竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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複雑怪奇なシリア紛争、当事者ではなく、その背後に立つ者らの争い
転載元)
Sputnik 16/10/10
(前略)
シリア紛争はこれに加わる外交プレーヤーの数が多く、込み入っていることから、専門家らの多くはこの国の国境線が以前のラインに戻ることは決してないのではないかと予想している。シリアの戦線での戦いは紛争の直接的な当事者のものではなく、その背後に立つ者らの争いとなっている。まさに紛争を背後で操る者たちが自分たちの戦略的目的を果たすために戦闘員らを使っているからだ。その結果、この地域ではここ5年間でイスラム主義の組織とこれらが掌握した領域が強固に固められたことは全世界がはっきりと目撃している。
シリアの悲劇を5年以上にわたって演出しつづけている外交プレーヤーは誰か?
(中略)
スプートニクはロシア政府付属金融大学、政治学のゲヴォルグ・ミルザヤン助教授にマイクを向けた。
(中略)
「サウジアラビアはつい最近までシリア紛争の火を焚きつけ、最も破壊的な役割を演じてきた。サウジはシリアの内戦をある種、イランに対抗する周辺部の戦争と位置づけていた。サウジは欧米、トルコ、クルドなどイランに対抗するための戦いにとにかくあらゆる人間をここへ引き寄せたいとしていた。これはサウジにとってはイランがペルシャ湾岸の南部、南西部、つまりパレスチナ方面へと拡張するのを抑止する方策だったのだ。
まさにサウジがシリアのイスラム主義武装戦闘員のかなり多くに資金を渡している。それはイスラム主義者らがアサド政権に対抗する闘いを続け、戦争が出来るだけ長引くようがサウジにとって好都合だからだ。この戦争が長引けば長引くほど、イランは手持ちの資金を費やさざるを得ず、サウジはますます枕を高くして眠れることになる。
トルコはアサド政権が転覆すればトルコはシリアに親トルコのスンニー派政府を獲得できるという一種の保証となると考えていた。トルコはトルコ型の国家モデルと輸出できるのではないかと期待を寄せていたのだ。もちろんトルコはイランとの間にはサウジ対イランのような争いは抱えていなかった。だがトルコも10年後にはイランは自分のライバルとなることは重々理解していたのだ。オスマントルコ帝国にとっては中東は常にあまりに手狭だった。」
(中略)
「ポジションはトルコがシリアのことでロシアと大喧嘩をしてから実際非常に深刻な変化をとげた。だがこの事が起きたあとすぐにトルコは自分が孤立したことをまざまざと知ったのだ。つまりトルコは対露関係を欧米への圧力を講じるハンドルとして使う可能性を逸したのだ。
欧州はトルコの立場が弱まったことを察知し、トルコに激しく圧力をかけ、欧州が必要とする解決を得ようとし始めた。欧州は移民問題でトルコの期待に応えず、米国もクルド人問題でトルコの期待を裏切った。
エルドアン大統領は自分が熱を入れすぎたことを悟り、対露関係の正常化を開始し、シリアに対しても正常化しはじめた。と、そうしたときにトルコでクーデター騒ぎが持ち上がった。
これはロシアの状況が関係したものではなく、前もって準備されていたものだ。だがこのクーデターが起きたおかげでエルドアンは、頼りにしていいのは他ならぬロシアであってロシアとなら手を組めるが米国は自分を裏切るという思いを堅くしたのだ。」
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シリア紛争はこれに加わる外交プレーヤーの数が多く、込み入っていることから、専門家らの多くはこの国の国境線が以前のラインに戻ることは決してないのではないかと予想している。シリアの戦線での戦いは紛争の直接的な当事者のものではなく、その背後に立つ者らの争いとなっている。まさに紛争を背後で操る者たちが自分たちの戦略的目的を果たすために戦闘員らを使っているからだ。その結果、この地域ではここ5年間でイスラム主義の組織とこれらが掌握した領域が強固に固められたことは全世界がはっきりと目撃している。
シリアの悲劇を5年以上にわたって演出しつづけている外交プレーヤーは誰か?
(中略)
スプートニクはロシア政府付属金融大学、政治学のゲヴォルグ・ミルザヤン助教授にマイクを向けた。
(中略)
「サウジアラビアはつい最近までシリア紛争の火を焚きつけ、最も破壊的な役割を演じてきた。サウジはシリアの内戦をある種、イランに対抗する周辺部の戦争と位置づけていた。サウジは欧米、トルコ、クルドなどイランに対抗するための戦いにとにかくあらゆる人間をここへ引き寄せたいとしていた。これはサウジにとってはイランがペルシャ湾岸の南部、南西部、つまりパレスチナ方面へと拡張するのを抑止する方策だったのだ。
まさにサウジがシリアのイスラム主義武装戦闘員のかなり多くに資金を渡している。それはイスラム主義者らがアサド政権に対抗する闘いを続け、戦争が出来るだけ長引くようがサウジにとって好都合だからだ。この戦争が長引けば長引くほど、イランは手持ちの資金を費やさざるを得ず、サウジはますます枕を高くして眠れることになる。
トルコはアサド政権が転覆すればトルコはシリアに親トルコのスンニー派政府を獲得できるという一種の保証となると考えていた。トルコはトルコ型の国家モデルと輸出できるのではないかと期待を寄せていたのだ。もちろんトルコはイランとの間にはサウジ対イランのような争いは抱えていなかった。だがトルコも10年後にはイランは自分のライバルとなることは重々理解していたのだ。オスマントルコ帝国にとっては中東は常にあまりに手狭だった。」
(中略)
「ポジションはトルコがシリアのことでロシアと大喧嘩をしてから実際非常に深刻な変化をとげた。だがこの事が起きたあとすぐにトルコは自分が孤立したことをまざまざと知ったのだ。つまりトルコは対露関係を欧米への圧力を講じるハンドルとして使う可能性を逸したのだ。
欧州はトルコの立場が弱まったことを察知し、トルコに激しく圧力をかけ、欧州が必要とする解決を得ようとし始めた。欧州は移民問題でトルコの期待に応えず、米国もクルド人問題でトルコの期待を裏切った。
エルドアン大統領は自分が熱を入れすぎたことを悟り、対露関係の正常化を開始し、シリアに対しても正常化しはじめた。と、そうしたときにトルコでクーデター騒ぎが持ち上がった。
これはロシアの状況が関係したものではなく、前もって準備されていたものだ。だがこのクーデターが起きたおかげでエルドアンは、頼りにしていいのは他ならぬロシアであってロシアとなら手を組めるが米国は自分を裏切るという思いを堅くしたのだ。」
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アメリカは元々、中東の境界線の再編を意図して中東に介入し始めたはずなので、今後こうした方向性になるのは、避けられないように思います。
複雑怪奇なシリア紛争で、サウジアラビア、トルコの立ち位置をわかりやすく説明してくれていますが、最大のプレーヤーであるアメリカ、イスラエルの立場に言及していないのは残念です。