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[芳ちゃんのブログ]世界的に著名なピアニスト、ワレンティーナ・リシツアが脅迫にもめげずに、ドネツクでコンサートを開催

 上の動画で、超絶技巧を要するベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」第3楽章をいとも簡単に弾きこなしているのは、ウクライナ出身のピアニストのワレンティーナ・リシツアさんです。(ちなみに、伸筋奏法の類に分類されるのではないかと思いました。)再生回数は1400万を突破しています。下の動画は、第1〜3楽章まであります。第1楽章を耳にしたことがある方は多いと思います。
 インタヴュー記事があったので読んでみると、ウクライナの内戦に関して正しく理解している一人だと思いました。そのせいで、去年は、ウクライナ政府に肩入れするパトロンらが交響楽団に対してワレンティーナ・レシツアとの共演をやめるようにと圧力をかけてきたようです。ですが、そんなことにめげる玉ではなさそうです。
 ワレンティーナさんによると、迫害を受けてきた"ドンバスの人たちは、たとえば、屋根の修理をしていますが、合板は使ってはいません。真新しいきれいなスレートを使って屋根を修理しているのです。つまり、やがて平和がやって来ることを皆さんは信じ切っており、今まさに自分たちの将来を築こうとしている"とのこと、これは素晴らしいことだと思いました。ワレンティーナさんの演奏は、そうした人々の大きな励みになっていると思います。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」第3楽章
配信元)

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ベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」第1〜3楽章
配信元)

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世界的に著名なピアニスト、ワレンティーナ・リシツアが脅迫にもめげずに、ドネツクでコンサートを開催
転載元)
ワレンティーナ・リシツアというウクライナ出身のピアニストをご存知だろうか?

インターネットでは彼女が演奏するクラシックのピアノ曲は非常に多く、個々の動画へのアクセス数に注目すると百万を超すものがたくさんある。ベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」第3楽章https://youtu.be/zucBfXpCA6sはそのアクセス数が1400万を昨日(6月16日)突破した。

(中略) 

昨年の春、カナダではクラシック音楽界に異常事態が発生した。

トロント交響楽団が迫っていたワレンティーナ・レシツアとの演奏を解約したのである。理由はウクライナの内戦に関して彼女がツイッターでウクライナ東部の分離派の住民に肩を持った発言をしたからというものであった。この仕打ちを受けて、彼女が政治的な発言を控えるようになったのかというと、決してそうではない。彼女は一歩も後へ引かなかったのである。

トロント交響楽団側については、交響楽団へ寄付をしている大物の間にはウクライナ政府に肩入れするウクライナ系のカナダ人たちがいて、彼らが交響楽団に対してワレンティーナ・レシツアとの共演をやめるようにと圧力を掛けて来たものだと言われている。

このピアニストは個人的な政治的見解を巡ってトロント交響楽団との共演を破棄されると言う憂き目に遭遇した。本来ならばカナダの一地方のニュースではあったのだが、これが「ウクライナ紛争」という政治的な絡みから国際メディアに乗っかり、この報道はあっという間に世界中を駆け巡った。皮肉にも、すでにインターネット上では素晴らしい知名度を上げていた彼女は、新たに、世界中でそれにも勝るような注目を受けることになったのである。

(中略) 

彼女はこう言った。「私はラフマニノフを演奏する予定だったのよ。演奏会場で政治について説教する積りなんて毛頭ないわ!」 [注1]

ロシアの「コムソモルスカヤ・プラウダ」紙の特派員、アレクサンダー・コッツ(AK)とドミトリー・ステシン(DS)がこの著名なコンサート・ピアニストがドネツクでコンサートを開催する前に彼女とのインタビューを行った [注2]。

(中略) 

<引用開始> 
原典はコムソモルスカヤ・プラウダ紙にて出版された。ロシア語からの英訳:アレクサンダー・フェドトフによる。

(中略) 

AK & DS – 我々は2014年の3月以降、最初の時期からこちらで演奏会をして来ました。この地へやって来て、ドンバスの人々を支援しようとする音楽家や俳優は決して多くはなく、この現状は悲しいことです。片手で数えられるほどしかいません。しかし、あなたはこちらではもう二回目ですよね。

