛省の担当職員が説明に来たのが、その日の午前中でした」と述べ、数日前に防衛省から来庁のアポ取りの連絡はあったものの、「ノース・ドックに関すること」という以上の情報は知らされていなかったと、突然の通知だったことを明らかにしました
(以下略)

福岡市が0歳から2歳の保育料を、所得制限なしに完全無償化「トップが決断さえすれば、本当は全国どこでもできること」〜 地方自治の真価が問われる時代に

 言わずと知れた明石市の泉房穂市長が、「福岡市の保育料の完全無償化(所得制限なし)」を評価されていました。現在、国は3歳から5歳の保育料を無償化しています。福岡市では0歳から2歳を対象に、第2子以降の保育料を所得制限を設けずに無償化する方針を決めたとあります。福岡市はこれまで住民税非課税世帯を対象とした無償化や減額を設けていましたが、所得による差別化を無くして「福岡市の子育て支援」を打ち出しました。「トップが決断さえすれば、本当は全国どこでもできることだ」との、泉房穂市長のメッセージは、政治家だけでなく私たち市民にとっても刺激的です。「本来は『国』が全国一律でやるべきこと」をやろうとしない岸田政権ですが、有権者がそれぞれ地元の知事、市長、地方議員をまともな人物に入れ替えれば、生活は変わることを示していただきました。
 市町村の「オーガニック給食」の取り組み、あるいは、備前市の「マイナンバーカード取得差別」などを見ていると、政府が押し付けてくる政策を地方自治体がどのように受け止めるのか、そのまま下請け企業のようになってしまうのか、独自の福祉に乗り出すのかで、住民の幸福度は大きく変わる時代だと思います。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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福岡市、第2子以降の保育料無償化 所得制限なし 23年度から
引用元)
 福岡市は2023年度から、第2子以降の保育料を所得制限を設けずに無償化する方針を固めた。0~2歳児が対象。23年度一般会計当初予算案に関連事業費を盛り込む。23年度一般会計当初予算案の総額は、22年度並みの1兆200億~1兆700億円程度となる見込み。
(中略)
 現在、国は3~5歳児の保育料を無償化。同市では0~2歳児の保育料について、住民税非課税世帯を対象に無償化し、同じ世帯で2人以上の子どもが同時に保育施設を利用している場合、第2子が半額、第3子以降は無償としている。
(以下略)

岡山県備前市がマイナンバーカード取得を条件に市民への福祉を差別する 〜 その背景に地方交付金を人質にしてカード取得普及を迫る国のイジメ

 岡山県備前市が、マイナンバーカードを世帯全員で取得した世帯と、作らない世帯とで公共サービスに差別をする方針だと報じられました。カードを取得した世帯であれば、小中学校の給食費や学用品費、保育園やこども園の保育料が無償になります。また農業・漁業の補助金を得るにも世帯全員のカード取得という条件が設けられたようです。地方自治体でこんなにも堂々と差別的な発想が通ってしまうことに驚きます。さすがに市民からは抗議の声が上がり、市議会でも問題視されたようですが、東京新聞の記事によると市長の意向もあり、市側はこの方針を進めるとあります。
 このように地方自治体として大問題なことをやってしまう背景は、政府の脅迫的な方針があるようです。「マイナカードの交付率を地方交付税の算定に反映させ」「交付率が平均未満の約630自治体を『重点的フォローアップ対象団体』と名指しして対策強化を要請」「一部交付金について、『カード申請率が全国平均交付率以上』を応募要件とする」など、政府がイジメのように都道府県を競わせ、交付金を人質にしてカード取得を押し付けています。自治体はさながら国の下請け企業のように「カード普及100%」を目指し、それによって不利益を受ける市民へは「今後、課題が出てくれば検討する」のだそうです。
 東京新聞の記事では、この備前市の問題のほか、行政機関が把握している国民の公金受取口座を、本人の同意なくマイナンバーの公金受取口座に登録できるようにする問題や、マイナンバーの利用範囲を拡大する問題も指摘しています。そして専門家の「普及にこれほどまでのコストをかけても、利便性が向上したとは感じられないのが一番の問題。自治体ごとにばらばらだったシステムを連携するのにもコストと手間がかかる。IT業者がもうかるだけだ」とのコメントを載せています。不便で危険で失敗が確実なマイナンバー制度を、それでも政府が進めるのは、混乱を引き起こし、その先の狙いがあるのではないかと心配です。
 地方自治体が国の思惑に乗らず、市民のための行政を見定める時だと思います。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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給食費と引き換えに「マイナカード作れ」と市が通知 背景に見える国の強引な普及策
引用元)
 世帯全員がマイナンバーカードを作れば給食費や学用品費は無償、でも作らないと有料—。昨年12月、岡山県備前市が子育て中の保護者あてに、こんな通知を出していたことが分かった。同市は保育園の保育料無償化も、農林水産関係の補助金も同様の条件付けをする方針だ。あくまで任意取得のはずのマイナカードの有無で、市民への給付に差がつくのは問題が大きい。背景には国の強引すぎるカード普及策がありそうだ
(中略)
政府は昨年6月に閣議決定した「デジタル田園都市国家構想」の基本方針で、マイナカードの交付率を地方交付税の算定に反映させることに言及した。その後、交付率が平均未満の約630自治体を「重点的フォローアップ対象団体」と名指しして対策強化を要請。一部交付金について、「カード申請率が全国平均交付率以上」を応募要件とする仕組みを検討している。
地方交付税は一般財源として中立性が必要。特定の政策を優先させるよう自治体を誘導してはいけないし、政策の進捗しんちょく程度で自治体を差別してもいけない。交付税の補助金化で、非常に不適切だ」。東京大の金井利之教授(自治体行政学)はこう指摘する。自治体にも「自主的にせよ、国に誘導されたにせよ、普及のために住民をカネで釣るのも問題だ」とくぎを刺す。
(以下略)