竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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露国との関係を強めているイランが中国へも接近、米国の好戦派が破壊しようとした国々が団結へ
転載元)
櫻井ジャーナル 15/10/15
中国海軍の孫建国提督がイランを訪問、10月13日にイランのホセイン・デーガン国防相と会談、両国の軍事的な協力関係を深めたいと語ったという。中国としてはイランの石油も魅力だろう。そのイランの近く、ペルシャ湾岸にアメリカ軍は空母を貼り付けてきたが、ロシア軍がカスピ海から巡航ミサイルでISやアル・ヌスラの部隊を攻撃した直後、空母シオドア・ルーズベルトを「メンテナンス」のために湾の外へ出したという。
アメリカの好戦派はリビアに続いてシリアの体制転覆を目指し、軍事介入の口実を作ろうとしてきた。シリア政府軍による民主化運動の弾圧や住民虐殺が宣伝され、2013年8月には政府軍が化学兵器を使用したと西側の政府やメディアは非難しはじめた。この化学兵器話はロシアのビタリー・チュルキン国連大使がアメリカ側の主張を否定する情報を国連ですぐに示し、報告書も提出している。
この時、チュルキン大使が示した情報には、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを示す文書や衛星写真が含まれていたようで、その後、国連内の雰囲気が大きく変化したとも言われている。
その後、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、シリア政府がサリンを使ったことを示す証拠を持っていると語っているが、証拠が示されることはなく、逆にアメリカ政府の主張を否定する事実や分析が次々に出てくる。
まず、APのデイル・ガブラクがヤフヤ・アバブネと書いたミントプレスの記事ではサウジアラビアと化学兵器との関係を指摘した。現地で反シリア政府軍、その家族、ゴータの住民、医師をアバブネが取材した結果、サウジアラビアが反政府軍に化学兵器を提供し、それを反政府軍の戦闘員が誤って爆発させたとしている。
そのほか、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、アフガニスタンの反政府軍支配地域で「第三国」がアル・ヌスラなどシリアの反政府軍に対し、化学兵器の使い方を訓練しているとする報告があると語った。
また、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2013年12月にLRB(ロンドン書評)で書いた記事によると、攻撃の数カ月前にアメリカの情報機関はアル・カイダ系武装集団のアル・ヌスラ(最近、アメリカ政府は「穏健派」だと主張しているらしい)がサリンの製造法をマスター、量産する能力を持っていると報告しとしている。シリア政府が実行したとするため、都合の悪い情報をアメリカ政府は切り捨てられたという。
さらに、アメリカの科学者、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授からもアメリカの政府やメディアの主張を否定する分析が明らかにされた。化学兵器をシリア政府軍が発射したとする主張はミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないというのだ。
アメリカ政府はシリアのバシャール・アル・アサド政権を軍事的に倒すため、嘘を承知で「サリン話」を宣伝していたと言えるだろう。その嘘は早い段階から指摘され、説得力もなかった。それにもかかわらずアメリカ政府の主張をそのまま宣伝していたメディアの罪は重い。
西側メディアはアメリカ軍のシリア攻撃は不可避であるかのように「報道」、アメリカ政府はシリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備し、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海に配備した。
それに対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦モスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したとされている。その時、中国も数隻の軍艦を地中海に入れていたという。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知、公表されているのだが、2発とも海中に落ちたという。その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に周辺国(少なくともロシア)へ通告されていなかった。実際は攻撃を始めたのだが、ジャミングでミサイルのGPSが狂って落下したと推測する人もいる。
その9月に西側の首脳はヤルタで国際会議を開き、アメリカに従わないロシアの体制転覆について話し合ったと言われている。そして11月にウクライナのキエフで反政府活動が始まる。ロシア政府が動きにくいと計算したのか、ソチのオリンピック開催に合わせ、ネオ・ナチが前面に出てきて過激化する。棍棒、ナイフ、チェーンなどを片手に持ちながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを撃ち始め、そして狙撃が始まり、オリンピック競技の最終日に憲法の規定を無視する形でビクトル・ヤヌコビッチ大統領が解任された。
アメリカ支配層の目論見としては、中東、ウクライナ、ロシア、中国を別々に潰していく予定だったのだろうが、全てが同時に進行する事態になり、その間にロシア、中国、シリア、イラン、イラクの関係が緊密化している。
ロシアや中国を中心にまとまっているBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(上海協力機構/中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン)の存在感も強まり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)や新開発銀行(NDB)も始動している。
昨年5月20日、プーチン露大統領の中国訪問にタイミングをあわせるようにしてロシアと中国は軍事演習「海上協力-2014」を東シナ海で開始、24日に日本と中国の軍用機が数十メートルの距離まで接近するということもあった。海上自衛隊のOP-3C(画像情報収集機)と航空自衛隊のYS-11EB(電子情報収集機)に対して中国はSU-27(戦闘機)を緊急発進させ、OP-3Cには50メートル、YS-11EBには30メートルまで近づいたという。
アメリカの支配層はメディアを使ったプロパガンダで人心を操り、1992年の初めに国防総省で作成されたDPGの草案通り、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配しようとしてきたが、この世界制覇プランは崩壊した。ネオコン/シオニストなどが余裕を失っていることは彼らの言動に現れているが、日本の「エリート」は自分たちが服従している勢力が危機的な状況であることを理解しているようには見えない。