ワレンティーナ・リシツア(VL)私はドンバスの状況を最初の頃から詳細に観察して来ました。私のハートは出血しているままで、止まりそうにもありません。マイダン革命については、私は皆さんとは違った見方をしています。(中略)…最近のマイダン革命に参加した若者たちは本当に気の毒だと思います。彼らは素晴らしい将来を夢見ていたんです。私もそういう経験をして来ていますから、すべてが分かります。

オデッサは私にとっては大打撃でした。何故かと言いますと、オデッサは私の祖先の地だからです。彼の地で起こったことに私は恐怖に襲われ、目を背けることはできませんでした。(中略)…ドンバスで起こった事は幸運にもクリミアでは起こりませんでした・・・ 

私は人々を助けてあげたいと思ったのです。私はピアニストです。私の武器は自分の音楽だけです。そして、音楽は非常に強力な武器であることが判ったのです。私がこの地で初めて演奏をした時に私は気付いたんです。音楽はただ単に気を紛らわせるためのものではないし、すべてを所有しているエリートたちの専有物でもないのです。そういうものではなくて、人々は音楽を必要としています。それは酸素が必要であるのと同じです。

(中略) 

この地域の人たちからすべてを剥奪しようとして、流血沙汰を含めて、さまざまな試みが成されて来ました。皆さんが如何に音楽を渇望しているのかを私は感じ取っています。ここに居ることが如何に危険であるか、あるいは、西側が私の事をどのように見るのかについては考えないことにしています。

(中略) 

AK & DS – 90年代に戻りましょう。「言論の自由」のすべてを手にしたにもかかわらず、西側には秘密のスイッチがあります。そのスイッチを切ると、たとえ有名であって、非常にタレントに恵まれていようとも、その人物は消されてしまうということが判っています。永久にです。あなたが自分の聴衆を失うといった事態が心配にはなりませんか?

VL(中略)…昨年、私はカナダでの演奏から締め出されました。しかし、最近、私はトロントで演奏をしました。入場券は売り切れて、私が壇上に立った時には皆さんが立ち上がって私を迎えてくれました。実際には、考え深い人たちが実にたくさんいるのです。まさに想像以上にです。(中略)…私はもう何度も脅かしを受けましたが、私はそのような脅かしを恐れてはいません。私を殺すと脅されたことさえもあります。私の家族や私は侮辱されました。しかし、そういったことは何でもありません。子供が涙を流す価値さえもありません。

2日前にゴルロフカで日中にコンサートを催しました。その会場には子供たちがたくさん来ていまして・・・ 子供たちは私を取り囲んで、私のために演奏しようとしました。でも、もう遅くなったので、帰宅する時刻だと注意されたのです・・・ 私は、愚かにも、「でも、子供たちに演奏させてあげたら」との思いに駆られていました。子供たちは帰っていきました。子供たちが帰宅の途上にあった7時10分頃、ゴルロフカは砲撃を受けたのです。私は子供たちのためにプロコフィエフやバッハならびにショパンを演奏しましたが、私を見つめている姿を良く覚えています。あれは私にとっては最高の報酬でした。

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[マイケル・ハドソン教授]新たな世界規模の冷戦 - 金融戦争【後編】

 前編のつづきです。
 国際金融システムの崩壊について述べられている部分があります。ハドソン教授は"中途半端なものではなく、地殻変動的な地政学的変化となる"と考えているようです。欧米以外の国々が、"国内市場を繁栄させ、裕福"になり、"自分が生産に貢献した分を反映した稼ぎを手にする"、"政府がインフラ・コストの大部分を支払い"、"農業の質を高め…ハイテック産業を推進し、公的医療制度ならびに最低限度のニーズを低額の公的支出で支える"、そのようなヴィジョンが語られています。
 そのような"地殻変動的な地政学的変化"にあらゆる汚い手を使い抵抗し、"最終的には、米国はISISやアル・ヌスラを米国の外人部隊として起用し、相手国を潰して乗っ取りたい国へこの外人部隊を送り込む"ということまでやることが指摘されています。
 しかし、時事ブログでは、こうした抵抗虚しく、あらゆる方向から動きを封じられ、地球全体としては良い未来に向かって進んでいることが指摘されています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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新たな世界規模の冷戦 - 金融戦争(その2)
記事配信元)
本記事文章は現在公開を停止しております。 (2016/4/23)
記事の提供元にてご覧ください。

