かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(30)子どもの自立

かんなままさんの執筆記事第30弾です。 
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 自分から子どもが離れていこうとすると、親不孝者と罵るのはとんでもない話で、精神的に未成熟です。
子どもは親から離れていくものです。離れていく態度を示した時、祝福できないといけません。
また子どもをかばってはいけません。「あなたならできるから行ってきなさい。できるだけ羽ばたいて遠くに行きなさい」というのが、賢明な親のはずです。自分たちが重荷にならないように自分の事は自分でやり、子どもを遠くへ行かせようとするのです

出典:「ぴ・よ・こ・と2」竹下雅敏(著)



親の子離れ、子どもの自立


ママの姿が見えなくなると大泣きしていた子が、あっという間に成長して、後ろも振り向かずに出ていく時が来ます。親としては食事や身の回りの事が気になります。いなくなった子ども部屋を見るたびに自分の胸に空いた寂しさを味わいます。でも、ここが肝心!親にとっては子離れの試練の時です。

一方、子どもにとっては自立の時。時々家の食事が懐かしく、明かり消えた寒い部屋に帰るのが寂しくなりますが、湧き上がる自立のエネルギーの追い風に乗って船出します。親離れができていない子は後押ししてでも船出させます。赤ちゃんの一歩と一緒で、自分の足で立たないと始まらないのです。

子離れ、親離れが上手くできたところはあまり問題ないのですが、それ以降の親子関係はお互いの精神的な自立ができているかどうかで大きく変わってきます。

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日本の社会保障をめぐる問題


やがて、子どもは仕事を始め、結婚して、自分の家族を作ります。でも、今の経済中心の社会は育てることより効率を優先して、若者が自立しにくい環境になっています。何かと実家に頼り、親も子や孫がかわいくて体力、金力がある限り子ども世帯の力になろうと支援します。

同時進行で今度は、祖父母世代が年を取っていき、脳卒中、認知症、骨折などで様々な介護が必要になってきます。今や人生100年時代。死亡者最頻年齢は男性87歳、女性92歳です。そして、80歳以上の女性の単独世帯は30.7%。100歳以上が6万7千人。最後はぴんぴんころりと逝きたいものですが、周りを見ていると、そんなにうまく行くものではないようです。子どもの世話にはならんと言いながらも体力、気力、金力、認知力が衰え、ヨロヨロになりながら、自分では何の対策もしないまま周りに丸投げ状態になるのです。

年金はあてにはできないし、政府は介護保険の負担を増やし、消費税も受診料の自己負担も上げ、介護認定は厳しくなり、自立しなさい、家族が看なさいという方針です。

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結局、自分の老後は自分で考えないといけないのです。なぜなら、今は家族の形態が多様化して、伝統的な有配偶者で親と同居は8.9%しかありません。逆に30代後半の34.7%は未婚。18歳から34歳までの未婚者のうち交際相手がいないのは男性70%、女性59%です。少子化、シングル化の傾向はもっと高くなる傾向にあると言えるでしょう。逆に、シングルで親と同居している人が20.1%と増えています。これは、何かと親が援助しているうちはいいのですが、親の介護が必要になった時、子どもが仕事を辞めざるを得なくて子どもが自活できなくなるケースと、そもそも親が何でもしてあげていたので生活能力が育っていなくて親と共倒れになる新たな問題をはらんでいます。

どちらにしても、息子が…つまり嫁が面倒を見てくれるという親孝行の老後神話では通用しなくなりました。


我が家が抱える高齢者に起きた出来事


まさに我が家でこんなことがおこっています。
私の母は95歳で自立して元気ですが、90歳、89歳、87歳の夫の叔母達が近くに住んでいて、3人とも1人暮らしです。家族とあまりうまくいっていなくて、夫が本家の長男という事で、なぜか我が家を頼りにしています。私の父の従妹も身寄りがなくて私を頼りにしています。義母も89歳で認知症。結局、我が家は6人の1人暮らしの高齢者を抱えていることになります。

最近、その中の3人が立て続けに家の中で転んで骨折してしまいました。転んだ時に誰もいなくて、廊下に倒れたままでした。ペットの犬が吠えているのを近所の人が不審に思って連絡をくれました。一緒に救急車に乗り、身元保証人として手術の説明、同意書にサインをしました。保険証や服薬名を伝えたり、入院の用意、ペットのこと、留守の家の事・・・現実に誰かが引き受けなければ治療も始まりません。叔母達が元気な時ならいいのですが判断力も落ち、家に帰りたいと言うばかりで自分の身におこる変化を受け入れることも難しくなって大変でした。


最後まで尊厳を持って生きるということは


私達は生まれたら、いつかは死にます。つまり、老後の問題は生まれた時から始まっているのです。そのことを無視して生きていくことはできません。逆に死ぬことを意識しながら生きてこそ、命の大事さがわかります。親から自分の命を大事にされた子どもは、やがて、すべてのものには命があり、尊重されるものだという事に気づきます。

そして、いつ死が訪れるのか誰にもわかりません。だから、いつ訪れてもいいように生きるという事からスタートです。くだらないことで意地を張っても仕方がありません。全部自分のものにしても仕方がありません。ただ、自分の徳を積むこと、愛を深めることは永遠に続く財産なのでせっせと貯蓄したいものです。

子育ても、子どもが健やかに成長して自立した大人になるためにするもので、親の面倒をみるために育てているのではありません。人間も自然界と同じで、次世代を育てるために幸せの種を撒き、それが実り、又幸せの連鎖が続くことを喜びとしながら土に帰るのです。

叔母達を看ていて思います。死ぬのが怖くて考えない生き方をしていると、行き当たりばったりでまわりに迷惑をかけます。いつかは誰かのお世話にならなければいけないのですが、最後まで尊厳を持って生ききれるように、今から身じまいの準備をしたいと思います。家事サポートなど公的に頼れる制度を知っておくこと。自活できるように身の回りの生活力を付けること。家具、電気製品を老後仕様に変えたり、ご近所、家族など助けてくれる愛のある関係を作るなどです。

そして、死ぬ時の意識が集大成です。できれば今世に感謝し、愛のマントラ!を唱えながら死ねたら本望です!!あとは全て神様にお任せです。

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※データは国民生活基礎調査2016、国立社会保障人口問題研究所の出生動向基本調査より
※参考文献「変わる家族と介護」 著者 春日キスヨ 講談社現代新書


Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は8人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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