地球ニュース:イスラエルの主張がまかり通る世界

 今週の火曜日午後から木曜日朝にかけて、たった二日だけでも「こんな世界に住まなあかんのかいな……嫌や勘弁して」と脱力出来ること請け合いのニュースをお届けします。カバールはこのレベルで貴方を騙して第三次世界大戦に誘導出来ると思っているのです。地球人シープル、舐められ過ぎです。
 もうね、イスラエルがここまで好き勝手することを許されている現状が意味不明。しかも同時並行で、パレスチナの一般人を多数死傷させていますから。なのにトランプ応援&カバール反対の米国オルタナ系メディアでも、(シリアはともかく)イランは攻撃してもいいって言い出す方がちらほらいます。長年の洗脳の成果でしょうか、ホント頭が痛い。
 (※今回の記事、時事ブログの昨日最後の記事と完全に被ってしまいましたが、情報が錯綜しているので、もう一度おさらいということでご容赦を。)
(Yutika)
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イスラエルの主張がまかり通る世界

イラン:血迷ってイスラエル様を攻撃?


皆さま、大変です! 昨日木曜日にイランがイスラエルを攻撃しました! まー何てエゲツない連中なんでしょう、許すまじイラン!

ほらね、天下のBBCも記事の見出しで言ってますよ、「イラン軍がゴランに『ロケット発射』、イスラエル軍が占領されたゴラン高原の自分のところにロケット20発撃ち込まれたと語る」。

そしてツイッターの上の部分では「英国はイスラエルに対するイランの攻撃を非難し、イランにこれ以上の攻撃は控えるように呼びかける、とテリーザ・メイ首相の報道官」。

CNN「速報です。ゴラン高原のシリア側にいるイラン軍がイスラエルを標的にロケットを撃ってきた、とイスラエル軍が話しています」と緊迫した様子で始まり、ホワイトハウスの女性特派員を呼びます:


「こんばんは、事態は少し前に始まりました。イスラエル防衛軍からの確認が取れましたが、イランのコドス部隊が20発のミサイルをゴラン高原のイスラエル北部に撃って来ました。もう一度言いますよ、イランのコドス部隊です、非常に重要な点です。彼らはイラン政権の軍隊で、イラン革命防衛隊の中でも最も好戦的な連中です。しかも革命防衛隊自体がイランの中で最も好戦的な部隊なんです。ということで大いに懸念される出来事です」


ゴラン高原:勝手に居坐っていますが何か


コドス(al-Quds)部隊ってのは、特殊部隊です。きっと血も涙もない殺人鬼なんですよ、超怖いですね。イランを蹴って叩いて虐めまくって、非人道的な行いを止めさせねば! ……あれ、でも「ゴラン高原」ってイスラエル領でしたっけ???

へぇぇ、シリアとイスラエルの間にあるのかー。で・も、シリア領です。だからちゃんと“占領された”ゴランって書いてあったでしょ。誰がって、イスラエルが第三次中東戦争のどさくさ紛れに勝手に占領しやがったんですよ。お上の改竄用語ではなく、そのまま形容すれば「侵略した」他国の領地です。おまけに元の名称は「シリア高原」、CNNよ「イスラエル北部」じゃ全然ねぇっ。

こちらの記事によると、一番の旨味は真水。イスラエルの3つの水源の内で最大量を貯蔵しています。900年で最大の干ばつ被害に苦しむイスラエルとしては絶対に手放せません。さらに何と、原油が何十億バレルも眠っているお宝地帯だと判明。

ということで、何度も繰り返しますがシリアの国土ですが、イスラエルが勝手にこちらの企業に採掘権を与えちゃいました

ディック・チェイニーとか、ジェイコブ・ロスチャイルドとか、ルパート・マードックとか、どこかで見掛けた面々が取締役会に名を連ねているジニー・エナジー社です、気のせいです、偶然です。

シリア:主権国家として行動することは許されません


それでもシリア軍ならまだしも、イラン軍がしゃしゃり出るなんざお門違いですかね。なにせ、この20発のロケット発射元はシリア国内ですから。

あの、断っておきますが、イラン軍はロシア軍同様、シリアから正式に滞在許可もらっています。味方なんです、シリアにいてくださって構わないんです。

アメリカ軍とかイスラエル軍は全くもって招かれてませんけれど。だってもうかれこれ7年間もシリアにロケットぶち込むわ、兇悪テロリストを送って来るわ、政情不安に陥れるわ、そいで裏で資源盗むわ、基地を勝手に建設するわ。

そいで上のツイート、イスラエルのエネルギー省ユヴァル・シュタイニッツ大臣がこのままイラン軍を駐留させる気ならアサドを殺害すると言っています。え? どこって、シリアの大統領が許可出すんですからシリア国内に決まっているじゃないですか。

暗殺通告は5月7日月曜日に出されました(うーん、おかしいな、木曜日のゴラン高原攻撃に激怒した後ならまだ分るんですが……)。

ま、最早誰かがイスラエル軍を攻撃するのに新しい理由なんて必要ない気もしますが、一応ありました。

今回のゴラン高原攻撃の数時間前、イスラエル軍がシリアの首都ダマスカスの南部を空爆していました。イラン軍がシリアから間借りしていた基地が標的となり、少なくともイラン革命防衛隊やシリア政府軍兵士9名が死亡。つまりその後のイラン側の行動は「反撃」です。