[マイケル・ハドソン教授]新たな世界規模の冷戦 - 金融戦争【前編】

 ポール・クレイグ・ロバーツ氏が"世界最高の経済学者"と賞賛しているマイケル・ハドソン教授の記事です。
 ハドソン教授は"中国とロシアを孤立化させるためにIMFは規則を変更"させてきたと指摘しています。IMFの規則に従えば、内戦状態にあり、債務不履行に陥っているようなウクライナに対して、融資できるはずがないのですが、IMFは規則を変更し融資を行い、その金は、"コロモイスキーの手に渡り、…反ドンバス軍に対して資金提供…その翌日、ポロシェンコ大統領は「ウクライナはこれでようやく戦争を再開できるようになった」"と宣言するような事態を招いてきました。ハドソン教授は分かりやすく"IMF規則の変更は、…IMFを米国務省の出先機関として起用することだった"と指摘しています。
 その他、素人にも分かる言葉で、鋭い指摘がたくさん出てきます。ポール・クレイグ・ロバーツ氏が"長時間、ハドソンの書物を読む"ことを勧めていた理由が分かります。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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新たな世界規模の冷戦 - 金融戦争(その1)
記事配信元)
本記事文章は現在公開を停止しております。 (2016/4/23)
記事の提供元にてご覧ください。

[sputnik]フランス人、ウクライナ革命の仮面の下に隠されたものを知る

竹下雅敏氏からの情報です。
 フランスのTVで、2014年のウクライナの革命についての真相に迫るドキュメンタリーが放映されたとのことです。
 本質はこれまでシャンティ・フーラの時事ブログで紹介した一連の記事と変わらないと思っていますが、映像は圧倒的な迫力と説得力を持ちます。
 このドキュメンタリー映画は、日本でも放映されないものでしょうか。人々の意識を変えるには、大変貴重な映像だと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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フランス人、ウクライナ革命の仮面の下に隠されたものを知る
転載元)
1543735

フランスのTV「Canal+」は、ウクライナ当局からの圧力があったにもかかわらず、ポール・モレイラ監督のドキュメンタリー映画「革命の仮面」を放映した。このルポルタージュは、2014年のウクライナにおける革命について客観的に物語っている。

2014年、モレイラ監督は、起きている事を自分の目で確かめ判断し理解しようとして、ウクライナに向かった。監督によれば、作品の中で示されているものは「フランスの視聴者が日頃見慣れたものとは、本質的に違っている」との事だ。

作品の中では、ウクライナでの出来事に積極的に参加した複数の民族主義組織について語られている。これらの組織のメンバーらは、自分の本当の名前を隠す事を好み、ユニフォームには、ナチス国防軍や親衛隊のエンブレムを思わせる記章がついていた。監督は、そうした若者の中に、フランス人を含め、少なくない外国人の姿を目にした。

「ウクライナの出来事への米国代表者の参加」というのも、モレイラ監督の作品のもう一つの重要なテーマとなっている。例えば「マイダン」自体への参加も含め、革命の時期に、米国からウクライナにやってきた数多くの政治家や実業家達に対し、注意が向けられている。

なお公開の直前、駐仏ウクライナ大使館は「この映画は視聴者を混乱に陥れる」として、番組の放映取り止めを強硬に求めたが、それは実現しなかった。

[マスコミに載らない海外記事]一時的に電力を失ったクリミア、クリミアを永遠に失ったウクライナ 〜シリアではダーイシュ、ウクライナではネオナチを用いる欧米〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 クリミアで、ウクライナのネオナチ組織の活動で送電線が切られ、1週間以上停電し、それをロシアが復旧させました。欧米はシリアではダーイシュ(IS)を用い、ウクライナではネオナチの右派セクターを用いて、自分たちに都合の良い政権を打ち立てようとしているのですが、クリミアの例は、彼らの目論見が外れ、このような行為によって“クリミアはひたすらロシア連邦の奥深くへと追いやられる”結果になることを指摘しています。
 この指摘は正しいように思います。シリアの動乱を見ていると、最終的にトルコが分割され、サウジアラビアも同様となり、最終的にイスラエルも国土の大半を失うことになりそうです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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一時的に電力を失ったクリミア、クリミアを永遠に失ったウクライナ
転載元より抜粋)
Tony Cartalucci
2015年12月11日
 

