8日野党審議入りで国会「正常化」?〜 「朝ごはん」ツイートに見る国会答弁の異常

 8日、野党各党が衆院本会議に出席しました。報道では「国会正常化」との見出しですが、エッ?と思うのは私だけではないようです。審議拒否で意思表示をしなければならないほどの異常国会だという前提を正しく伝えてほしいぞ。
 安倍政権が今国会最重要法案とする働き方改革、高度プロフェッショナル制度ですが、与党は、5/6時事ブログでも指摘した「空回し」という前代未聞の手法を使って、導入ありきの強引な成立を目指しています。
審議拒否の野党を批判する向きもありますが、あらゆる質疑に与党がまともに答弁をしないことが原因の審議拒否ですから、まずは首相以下「人として」常識的な国会での答弁をすべきでしょう。
 これまでの経緯を見ると、働き方改革の重要な判断材料になる野村不動産の特別指導問題について、加藤厚労大臣は聞かれたことに答弁をせず、そのため議論が膠着していました。結果的に高プロ審議のタイミングがずれ込み、野党不在だろうと構わず質疑時間を稼ぐ目的で、「空回し」の審議入りしたものと見られます。
 その加藤大臣の不誠実な答弁を、上西教授が分かりやすく説明されました。上西先生は、裁量労働制の捏造データを検証され、議論に大きく貢献された方です。働き方改革の法案審議は、人の命に直接関わるものだけに「正しい事実に基づいて、真剣に議論すべきものだ。人をだますことを得意とする人に委ねるべきものではない。」と厳しく批判されています。
 今、評判になっている上西先生の「朝ごはん」ツイートはもちろん比喩ですが、野党の追求をかわすためのダマシの手法がとても分かりやすいです。元記事にある実際の答弁を合わせて読むと、加藤大臣はもちろん、安倍政権のこれまでの国会破壊の答弁は全てこれだったと納得します。
 愚弄されたのは野党ではなく、国民です。ツイートは笑えますが、ここは怒るところですよ!
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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国会が19日ぶり正常化
引用元)

野党各党は8日午後に開かれた衆院本会議に出席し、国会が19日ぶりに正常化した。
(中略)
ただ、安倍政権が今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案の審議が行われている衆院厚労委では、与野党の対立が再燃する可能性もある。同法案は、野党が審議拒否していた4月27日に審議入り。今月2日には立憲などが不在の中で審議を続ける「空回し」の手法で、野党の質問時間分を消費した。理事懇談会では、こうした審議時間の扱いなどをめぐって議論が紛糾しそうだ。

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配信元)








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「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」のような、加藤厚労大臣のかわし方
引用元)
(前略)
もちろん、これらは国会における実際のやりとりではない。しかし、国会のやりとりにおいて加藤厚生労働大臣は、実際に、こんなふうに野党の追及をかわし続けているのだ。そのため、いっこうに質疑が深まらず、野党の質疑の時間がどんどん空費されていく、という状況が続いている
(中略)

●「追及かわし」の手法
その1:論点のすり替え
その2:はぐらかし
その3:個別の事案にはお答えできない
その4:話を勝手に大きくして、答弁拒否
(中略)
その5:過去の事実の書き換え


(中略)

 野党が指摘しているように、裁量労働制のもとで働いていた労働者の過労死は、実際に数多く起きており、この問題には人の命がかかっている。過労死を考える家族の会の方々も、国会に傍聴に行き、日々の審議を見守っている。
 「働き方改革」の法案審議は、正しい事実に基づいて、真剣に議論すべきものだ。人を騙すことを得意とする人に、委ねるべきものではない
(中略)
 その思いは、今も変わらない。野党の追及をかわし、人を騙すことを得意とする加藤大臣に、働く人の命と健康にかかわる働き方改革関連法案の質疑の答弁に立つ資格はないと、筆者は考える。

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