このサミットを境に、日本のメディアの論調が大きく変わるはず。日本の頭の破滅的に悪いマスコミ坊やたちも、欧米メディアの意思がよく分かったのではないだろうか。
「リーマンショック直前と同じ」で経済馬鹿をさらす安倍晋三と閣僚たち
2日間のG7伊勢志摩サミットが終わりました。参加したG7首脳のうち、
ファーストレディー同伴で参加したのは半分。もちろん、今回もオバマはミシェル夫人を本国に置いたままです。
(中略)
26日夕方、現地で行われた記者会見で、
安倍首相は円卓を囲んでの
世界経済を討議するセッションで、コモディティーの値動きを示したグラフを持ち出して、「2014年以降55%下落しており、
リーマン・ショック直前と同じ様相を呈している」と、
現在の世界経済が危機的状況にあるとの認識を示して各国首脳に同意を求めました。
その場にいた記者のうち、何人が、この微妙な空気感を感じ取ったでしょう。
安倍首相としては、日米の持つ危機感を欧州勢にも共有してほしかったと同時に、何より
夏の参院選をにらんでの消費税・再増税延期の正当性をアピールすることが狙いだったわけですが、欧州勢は、いっせいに興ざめ。
さらに、この記者会見後、安倍首相は二度目の大失態をやらかして恥の上塗りをやってしまったのです。
記者団に向けて、「アベノミクス『三本の矢』を世界に展開する」と息巻いたのはいいが、外国人記者は、まさに“どっちらけ”。
さすがの
安倍内閣のプロパガンダ新聞・産経も、それ以上、何も書けないとばかり、サラッと流して終わり。
この会見の後、「アベノミクスが失敗したことは、世界共通の認識になっている。いまさら、何を言いたいのでしょう」と、アメリカの主流メディアの外国人記者が放った辛口のコメントをそのまま放送する日本のテレビ局は、世界的に潮目が反転したことを悟ったのでしょう、少しはお利口さんになったようです。
さて、この状況を、どう分析しますか?
テレビ、新聞の報道からは何も分かりません。心の目で見ることです。
つまり、
安倍首相は、IOCの総会で「アンダー・コントロール」と大嘘を言っただけでなく、今度も
G7という晴れの舞台で世界中に大嘘をついてしまったのです。
もっとも、今度は「嘘をつかされてしまった」というのが正しい。
これには、若干の説明が必要です。
始まりは、今年3月に行われた国際金融経済分析会合に
ジョセフ・スティグリッツとポール・クルーグマンの二人のノーベル経済学賞を受賞した経済学者
を呼んだことです。
安倍プロパガンダ新聞は、この二人が「来年4月の消費税増税を延期すべきであると提言した」と報じていますが、これは真っ赤な嘘です。
少なくとも、スティグリッツ教授は消費税問題には触れず、「(アベノミクスの間違いを認めて)アベノミクスを停止し、経済政策を180度転換することによって、次のG7サミットで主導権を取るべきである」と安倍首相と官邸の側近たちに強く進言したのです。
安倍官邸は、この時点ですでに、10%の消費税引き上げを延期する算段であったわけですが、それをすんなり表明してしまえば、2014年11月に「アベノミクス解散」と銘打って、消費増税先送りを延期した根拠が根底から崩れ去ってしまいます。
そうすれば、有権者をまたまた騙したことになってしまうので、安倍内閣の存在理由を喪失するどころか、存在そのものが「悪」とされてしまうからです。そのために、
有権者の目をそらすために、二人の経済学者を利用しようとしたのです。
しかし、二人は、消費税より、むしろ「アベノミクスの失敗」について言及したのです。
マスコミの手のひら返しは、いつも見事です。
「幻の三本の矢」、続いて「新・三本の矢」については、今後、報道に力が入らないでしょう。アメリカの主流メディアの外国人記者が言ったように、最初から「存在しない」のですから。
つまり、
安倍首相は、スティグリッツ教授の進言である「アベノミクスを撤回する」ことをしない代わりに、消費増税の再延期を選択したのです。
アベノミクスを撤回してしまえば、安倍政権の、それこそアイデンティティーを喪失してしまいかねないからです。
といって、先の衆院解散総選挙で国民に嘘を吐いたことが確定してしまうので、野党連合からは内閣不信任案を出されてしまいます。
自民党の国対は、野党が内閣不信任案を提出すれば、
衆参同日選挙に打って出ると、準備不足の野党連合を脅していますが、それこそ、自民・公明の公党としての矜持を自ら捨て去る行為であって、今度こそ、自公は単なる「ならず者集団」に成り下がって国民から見捨てられるでしょう。
第一、この状況で衆院も解散するとなれば、自公は大幅に議席を減らすことが明らかですから、あえて破滅的なリスクを冒す理由がないのです。これは、自公のタチの悪い恫喝です。
いよいよ、
大嘘連発によって自らを窮地に追い込んでしまった安倍内閣が取った最後の手段が、「リーマン前に似ている」です。
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