ロシアのクリミアの送電線が、ウクライナに切断され、半島と200万人以上の住民を、一週間以上、暗闇にした。海底ケーブルで、クリミアへの電力復旧を開始するのはロシアだ。

12月第一週、インターナショナル・ビジネス・タイムズは、“ウラジーミル・プーチン、電撃訪問時に、クリミア・エネルギーの橋落成を祝う”という記事でこう報じている。

ウラジーミル・プーチン大統領が、半島を電撃訪問し、ロシア本土とクリミア間送電線の最初の区間落成を祝った。地域が広範囲の停電で真っ暗になった後に、戦略的に重要な領土への彼の訪問が行われた。

ウクライナのエネルギー封鎖に見舞われたとモスクワが主張しているクリミアは、“電気の橋”が完成すれば、ロシアから電力を受け始める。海底ケーブル・プロジェクトは、12月末までに完成する予定だったが、クリミアの電源供給が止められた後、前倒しにされた。

一週間以上、ウクライナ側から修理を阻止したテロリストを制御できないキエフは、この地域を運営する関心も能力もないことを証明したに過ぎない。

クリミア返却を主張するアメリカ

すっかりお馴染みになったパターンで、アメリカ合州国は、現実とは逆の発言をし続けている。アメリカ副大統領ジョセフ・バイデンは、クリミアをウクライナに返すよう呼びかけたと報じられている。

ブルームバーグは、“バイデン、ロシアによる‘違法な’クリミア占領は終わるべきだと語る”という記事でこう報じている。

ウクライナ政府との団結を誇示して、ジョー・バイデン副大統領は、ロシアのクリミア併合を“違法”と呼び、アメリカは、シリアの「イスラム国」に対する戦いで、ロシアの協力を得るために、ウクライナ支持を手放すようなことはしないことを示した。

“継続している - 私は強調したい「継続している」 - ロシアとロシアが支援する分離主義者による武力侵略に向かい合う中、アメリカ合州国は、断固ウクライナ国民の側に立っている”と、バイデンは、月曜キエフで、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領との会談後に述べた。

モスクワ・タイムズなどの新聞は“活動家、クリミア送電線再開を阻止”という欺まん的な見出しをつけ、記事本文で、これらの“活動家”が実際は、東ウクライナに対するNATOの代理戦争で、第一戦での役割で悪名高い重武装したネオナチ民兵組織の右派セクターであることを明らかにしている。

キエフは、自分の領土で起きていることを管理できないのか、右派セクターや他の集団に、クリミア封鎖を始めるよう命じたのかのいずれかだ。いずれにせよ、バイデン副大統領の、ロシアはクリミアをウクライナ支配下に戻せという呼びかけは、よくて無責任だ。文字通りのネオナチによる、200万人の一般市民への電力遮断 -あからさまな戦争犯罪 - クリミアに関するロシアの行動と、ロシア連邦内に居場所を求めようとしたクリミア住民自身の決断の正当性を更に示すだけのように見える。

主権ゲーム

ウクライナの先では、似たようなシナリオが東ヨーロッパ中で展開しファシズム、またはナチズムとつながった過激派ではない同盟相手を見つけるのが益々困難なことに気がついている。

これら過激分子と同盟することで、NATOが支援する政治、経済と、治安の支配下にある住民たちが、クリミアが、あるいはドネツクとルガンスクの分離共和国がしたように、ロシア側につく可能性が高まる。

東ヨーロッパ以上に、NATOによるシリアとイラクの主権侵害の継続が、ウクライナに関する主権と領土的一体性を訴えることを一層困難にしている。欧米は、シリアをいくつかのより弱小な地域に“バルカン化”することを繰り返し呼びかけている。自分たちの同盟相手が分割される運命に直面した場合に、国家主権と領土的一体性に対し、既存諸国に示したこの軽視のしっぺ返しを食らうことに、欧米は気がつくかも知れない。

クリミアのロシア連邦への再編入は、NATOが推進している無法状態ゆえに可能になったと主張するむきもある。この無法状態が続けば、クリミアはひたすらロシア連邦の奥深くへと追いやられるのは確実だ。

記事原文のurl: http://journal-neo.org/2015/12/11/crimea-loses-power-temporarily-ukraine-loses-crimea-forever/
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