アメリカの好戦派はリビアに続いてシリアの体制転覆を目指し、軍事介入の口実を作ろうとしてきた。シリア政府軍による民主化運動の弾圧や住民虐殺が宣伝され、2013年8月には政府軍が化学兵器を使用したと西側の政府やメディアは非難しはじめた。この化学兵器話はロシアのビタリー・チュルキン国連大使がアメリカ側の主張を否定する情報を国連ですぐに示し、報告書も提出している。
この時、チュルキン大使が示した情報には、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを示す文書や衛星写真が含まれていたようで、その後、国連内の雰囲気が大きく変化したとも言われている。
その後、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、シリア政府がサリンを使ったことを示す証拠を持っていると語っているが、証拠が示されることはなく、逆にアメリカ政府の主張を否定する事実や分析が次々に出てくる。
まず、APのデイル・ガブラクがヤフヤ・アバブネと書いたミントプレスの記事ではサウジアラビアと化学兵器との関係を指摘した。現地で反シリア政府軍、その家族、ゴータの住民、医師をアバブネが取材した結果、サウジアラビアが反政府軍に化学兵器を提供し、それを反政府軍の戦闘員が誤って爆発させたとしている。
そのほか、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、アフガニスタンの反政府軍支配地域で「第三国」がアル・ヌスラなどシリアの反政府軍に対し、化学兵器の使い方を訓練しているとする報告があると語った。
また、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2013年12月にLRB(ロンドン書評)で書いた記事によると、攻撃の数カ月前にアメリカの情報機関はアル・カイダ系武装集団のアル・ヌスラ(最近、アメリカ政府は「穏健派」だと主張しているらしい)がサリンの製造法をマスター、量産する能力を持っていると報告しとしている。シリア政府が実行したとするため、都合の悪い情報をアメリカ政府は切り捨てられたという。
さらに、アメリカの科学者、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授からもアメリカの政府やメディアの主張を否定する分析が明らかにされた。化学兵器をシリア政府軍が発射したとする主張はミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないというのだ。
アメリカ政府はシリアのバシャール・アル・アサド政権を軍事的に倒すため、嘘を承知で「サリン話」を宣伝していたと言えるだろう。その嘘は早い段階から指摘され、説得力もなかった。それにもかかわらずアメリカ政府の主張をそのまま宣伝していたメディアの罪は重い。
西側メディアはアメリカ軍のシリア攻撃は不可避であるかのように「報道」、アメリカ政府はシリア近くの基地にB52爆撃機の2航空団を配備し、5隻の駆逐艦、1隻の揚陸艦、そして紅海にいる空母ニミッツと3隻の軍艦などの艦船を地中海に配備した。
それに対抗してロシア政府は「空母キラー」と呼ばれている巡洋艦モスクワを中心に、フリゲート艦2隻、電子情報収集艦、揚陸艦5隻、コルベット艦2隻がシリアを守る形に配置したとされている。その時、中国も数隻の軍艦を地中海に入れていたという。
攻撃が予想されていた9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。このミサイルをロシアの早期警戒システムがすぐに探知、公表されているのだが、2発とも海中に落ちたという。その直後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に周辺国(少なくともロシア)へ通告されていなかった。実際は攻撃を始めたのだが、ジャミングでミサイルのGPSが狂って落下したと推測する人もいる。
その9月に西側の首脳はヤルタで国際会議を開き、アメリカに従わないロシアの体制転覆について話し合ったと言われている。そして11月にウクライナのキエフで反政府活動が始まる。ロシア政府が動きにくいと計算したのか、ソチのオリンピック開催に合わせ、ネオ・ナチが前面に出てきて過激化する。棍棒、ナイフ、チェーンなどを片手に持ちながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを撃ち始め、そして狙撃が始まり、オリンピック競技の最終日に憲法の規定を無視する形でビクトル・ヤヌコビッチ大統領が解任された。
アメリカ支配層の目論見としては、中東、ウクライナ、ロシア、中国を別々に潰していく予定だったのだろうが、全てが同時に進行する事態になり、その間にロシア、中国、シリア、イラン、イラクの関係が緊密化している。
ロシアや中国を中心にまとまっているBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(上海協力機構/中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン)の存在感も強まり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)や新開発銀行(NDB)も始動している。
昨年5月20日、プーチン露大統領の中国訪問にタイミングをあわせるようにしてロシアと中国は軍事演習「海上協力-2014」を東シナ海で開始、24日に日本と中国の軍用機が数十メートルの距離まで接近するということもあった。海上自衛隊のOP-3C(画像情報収集機)と航空自衛隊のYS-11EB(電子情報収集機)に対して中国はSU-27(戦闘機)を緊急発進させ、OP-3Cには50メートル、YS-11EBには30メートルまで近づいたという。
アメリカの支配層はメディアを使ったプロパガンダで人心を操り、1992年の初めに国防総省で作成されたDPGの草案通り、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配しようとしてきたが、この世界制覇プランは崩壊した。ネオコン/シオニストなどが余裕を失っていることは彼らの言動に現れているが、日本の「エリート」は自分たちが服従している勢力が危機的な状況であることを理解しているようには見えない。
外務官僚などはその典型で、“ただひたすらアメリカについて行くことが日本の国益だ”としか考えていないように見えます。
ところでそのアメリカを中心とする支配層ですが、“この世界制覇プランは崩壊した”とあり、ネオコン/シオニストなどの連中のプランがもはや成り立たないことがはっきりとしました。問題はこの状況においてもなお、“日本の「エリート」”が現状を認識していないという事実です。
時事ブログでは、日本の真の支配層を“八咫烏を中核とする組織”だとし、彼らのことを愚劣だと批判して来たのですが、それが事実だとわかると思います。