国際関係に配慮したためでしょうか、シリアに招かれたとはいえ、イランはこれまで一度もイスラエルへ攻撃していませんでした。ですが流石に堪忍袋の緒が切れてしまたのかもしれません。

しかもイスラエル軍、5月8日火曜日午後にトランプさんがイランとの核合意を一方的に破毀すると宣言してから僅か一時間でこのダマスカス空爆を再開しているんですよ。「やったー、これでアメリカ軍を対シリア&イラン戦争に巻き込めるぞー! ヒャッハー」って感じですかね。


イスラエル&ISIS:あくまでウチが被害者です


それでもゴラン高原の民間人が犠牲になる方が可哀相、とおっしゃりたいですか? ……って、こういう方々でしょうか。イスラエル軍が元々住んでいた10万人以上のシリア国民を全員追い出して村々を破壊した後、「人間の盾」としてイスラエルから連れて来たユダヤ系住民です。下水道に避難しています。

余談かもしれませんが、こちらの記事によると今回ゴラン高原に撃ち込まれたミサイル20発の内、4発はイスラエル軍が撃墜して、残りもイスラエル側まで到達しませんでした。つまり被害者ぶって騒いでいる割には人的被害ゼロです、ゼロ。

イスラエルが支援しているISIS系テロリストに通じるものがありますね。さすがは類友:

東ゴータのシリア反政府軍の所業です。ちなみに彼らは2017年、停戦を呼び掛ける国連決議が出された直後に、シリア軍が非人道的な化学兵器を市民に使ったと言い募って、正義の味方のアメリカ軍に援護射撃してもらいました。その後(勿論、シリア軍に対するお仕置き攻撃が一段落してから)、ペンタゴン自身が化学兵器使用の証拠は無かったと認めています(※発信源は同じホワイトヘルメットですが、数週間前のドゥーマでの偽化学兵器話とは別のヤツです)。

では最後は、主流メディアがイランを罵っている裏で流れてきたスプートニクの速報で締めて頂きましょう。

イランは関与を完全否定しております。……ゴラン高原にロケット弾を撃ったのは、自国の首都を攻撃されたシリア軍でした。ギャグですか。

え、いやちょっと待て。下手するとイスラエルの自作自演の可能性が出て来ました。そもそもイランは、ロシア軍みたく大々的にシリアには軍隊を派遣してないそうで。コドス特殊部隊の怖カッチョいいお兄さんたちはどこ消えたの!


おまけ:結局したいのはコレ


事実なんてどうだっていいんです。だって重要なのはお金儲けなのです:

まず今週火曜日、トランプさんがイランとの核合意を破毀したお蔭で、武器を製造する各巨大企業の株価が急上昇。

上のツイッターがリンクしている記事から:
ノースロップ・グラマンの株価が最も躍進し、この航空宇宙および防衛技術の企業は今回の増益を維持し続けている。トランプの発表から12ポイント(3.8%)以上も上昇しているのだ。

ロッキード・マーティンは6.4ポイント(2%)上げ、レイセオンの価格は5.3ポイント(2.55%)上がった。ボーイングも3ポイント以上を獲得したものの、その上昇を維持出来なかった。それでもトランプが2015年の取引【※イランとの核合意のこと】から抜けると発言する前と比べて、今でも株価は2ポイント高となっている。

株価の伸びは軍需産業に限ったことではなく、石油も3%以上高騰し、2014年以来の最高値を記録した。」

しかも冒頭で「イランが攻撃した」と積極的に洗脳放送に加担したCNNやBBC等は、大嫌いなトランプさんをついでにディスることも忘れていません:


参加した8人のアナウンサー&コメンテーター全員が、イラン核合意から離脱したせいでアメリカの安全を脅かし、国際的な協調を乱し、信用を失墜させたと大統領に対して非難囂囂です。

そしてそして、悪の枢軸イランの非道な所業に対する懲罰も忘れてはなりません。イラン軍か或いはシリア軍か(はたまたイスラエル軍か)もう全然どうでもいいんですけれど、当然ながら制裁対象です。だってゴラン高原を不法占拠するイスラエル“防衛”軍、喧嘩を買いたくて仕方なかったんだもん:

イスラエルは木曜日早朝に速攻で史上(少なくとも過去30年)最大規模の反々撃(※首都ダマスカスへ攻撃→ゴラン高原占領地へ反撃?→今ココを開始。シリアに広がるほぼ全てのイラン軍基地に対して28機の戦闘機を飛ばし、ミサイル70発を撃ち込み、少なくとも23名のシリア軍兵士を殺害。現時点でこの報道から10時間以上経過しているので、恐らく被害は更に拡大しているかと。

でも株価は更に上昇しているでしょうね(※早速ニューヨーク原油先物市場が3年半ぶりに目出度く1バレル=71ドルになりました)。


第三次世界大戦の開始を長年説いているネタニヤフの演説から:
「私はマジで病的な嘘吐きです。もし貴方が私の言うことを一言でも信じるのだとしたら、病院で頭を検査した方が宜しい」


文・Yutika

註:訳文中の【 】内は訳者による追加部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。


Writer

Yutika

体癖:8−2、エニアグラム:4
関西の英語塾で教えつつ、翻訳業(英語&仏語)をしております。


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